Cat7およびCat7A 配線の問題点

※この記事は製品や技術にまつわるお役立ち情報＝豆知識を意図しておりますことから、弊社製品以外の製品や市場一般に関する内容を含んでいることがあります

はじめに

Cat7/Class F およびCat7A/Class FA は、主にヨーロッパで認められているケーブル性能規格を指しますが、世界的な採用は非常に限られています。これらのシステムは、Cat6A 以下のシステムと比較して「優れた」性能を宣伝していますが、この「優れた」性能は、重大な問題を伴う一方で、実際にはシステム性能において何の利点ももたらしません。ここでは、宣伝されている性能とトレードオフについて説明します。

Cat7 および 7A / Class F および FA の概要

Cat7 および 7A / Class F および FA 規格は、ISO/IEC 11801 によって認識される性能レベルを指します。Cat7 および 7A 規格はコンポーネント(ジャックとケーブル)の性能レベルを参照するのに対し、Class F / FA はリンクまたはチャネル (すべてのコンポーネントが一緒に使用されている場合)の性能を参照します。特定の IEC 規格は、コネクタの設計自体を参照する場合があります。規格間の比較を表1 に示します。

表1：異なるカテゴリー間の比較

Cat6や6A、Cat7や7Aのような従来のケーブルの性能レベルには、2つの重要な違いがあります。

・シールドの要件：Cat6と６Aはシールドなしでもシールド付きでも良いが、Cat7と7AはS/FTP構造でシールドする必要がある。
・コネクタの要件：Cat6と6Aは、どこにでもあるIEC 60603-7（RJ45）コネクタを使用しますが、Cat7と7Aは、RJ45ポートと互換性のない一般的なIEC 61076-3-104または61076-3-110コネクタを使用します。

図1：Cat7および7AとCat6および6Aコネクタ比較

25GBASE-Tと40GBASE-Tの現状

Cat7または7Aのケーブルコンポーネントを設置する正当な理由として、新しい規格への将来的な対策がしばしば話題になります。25GBASE-Tおよび40GBASE-Tは、802.3bqタスクフォースの一部として、2016年に発表された規格です。
これらの規格のハイライトは、

・最大チャンネル到達距離30m（リンク24m、パッチコード6m）
・シールドケーブルの配線が必要（シールドの種類は問わない）
・Cat8のインフラが必要
・到達距離が短いため、データセンターでの使用事例に注力

この文書の発行時点では、パンドウイットは 25GBASE-T または 40GBASE-T で動作する機器または機器の開発計画を把握していませんが、これらの規格が決して導入されないということではありません。

Cat7 および 7A / Class F および FA の将来に対する懸念事項

長寿命が期待できるケーブリングシステムを探す場合、表1は下記のように示しています。

・Cat7および7Aは、Cat6および6Aと同じ1000BASE-T性能を提供します。
・Cat7および7Aは、Cat6Aと同じ2.5および5GBASE-T性能を提供します。
・Cat7および7Aは、Cat6Aと同じ10GBASE-T性能を提供します。
・Cat7および7Aは、Cat6Aと同じPower over Ethernet性能を提供します。
・Cat7および7Aは、25および40GBASE-Tをサポートできません。（Cat8が必要です）

従って、Cat7および7Aシステムは、Cat6Aシステムと同じ性能を提供しますが、将来的な利点はありません。25と40GBASE-Tのステータスが不明である間は、Cat7と7A / Class F および FA のインフラストラクチャは、それをサポートすることができませんでした。図2は、Cat7と7A規格は、25と40GBASE-Tをサポートするには帯域幅が不十分であることを示しています。図3は、Cat7または7Aシステムは、最大100mまで到達できることを示しているが、これは25と40GBASE-Tには70mも長いです。

図2：Cat7および7Aでは25および40GBASE-Tに対して帯域幅が不十分

図3：Cat7および7Aは30mまでと規定されているが、25および40GBASE-Tの最大到達距離は30mである

Cat7 および 7Aケーブリングの問題点

最新の世界推計によると、Cat7と7Aシステムは世界のケーブル収益の1％未満です。これに対して、Cat6は世界のケーブル収益の約45％、Cat6Aは40％です。つまり、Cat7と7Aは一般的ではないと言えます。

Cat7および7Aケーブリングに関する、その他の問題点や懸念事項は以下の通りです。

・市場規模が小さいということは、特にシールド製品が一般的ではない市場では、ベンダーや製品の供給が限られているということである

・IEC 61076-3-104 と 61076-3-110 コネクタは、これらのコネクタを取り巻くエコシステムがないため、事実上ベンダー独自のソリューションとなっている

・TIAはCat7または7Aの性能レベルを認めていないため、北米、中南米、アジア太平洋地域の多くの市場での採用はさらに減少すると思われる

・Cat7と7Aは、25GBASE-Tと40GBASE-Tの将来性を保証するものではない

・RJ45を必要とする機器との互換性の問題により、Cat7または7Aコネクタから機器へのインターフェースにハイブリッド パッチコードが必要となる。これは、顧客が現場で維持する必要のある追加在庫となる

・ハイブリッド パッチコードは、Cat7または7Aの性能レベルをRJ45プラグのレベル（おそらくCat6または6A）まで下げることになる

・Cat7または7AのケーブルにCat6Aのシールドコネクタを取り付けることは（時々行われているように）、シールドされたCat6Aのシステムを取り付けることと同じである

以上のことからも、Cat7と7A / ClassFとFAは、性能上の利点はなく、導入には重大な障害と懸念があります。

パンドウイットの推奨事項

パンドウイットでは、最大10GBASE-Tのデータレートをサポートし、最適なPower over Ethernetパフォーマンスを得るために、Cat6A / Class EAシステムの施工を推奨しています。Cat7または7Aのシールド製品を希望される場合は、パンドウイットはシールド付きCat6A / Class EAシステムでの施工を推奨します。Cat6Aは、一般的なRJ45インターフェイスを利用し、大規模なエコシステムのベンダーから広く入手可能です。

Cat6A / Class EAシステムは、デメリットなしにCat7または7A / Class FまたはFAと同じアプリケーション性能を提供します。

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