ローコード開発とは?自治体が導入するメリットや事例を紹介!
※この記事は製品や技術にまつわるお役立ち情報=豆知識を意図しておりますことから、弊社製品以外の製品や市場一般に関する内容を含んでいることがあります
近年ローコード開発が推奨されており、自治体への導入も勧められています。
一方で、ローコード開発について知らない方もいらっしゃるでしょう。
そこで本記事では、ローコード開発の概要、自治体が導入するメリットや事例について解説します。ぜひ、参考にしてみてください。
目次
ローコード開発とは
まずは、ローコードの概要について解説していきます。
ローコード開発とは
ローコード開発とは、プログラミングをほとんど行わずにアプリケーションやWebサイトなどを開発することです。
また、ローコード開発を可能にするプラットフォームを指す場合もあります。
ローコード開発が推奨される背景
ローコード開発が推奨される背景には、以下の3つの要因が考えられます。
・IT人材不足
・「2025年の崖」問題
・VUCA時代の到来
それぞれの要因を解説していきます。
IT人材不足
1つ目の要因は、IT人材不足です。
国内の多くの企業では、IT人材不足に陥っており、システム開発や運用を社内で補うことが困難になっています。
しかしローコード開発であれば、プログラミングを使用しないため、ハードルが低く、IT人材ではない従業員でも開発や運用に携わることが可能です。
「2025年の崖」問題
2025年の崖とは、老朽化したシステムが2025年を境にDXを阻害し、さまざまな問題を引き起こすことです。
2025年の崖問題はDXを阻害するといわれていますが、経済的な損失も招くと予想されており、社内システムの刷新が求められています。
しかし、lT人材が不足する中で社内システムを刷新するのは困難であり、すべて外注に依頼するとなると、膨大な費用が発生するでしょう。
そこで費用を抑えられるローコード開発が推奨されています。
VUCA時代の到来
VUCAとは「Volatility(変動性)」「Uncertainty(不確実性)」「Complexity(複雑性)」「Ambiguity(曖昧性)」の頭文字を取った造語です。
VUCA時代は市場や環境において、変動性・不確実性・複雑性・曖昧性が高く、変化が激しいことを指します。
まさに現代はVUCA時代といわれており、企業にも変化に対応できる柔軟性やスピード感が求められています。
しかし、従来のようにアプリケーションやシステム開発を進めるには時間がかかり、時間がかかった分市場や環境の変化も進むため、機能が不十分になりかねません。
ローコード開発ならばスピーディーに進められ、外注に依頼する費用も削減できることから、注目を集めています。
ローコード開発の導入におけるメリットとデメリット
ここでは、ローコード開発の導入におけるメリットとデメリットを紹介していきます。
ローコード開発の導入におけるメリット
まずはローコード開発の導入におけるメリットから紹介していきます。
作業効率の向上
1つ目のメリットは、作業効率の向上です。
ローコード開発は、プラットフォームに用意された機能やテンプレートを組み合わせ、アプリケーションなどを開発します。
そのため、開発リソースを確保しやすい傾向にあり、従来のプログラミングが必要なスクラッチ開発に比べ、大幅に開発工数を削減することが可能です。
削減できた時間を使うことで、別の作業に取り掛かることができ、作業効率の向上につながります。
職員の心理的負担の削減
2つ目のメリットは、職員の心理的負担の削減です。
端末の確認作業や入力作業は、勤務時間内に行う必要があり、窓口対応などを中断するケースも多いことから、入力ミスが懸念されています。
しかし、ローコード開発によって正確に入力できる安心感から、職員の心理的不安も減らせるでしょう。
開発費の削減
3つ目のメリットは、開発費の削減です。
ローコード開発は開発工数が少なく、時間と人件費が削減できる上に開発リソースの確保も容易なため、IT人材以外の従業員も携わることができ、外注費を抑えられます。
成果物の品質を一定にすることが可能
4つ目のメリットは、成果物の品質を一定にすることが可能な点です。
ローコード開発にはプログラミングが不要であるため、人の手によるプログラムの記述がほとんど行われません。
したがって、記述ミスによるバグやエラーが発生するリスクも軽減できます。
プログラミングを行うことでカスタマイズも可能
5つ目のメリットは、プログラミングを行うことにより、カスタマイズも可能な点です。
ローコード開発にはプログラミングが不要ですが、部分的にプログラムを記述してカスタマイズもできます。
ローコード開発の導入におけるデメリット
ここまで、ローコード開発の導入に伴うメリットを紹介してきましたが、一方でデメリットも存在します。
では、ローコード開発導入におけるデメリットについて紹介していきます。
プラットフォームの使用方法を習得しなければならない
1つ目のデメリットは、プラットフォームの使用方法を習得しなければならない点です。
ローコード開発はプログラミング不要で、比較的容易に開発できますが、用意されたテンプレートや機能について知らなければ、使いこなすことは困難でしょう。
開発の自由度がスクラッチ開発よりも低い
2つ目のデメリットは、開発の自由度がスクラッチ開発よりも低い点です。
全面的にプログラミングを行う従来のスクラッチ開発に比べると、テンプレートなどが用意されているため、自由度は低いといえます。
プログラミングスキルを心得ている人材が必要になる
3つ目のデメリットは、プログラミングスキルを心得ている人材が必要なる点です。
ローコード開発には、ソースコードを記述できる人材が必要となります。
ローコード開発とノーコード開発の違い
ローコード開発は、プログラミングが不要なものの、必要に応じてカスタマイズや調整をする場合があります。
一方、ノーコード開発はプログラミングを一切必要とせず、プラットフォーム上でドラッグ・ドロップすることで、簡単にアプリケーションなどの開発が可能です。
したがって、プログラミングスキルを心得ている人材がいなくても、ノーコード開発であれば問題ありません。
ローコード開発の導入事例
ここでは、ローコード開発の導入事例を紹介していきます。
東京都の事例
東京都にある福祉保健局の市場衛生検査所では、食品衛生監視業務を効率化するため、ローコードとノーコードを併用してアプリケーションを開発しました。
結果として、業務がペーパーレス化された上に、コミュニケーション機能も備えたアプリが完成しました。
また、従来であれば有毒魚か判別できない際は図鑑などで調べていましたが、アプリを入れたタブレットを携帯することで即座に調べられ、作業効率の向上にもつながりました。
別府市の事例
大分県別府市では、以下の業務においてローコード開発を活用しています。
・避難所関連の情報公開と登録業務
・クーポン券の販売予約と販売管理業務
例として、クーポン券の購入予約をインターネットから行うことが可能になりました。
インターネットでの予約は、人員が必要な電話対応のみで予約を受ける場合と比較すると、何倍もの費用を削減できます。
まとめ
ローコード開発とは、従来のスクラッチ開発に比べ、簡単にアプリケーションなどを開発できます。
他ほかにも、作業効率アップや職員の心理的負担の軽減、コスト削減などさまざまなメリットがあります。しかし、デメリットが存在することもまた事実です。
ローコード開発を取り入れる際には、メリットだけに目を向けるのではなく、デメリットも踏まえた上で導入を検討しましょう。