シールドケーブルとは?構造や種類、用途を解説!
※この記事は製品や技術にまつわるお役立ち情報=豆知識を意図しておりますことから、弊社製品以外の製品や市場一般に関する内容を含んでいることがあります

シールドケーブルとは外部の電磁波から配線を守ったり、電磁波の発生を防いだりする働きを持つケーブルです。
電磁干渉などが起こると機器に悪影響を与えるため、機器を正常に作動させるために欠かせないケーブルとして重宝されています。
本記事ではシールドケーブルの概要や構造、種類や用途などを詳しく解説していきます。
シールドケーブルの使用を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
シールドケーブルとは
まずはシールドケーブルとは何か、構造や主な用途から解説していきます。
シールドケーブルの概要
シールドケーブルとは、電磁干渉(EMI)やラジオ周波数干渉(RFI)から配線を保護する役割を持つケーブルのことです。
干渉があると電子機器の精密な動作を妨げる原因となるため、これらの影響を抑えることが重要です。
そのため、感度が求められる機器には、外部からのノイズを遮断するシールドケーブルが利用されることがあります。
このようにシールドケーブルは、電子機器や通信機器の安定した動作を支えています。
シールドケーブルの構造
シールドケーブルの構造は、内側から順に以下のようになっています。
- ・導体(芯線)
- ・絶縁体
- ・シールド層(銅線)
- ・被膜(外装)
導体は信号や電力を伝える部分で、通常は銅線が使用されます。
その周りを覆う絶縁体は、導体同士が接触してショートするのを防ぐ層です。
さらに、その外側に配置されたシールド層にはアルミ箔や金属編みが使用され、外部からの電磁波を遮断します。
シールド層は金属編みやアルミ箔で作られ、外部ノイズを遮断します。
そして最も外側の層は、ケーブルを物理的な損傷や環境要因から保護する層です。
シールドケーブルの主な用途
シールドケーブルは、OA機器用のLANケーブルや、オーディオスピーカーなどに利用され、外部からの電磁波を遮断して機器を保護しています。
また、電磁波の発生を抑制するために、高圧配電にも活用されています。
シールドケーブルは電磁波の遮断・抑制によって、機器や環境を守る重要な役割を果たします。
シールドケーブルの種類
シールドケーブルには、静電シールドケーブルと電磁シールドケーブルの2種類があります。
それぞれのシールドケーブルの特徴を解説していきます。
静電シールドケーブル
静電シールドケーブルとは、金属テープやメッシュ状の編み線などで芯線を覆う構造のケーブルです。
外部からのノイズを防ぐ効果があり、信号用や通信用のケーブルとして広く使用されています。
接地方法はシールドにリターン電流が流れるのを防ぐため、片端接地が一般的です。
電磁シールドケーブル
電磁シールドケーブルとは、内部で発生した電磁波が外部へ漏れることを防ぐケーブルです。
電源ケーブルやモーターなどの、電流が流れるケーブルに利用されています。
外部の機器への影響を防げる一方で、鉄の被膜により曲げや折り曲げに弱いのがデメリットです。
電磁シールドケーブルの接地方法は、伝送距離により異なります。
伝送距離が長い場合には両端接地、短い場合には片端接地とすることが一般的です。
両者ともできる限り電気抵抗を小さくすると、シールド効果がより発揮されます。
シールドケーブルの選び方
シールドケーブルの選び方は以下のとおりです。
- ・用途に応じた長さを選ぶ
- ・プラグにも着目する
それぞれの選び方を解説していくため、購入を考えている方はぜひ参考にしてください。
用途に応じた長さを選ぶ
シールドケーブルにはさまざまな長さがあり、用途に応じた長さを選ぶことが大切です。
一般的には、以下の長さで販売されている傾向にあります。
- ・3m
- ・5m
- ・7m
- ・10m
たとえばアンプやエフェクターを接続する際は、利用シーンに合わせてシールドケーブルの長さを選ぶのが良いでしょう。
自宅やスタジオなど、狭い範囲で使用する場合は3mのケーブルがおすすめです。
一方でライブなどの広い範囲かつ移動を伴う場合には、5〜10mのケーブルが適しています。
ただし、ケーブルが長くなるほどノイズの影響を受けやすくなり、音質が劣化する可能性があります。
よって、移動を伴わない場合はできるだけ短いものを選ぶと良いでしょう。
また、シールドケーブルの長さはメートル表記ではなくフィート表記の場合もあるため、購入時には注意が必要です。
プラグにも着目する
シールドケーブルのプラグは、以下の3種類の形状に分かれます。
- ・S/Sタイプ
- ・S/Lタイプ
- ・L/Lタイプ
それぞれ特徴が異なるため、用途や使用する楽器に応じて選ぶことが大切です。
S/Sタイプは、両端がストレートプラグの一般的なタイプです。
多くの楽器に対応しておりラインナップも豊富なため、自分に合ったシールドケーブルを見つけやすいでしょう。
ただし、抜けやすい場合がある点には注意が必要です。
S/Lタイプは片方がL字プラグ、もう片方がストレートプラグのタイプです。
L字プラグ側をアンプやエフェクターに接続し、ストレートプラグ側をギターに接続することで抜けにくくなります。
そのため、激しい動きを伴うパフォーマンスに適しています。
L/Lタイプは、両端がL字プラグのタイプです。
抜けにくいという利点がありますが、価格がやや高いことや、楽器の形状によっては使用できない場合があります。
シールドケーブルを購入する際は、プラグの形状にも着目して選びましょう。
まとめ
シールドケーブルは外部ノイズを遮断し、音質や信号を保護する重要なアイテムです。
さまざまなケーブルが販売されているため、使用環境に応じて適切な長さやプラグ形状を選びましょう。
シールドケーブルの長さは自宅やスタジオでは3m、ライブや移動を伴う場合は5〜10mがおすすめです。
プラグはS/Sタイプ・S/Lタイプ・L/Lタイプがありますが、楽器によっては使用できない場合があるため、購入前に確認しましょう。