結束バンドそれぞれの名称と違い 購入時のチェックポイントもご紹介
※この記事は製品や技術にまつわるお役立ち情報=豆知識を意図しておりますことから、弊社製品以外の製品や市場一般に関する内容を含んでいることがあります
複数の配線ケーブルを束ねてまとめて整えたり、資材を連結させたりできる結束バンドは、手軽で使いやすいアイテムです。最近では結束バンドの素材だけではなくカラーのバリエーションも豊富になり、インテリアパーツとして使用されています。
そこで今回は、結束バンドそれぞれの名称と違いや購入時のチェックポイントについてご紹介します。
結束バンドとは
結束バンドは、主に配線やケーブルをまとめたり、パイプや柱に配線を留めたりする時に使用されます。結束バンドは使いやすく、外れにくい結束強度の高さ、幅広い材質とサイズが特徴で、さまざまな用途に活用できます。
配線やケーブルをまとめる際に傷をつけないよう、素材はナイロンや樹脂であることが多く、基本的には一度ロックした結束バンドは取り外しができません。
また、結束バンドは、「ケーブルタイ、結束帯、
結束バンドのパーツの名称
結束バンドには太さや大きさ、長さの違うさまざまな種類があります。しかし、基本的には同じ構造です。結束バンドには裏面と表面があり、裏面にだけセレーション(ギザギザ)が付いています。
バンド部(ストラップ部)の片側にはロック用部品がついているヘッドがあり、もう片方のテール部には、少し細くなってセレーションのないシェブロンと呼ばれる部分があります。
シェブロンにセレーションがない理由と、少し細くなっている理由は、ヘッドに通しやすくするためで、ヘッドの中に小さな爪があります。
シェブロンをヘッドに差し込むと、バンド部の裏面にだけあるセレーションが爪に引っかかり、爪は片方にしか動かないため緩まずにしっかりととめることができるという仕組みです。
結束バンド選びに役立つ項目
結束バンドを選ぶ方法として、使用する場所やまとめたい物を考えるほかにも役立つ項目があります。
「ループ引張強度」「φ(ファイ)」「耐候性・耐油性・耐薬品性」の3つの項目です。
ここからは、3つの項目について詳しくご紹介します。
ループ引張強度とは
ループ引張強度とは、結束バンドの破断強度を計測し、性能を測る基準として一般的に参照されています。ループ引張強度は、計測する結束バンドのサイズに合わせた機械に結束バンドを結束し、ストラップやロック爪に対して下向きに均等に力を加えて計測します。この負荷に耐えきれなくなって結束バンドのヘッド部分のロックが外れる、バンド部が千切れるなど破損してしまった時の最大降伏点とされます。
数値はN(ニュートン)または、kgf(重量キログラム)で表記され、200N(kgf)のループ引張強度だと約20kg、500N(kgf)のループ引張強度だと約50kgの重さに耐えることが可能です。
φ(ファイ)とは
φとは、鋼管やパイプなど円形の物の直径を表し、ファイと読みますが、「パイ」や「マル」と呼ばれることもあります。
一般的に外径の直径を表すことが多く、単位は図面での標準単位である「mm」単位で解釈されます。
しかし、設備用配管でのφは内径を表すこともあります。
結束バンドで配管や太い物を結束したい場合には、φのチェックが重要です。
実際に固定したい結束物を紐で巻いてみるなどで直径を測りましょう。
耐候性・耐油性・耐薬品性とは
結束バンドは、屋内で使用する場合と屋内で使用する場合といったように使用される状況や環境によって求められる耐久性が異なります。
屋外で使用する場合には、紫外線や温度、雨、化学物質などの影響が劣化要因となり、結束外れや破断につながることがあるため、使用する環境に適した結束バンドを選ぶことは重要です。
耐候性とは、屋外で使用した場合に結束バンドが気温や紫外線、雨などにより変形や劣化などを起こしにくいという耐性のことです。
耐油性とは、油脂類に長時間接触してもその影響を受けにくいという耐性のことをいい、油だけではなく水以外の各種有機溶剤、工業製品なども含まれます。
耐薬品性とは、アルカリ・酸類・酸化剤・塩類などの薬品に対して解けたり変形したり、反応したりしないという耐性のことです。
奥が深い結束バンドの世界
配線やケーブルをまとめたり、パイプや柱に配線を留めたりする時に使用される結束バンドは、使用方法や使用する環境によって求められる性質に違いがあるため、どのように使用するか決めてから購入しましょう。