自治体DX推進計画をわかりやすく解説!導入時のポイントも
※この記事は製品や技術にまつわるお役立ち情報=豆知識を意図しておりますことから、弊社製品以外の製品や市場一般に関する内容を含んでいることがあります
デジタル化の進展に伴い、DX推進が注目を集めています。
DX推進とは、デジタル技術を活用して業務プロセスやサービスを変革する取り組みのことです。
近年「自治体DX推進計画」が発表され、自治体サービスでもデジタル化が加速しています。
本記事では、この自治体DX推進計画について分かりやすく解説していきます。
課題や取り組むべきことも紹介するので、ぜひ参考にしてください。
目次
自治体DXとは
自治体DXとは、地方自治体がデジタル技術やAIなどを活用して「誰もが幸せに暮らせる社会の実現」を目指す取り組みです。
教育や医療、子育て支援などの行政サービスを効率化することで、住民は必要な手続きをスムーズに行えるようになります。
また、業務のデジタル化によって職員の負担も軽減されるため、より質の高いサービスの提供も可能となるでしょう。
自治体DX推進計画とは
ここからは、自治体DX推進計画を具体的に解説していきます。
自治体DX推進計画の基本知識
自治体DX推進計画とは、総務省が2020年12月に策定した、自治体が取り組むべき重点課題を示した指針です。
自治体DX推進計画の理念は「誰一人取り残さない、人に優しいデジタル化」であり、住民全体に配慮したデジタル社会の構築を目指しています。
その実現には、自治体でDX推進のための体制を整えることが欠かせません。
対象期間は2021年1月から2026年3月までで、国の方針を反映しながら柔軟に内容を見直すことが想定されています。
自治体DXの推進計画で重点的に取り組むべき事項7つ!
自治体DX推進計画は度々改定を繰り返しており、2024年が最新の改定で「第3.0版自治体DX推進計画」です。
以前までは取り組むべき重要事項は6つでしたが、7つに改定されました。
7つの重要事項について、1つずつ詳しく解説していきます。
①自治体フロントヤード改革の推進
1つ目は、自治体フロントヤード改革の推進です。
自治体フロントヤードとは、住民と自治体・行政の接点(窓口業務や相談業務、住民が利用する空間)を指します。
自治体フロントヤード改革は、住民に行政サービスを提供する際に「書かせない」「待たせない」「迷わせない」「行かせない」を具体的な目的としています。
②自治体の情報システムの標準化・共通化
2つ目は、自治体の情報システムの標準化・共通化です。
自治体間での情報システムの互換性を高め、データやサービスの連携を円滑にする取り組みです。
特に災害時には、迅速かつ正確な情報共有や公共サービスの協力体制が欠かせません。
そこで標準化・共通化されたシステムを用いることで、自治体間でのデータ連携が効率的に行える環境づくりを目指しています。
③公金収納における「eLTAX」の活用
3つ目は、公金収納における「eLTAX」の活用です。
納税手続きが 24時間365日どこからでも可能になり、公金収納を効率化・合理化して納付時の利便性向上が期待されます。
④マイナンバーカードの普及促進・利用の推進
4つ目は、マイナンバーカードの普及促進・利用の推進です。
マイナンバーカード一つで、行政のさまざまなサービスが利用できます。
たとえば2024年12月2日以降は、これまでの健康保険証に代わり、電子承認の「マイナ保険証」が基本となる仕組みが導入されます。
⑤セキュリティ対策の徹底
5つ目は、セキュリティ対策の徹底です。
デジタル化が進むにあたり、個人情報の取り扱いや行政データの保護のための対策が不可欠です。
そこで、情報セキュリティーポリシーの策定や、職員へのセキュリティ教育などの対策案が盛り込まれています。
⑥自治体のAI・RPAの利用推進
6つ目は、自治体のAI・RPAの利用推進です。
AIやRPAを用いて、公共料金の請求処理や申請書類のデータ入力などの、定型業務の効率化や自動化の推進が求められます。
職員がより重要な業務に集中できる環境が整い、行政全体の生産性向上が期待されています。
⑦テレワークの推進
7つ目は、テレワークの推進です。
時間や場所に縛られない柔軟な働き方を導入し、職員のワークライフバランスを整えることを目的としています。
働きやすい環境を整えることで、職員の満足度向上や生産性の向上に繋がるでしょう。
自治体DX推進で参考になる資料
自治体DX推進で参考になる資料は次の3つです。
- ・地域社会のデジタル化に係る参考事例集
- ・自治体デジタルトランスフォーメーション(DX)推進計画
- ・自治体DX推進手順書
これらは自治体DX推進にあたって欠かせない資料です。
分野別(地域活性化・子育て・インフラなどの20分野)取組み事例や、自治体DX推進計画を確実に進めるための手順を示す内容が記載されています。
これらの資料を活用し、計画的かつ効率的にDX推進に取り組むと良いでしょう。
自治体DXをスムーズに導入するために必要なこと
自治体DXをスムーズに導入するために必要な準備事項を3つ解説していきます。
明確なDX戦略を策定する
自治体DXをスムーズに導入するのに欠かせないのが、明確なDX戦略の策定です。
ビジョンやロードマップが曖昧なままでは効率的に進まず、関係者間の足並みも揃いません。
自治体DX導入時には、目指す姿や取り組みの全体像を明確にすることが大切です。
職員全体に共有して理解を深めてもらうことで、DXの円滑な推進が期待できます。
デジタル人材を育成する
自治体DXを進めるうえで、デジタル人材の育成は欠かせません。
しかし、人材の育成には時間がかかり、短期間で即戦力を確保するのは難しい場合があります。
そのため、総務省では外部の人材を活用する取り組みも推奨しています。
人材育成と外部人材の活用を両立させることで、DX推進をよりスムーズに進められるでしょう。
計画的に取り組む
スムーズに自治体DXを導入するために、スケジュール管理も必要不可欠です。
総務省からは、推進計画の大枠のスケジュールが公開されています。
たとえば「情報システムの標準化・共通化」の目標時期が2025年度のため、スケジュール策定をして計画的に取り組む必要があります。
計画を立てることで進捗を把握しやすくなり、効率的なDX推進が実現するでしょう。
まとめ
自治体DXを推進することで、住民の利便性だけでなく職員の負担軽減にも繋がります。
自治体DX推進計画のビジョンである「誰一人取り残さない、人に優しいデジタル化」の実現に向けて、積極的に取り組んでいきましょう。