LANケーブルのカテゴリ見分け方。Cat8(カテゴリ8)でネット速度は向上するのか解説
※この記事は製品や技術にまつわるお役立ち情報=豆知識を意図しておりますことから、弊社製品以外の製品や市場一般に関する内容を含んでいることがあります
インターネットが生活に欠かせない存在となった今日、大容量高速通信が普及し始めています。大容量高速通信を快適に使用するためには、最適なLANケーブルを使用することが重要です。
大容量高速通信の普及に伴い、近年流通し始めたカテゴリがCat8(カテゴリ8)です。今回は、このCat8について解説します。
目次
LANケーブルのCat(カテゴリ)とは
Cat(カテゴリ)とはLANケーブルの規格を表しており、Cat8の場合は文字通りCatが8であることを表しています。この数字が大きければ大きいほど高速通信が可能です。
Cat8は現在登場しているカテゴリの中で1番大きな数字のため、現段階で最も高速なLANケーブルとされています。
LANケーブルのCat(カテゴリ)の確認方法
LANケーブルのカテゴリは、LANケーブルに印字されている文字で確認できます。表記の意味を知り、使用中のLANケーブルのカテゴリを確認しましょう。
カテゴリ |
カテゴリ表記例 |
配線規格名 |
Cat5e |
CAT.5e |
ANSI/TIA/EIA-568-B.2 |
Cat6 |
CAT.6 |
ANSI/TIA/EIA-568-B.2-1 |
Cat6A |
CAT.6A |
ANSI/TIA-568-B.2-10 |
Cat7 |
CAT.7 |
ISO/IEC 11801 |
Cat8 |
CAT.8 |
ANSI/TIA-568.C-2-1 |
LANケーブルの性能を表す項目の意味
LANケーブルにはCat(カテゴリ)以外にも、性能を表す項目が複数あります。ここからは、よく使われる最大速度と伝送帯域について解説します。
LANケーブルの最大速度
LANケーブルの通信速度を表す際に使用される単位が、「bps」や「Gbps」です。bpsやGbpsは、1秒間に転送できるデータ容量を示しています。例えば1Gbpsの場合は、1秒間に1ギガビットのデータを転送できます。
最近では、新たに10Gbps対応の光回線が登場しました。10Gbpsは、1秒間に10ギガビットのデータを転送できる高速通信回線です。10Gbpsでは、映画一本(120分)をダウンロードするためにかかる時間は約1分です。ニュースサイトの記事であれば、1秒で約69,905記事をダウンロードできます。
LANケーブルの伝送帯域
LANケーブルを選ぶ上で重要なポイントの一つは、伝送帯域です。伝送帯域とは、データを伝達するために使われる周波数の幅の広さを値で表します。周波数の幅の広さとは、データ伝達のために用いられる波の最小周波数と、最大周波数の差のことです。単位としては、「1秒あたりの波の数」を表す「Hz(ヘルツ)」が用いられます。伝送帯域の数値が大きければ大きいほど、大容量通信が可能です。
Cat別の最大速度と伝送帯域
一般的に使われているLANケーブルのCat(カテゴリ)は、Cat5e~Cat8までです。
Cat5e〜Cat8までの最大通信速度と伝送帯域は下記の通りになります。
カテゴリ |
最大通信速度 |
伝送帯域 |
Cat5e |
1Gbps |
100MHz |
Cat6 |
1Gbps |
250MHz |
Cat6A |
10Gbps |
500MHz |
Cat7 |
10Gbps |
600MHz |
Cat8 |
40Gbps |
2000MHz |
Cat8(カテゴリ8)はネットの速度が劇的に向上するわけではない
ケーブルはあくまでデータの通り道のため、速度はインターネット回線自体の速度を超えません。そのため最新の規格であるCat8のLANケーブルに変えても、インターネット回線が古いままだと通信速度は改善されないことになります。そのため、高速通信を求める場合は古いLANケーブルを新しくするとともに、インターネット回線の変更をしましょう。
高速通信を可能にするためにインターネット回線を変更する場合は、10Gbpsへ変えることがおすすめです。
Cat8(カテゴリ8)の性能を活かすことができるネット環境
前述の通り、Cat8のLANケーブルを購入しても、ネット環境が伴っていなければ性能を発揮することができません。そのため、Cat8の性能を存分に活かせるネット環境を整えることが必要です。例えば、通信回線は10Gbpsに対応できるようにしましょう。
ただし、カテゴリの性能が高くなればなるほど、費用もかかります。10Gbpsは、大容量のデータを瞬時に通信することが求められるオンラインゲームプレイヤーなどに適しています。あまりインターネットを使用しないにもかかわらず、高速通信にしてもコストが無駄になってしまうため、インターネットの利用状況に適したCatを選ぶことが大切です。
Cat8(カテゴリ8)が必要になる時代はもう少し先
現段階では、Cat8は業務用の用途に留まっています。そのため、今すぐCat8を自宅で使える環境を整える必要はありません。しかし、家庭でのサービスが普及した際にすぐに対応できるよう、今のうちから回線を切り替えるなどの準備を始めましょう。