新築時にLAN配線は必要?LAN配線で決めておくべきポイントと併せて解説
※この記事は製品や技術にまつわるお役立ち情報=豆知識を意図しておりますことから、弊社製品以外の製品や市場一般に関する内容を含んでいることがあります
テレワークや動画視聴など、いまやインターネットは生活に欠かすことができません。
しかし、インターネット回線の手配や配線をする機会は少なく、新築を建てた後に「失敗した」「予めここに配線すればよかった」など、後悔したことがある方も多いのではないでしょうか。
この記事では、そのような失敗を未然に防ぎ、新築でも快適にインターネットを利用するためのポイントについて解説いたします。
目次
なぜ新築時にLAN配線が必要か
自宅でインターネットを利用する際は、Wi-Fiを使ってパソコンやスマートフォンなどを無線LAN接続して利用するという方は、LAN配線の必要性に疑問を持つかもしれません。
しかし、自宅でインターネットを利用するためには、LAN配線は必要になります。
まずはLAN配線の必要性や有線LANと無線LANの違いについて解説します。
Wi-Fiの設置には有線LANが必要
Wi-Fiを利用したことはあっても、Wi-Fiを設置するのに何が必要なのかは知らないという方もいるかもしれません。
Wi-Fiの利用には、Wi-Fiルーターとインターネット回線の終端装置間を有線LANで接続する必要があります。
そのため、「Wi-Fiは無線だからLANケーブルが必要ない」という考えは正確ではありません。
ただし、なかには「モバイルWi-Fi」のように、LAN配線が必要ないものもあります。
有線LANのメリット・デメリット
「いまどき有線LAN?」と思われる方もいるかもしれませんが、有線LANは通信が高速かつ安定するため、リモートワークやオンラインゲームなどの大容量データ通信に適しています。
有線LANのメリットとデメリットについては下記のとおりです。
メリット |
● 壁などの遮蔽物や電子レンジなどの電波干渉を受けないため、通信速度が安定する ● 高速通信が可能なため、大容量のデータ通信やリアルタイム性が必要な用途に向いている ● 電波の盗聴リスクがないためセキュリティが向上 |
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デメリット |
● 有線LANを利用する機器の移動や増設をする場合、移動先に配線の取り回しや新規配線が必要 ● 複数のLANケーブルがある場合は、束線やタグ付けなどの整理をしておく必要がある ● LANケーブルの劣化やケーブルのジャックの破損により使用不可になる可能性がある |
無線LANのメリット・デメリット
今や主流となった無線LANは、Wi-Fiを準備してしまえば電波の届く範囲でお手軽に機器をインターネット接続できるため、利用している方は多いです。
しかし、無線LANにも通信の不安定さや盗聴リスクといったデメリットがあります。
無線LANのメリットとデメリットについては下記のとおりです。
メリット |
● LANケーブルが不要なため、電波の届く範囲であればどこでもインターネット接続が可能 ● 利用機器の移動や増設時に配線準備が不要 ● 無線LANの中継器を使用することで、容易に電波範囲の拡張が可能 |
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デメリット |
● 壁などの遮蔽物や電子レンジなどの電波による干渉などが影響して、通信が安定しない場合がある ● 通信速度が有線LANに比べて低速になるため、大容量データ通信は不向き ● 盗聴のリスクが生じるためセキュリティに課題がある |
有線LANと無線LANのメリット・デメリット比較についてはこちら
LAN配線で決めるべきポイント
新築を建ててからLAN配線を行うのは大変で、個人で簡単にできるものではありません。
新築を建てる前に、予め決めておくべきLAN配線のポイントをご紹介します。
配線計画を行う時期は間取り設計時
新築の配線計画は、工務店やハウスメーカーと間取りの設計を行うタイミングにあわせて行うのがおすすめです
間取りを決める際に、LAN配線用の配管工事も新築工事に含めて契約を取り交わしておくと、後から再度契約を行う手間が省けます。
インターネット回線とWi-Fiルーターの設置場所を決めておく
配線計画を考える際、インターネット回線とWi-Fiルーターの設置場所は、前もって考えておきましょう。
なぜなら、Wi-Fiルーターを適切な設置場所に置かなければ、部屋によっては電波が届きにくくなってしまうからです。
また、インターネット回線の設置場所は、Wi-Fiルーターの近くに設置するのが一般的です。
インターネット回線がWi-Fiルーターの近くに設置できない場合は、予め壁内に配線を通してケーブルを準備するようにしましょう。
有線LANに接続するものを決めておく
最近ではWi-Fi接続に対応している機器が多く、有線LANの使用頻度は少なくなりました。
しかし、Wi-Fi非対応の機器をお持ちの場合、インターネット接続には有線LANが必要になります。
たとえば、デスクトップパソコンやブルーレイレコーダーなどはWi-Fiに対応していない場合もあるため、有線LANでインターネットを利用するためにもデスクトップパソコンやブルーレイレコーダーなどの設置場所を決めて配線計画に加えましょう。
LANケーブルの規格を決めておく
LANケーブルにもさまざまな規格があり、規格ごとに通信速度が異なります。
有線LANに接続する機器に適したLANケーブルの規格を調べたうえで、LAN配線の手配をしましょう。
おすすめのLAN配管設置場所
リビング
リビングは、家の中で人が最も集まりやすい場所です。
家族だけでなく、親族や友人など来客があればリビングで過ごす時間も増えて、LANを使用する機会も自然と増えるでしょう。
快適にインターネットを利用するためにも、リビングへ配管するのがおすすめです。
寝室
寝室のゆったりとした空間で、就寝前に天気予報などをスマホでチェックする方は多いのではないでしょうか。
また家族構成や間取りによっては、寝室と書斎を兼用したいと考える方も少なくないでしょう。
そのためには、寝室にも予め配管を準備して、快適なネット環境を整えておくのがおすすめです。
子ども部屋
小学生未満の幼児が、子ども部屋でインターネットを使用する機会は少ないでしょう。
しかし小学生になると、最近ではオンライン塾に通う子どもやプログラミング学習などで、子ども部屋でインターネットを使う機会も増えてきます。
将来を見据え、子ども部屋にも配管を行っておくのがおすすめです。
新築後のLAN配線は大変で費用もかかる
LANケーブルを壁内に通すと配線がすっきりしますが、新築時に壁内配線工事をしていない場合はLANケーブルが露出してしまいます。
「新築後に考えたら良いか」と安易な考えを持っていると、新築後には実施不可能な工事や思わぬ出費がかさむ可能性があります。
新築後の壁内配線はおすすめできない
新築時に壁内配線工事をしておらず、入居してから壁内配線をしたいと思ってもDIYをするにはハードルがあります。
「空配管にLANケーブルを通すだけ」と安易な気持ちで工事をすると、配管内での詰まりや断線など思わぬトラブルが発生する可能性があります。
また、空配管も未敷設の場合、DIYで壁内配線工事を行うことはできないといっても過言ではありません。
入居後に壁内配線工事を行いたい場合は、安易な気持ちでDIYをするのではなく専門知識を持つ業者に依頼しましょう。
空配管だけでも施工すべき
新築の設計段階では、各部屋の設置物や細かなレイアウトがイメージできない方も多いのではないでしょうか。
使用するかどうかも分からない配管のために工事費用を増やすのは避けたいと思われるかもしれませんが、壁内配管工事は新築時やリフォーム時にしか実施することができないため、将来を見据えて空配管だけでも施工しておくのがおすすめです。
新築後のLAN配線工事に掛かる費用
新築後に壁内配線工事を行う際、どの程度の工事費用が必要になるのでしょうか。
業者や工事内容によって金額は変わりますが、相場はおよそ4万円から6万円ほどとなっています。
配管がある場合のLAN配線費用 |
約1万円~4万円 |
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配管がない場合のLAN配線費用 |
約3万円~6万円 |
まとめ
本記事では新築前に考えておくべき、LAN配線のポイントについて解説しました。
インターネットは、もはや日々の生活に欠かせないインフラとなっているため、LAN配線についてしっかりと考えてから、新築工事を行うことをおすすめします。
LAN配線に失敗して後悔しないためにも、本記事を参考にしていただければ幸いです。