LANケーブルによる感電の可能性
※この記事は製品や技術にまつわるお役立ち情報=豆知識を意図しておりますことから、弊社製品以外の製品や市場一般に関する内容を含んでいることがあります
LANケーブルは、通信を行うために用いられるケーブルですが、通電している電気による感電の可能性はあるのでしょうか。こちらでは、LANケーブルによる感電の可能性について深堀りしていきます。
LANケーブルを流れる電圧は?
LANケーブルは、電気機器によって接続されており通電しています。配線時やメンテナンス時など、LANケーブルに触れた際に感電する可能性はあるのでしょうか。
結論から述べると、LANケーブルで感電するケースは極めて希少です。LANケーブルを流れているのは非常に低い電圧(数μV~数mV)の電気です。人体の抵抗を考えると、感電が起こることはほとんどありません。
ただし、ケーブルや接続機器に故障が起きている場合は安全とは言えないでしょう。ケーブル被膜が破れている場合などは、通信品質も落ちてしまう可能性があるので早めの交換をおすすめします。
LANケーブルで電力供給する「PoE」
上述したとおり、LANケーブルでの感電の可能性はほとんど意識する必要がないレベルです。一方で、LANケーブルの中には電力供給をするためのものもあります。「PoE」と呼ばれる技術が採用されたLANケーブルでは、最大57Vの電気が流れていることから感電の可能性を否定できません。
PoEは「PSE(給電側機器)」と「PD(受電側機器)」で構成されています。LANケーブルによる通信と給電を同時に行えるのがメリットで、電力供給できない場所に設置するネットワークカメラなどの接続に使用されています。
静電気放電には注意
LANケーブルに帯電した静電気が放電を起こし、ケーブルや接続機器にダメージを与えるケースがあります。静電気放電の代表的な原因として、床の上でのひきずりや、ケーブルの動きによって生じる摩擦が挙げられます。また、ハイグレードカテゴリのケーブルほど漏れ電流が少ないことから、静電気放電に注意する必要があると考えられています。
静電気放電を防止するためには、LANケーブルに触れる前に電荷を逃がすことが大切です。また、金属が露出しているUTPケーブルの接続部分には極力触れないようにする必要があります。
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通常、LANケーブルによる感電はほとんど考えられませんが、配線時やメンテナンス時には安全に十分配慮しましょう。LANケーブルを接続する機器は、必ず電源を外した状態で作業を行うようにしてください。また、静電気放電のリスクについては留意しておきましょう。