白い結束バンドが変色したら寿命?
※この記事は製品や技術にまつわるお役立ち情報=豆知識を意図しておりますことから、弊社製品以外の製品や市場一般に関する内容を含んでいることがあります
結束バンドは50~100本といったロットでまとめて販売されているのが一般的です。一度にすべての結束バンドを使うケースはそれほど多くないでしょう。余った結束バンドは保管しておくことになります。この保管中に、白い結束バンドが黄色く変色してしまうことがあるようです。この変色は、製品寿命に影響を与えるのでしょうか?こちらでは、変色の原因や製品寿命への影響についてお話します。
結束バンドはなぜ変色するのか
結束バンドに起きる黄色い変色。一見すると、製品劣化のように考えられる現象です。結束バンドのこの変色はなぜ起きるのでしょうか?この変色はナイロンをはじめとする樹脂の特性が原因です。光を照射されると、樹脂の中には活性酸素によって、「他のグループからはぐれた分子」が発生します。「フリーラジカル(遊離基)」と呼ばれるこの分子は、黄色く発色します。
この変色はいわば酸化防止効果によって副次的に表れる作用です。ナイロンだけではなく、ポリプロピレンでも起こり得ます。
製品寿命に影響は?
黄色い変色は、開封せずに保管しておいた結束バンドにも起きます。変色した結束バンドをそのまま使用しても問題ないのでしょうか?結論からお伝えすると、変色した結束バンドの性質が劣化しているということはありません。新品の結束バンドと同様にお使いいただけます。変色が製品寿命に悪影響を与えることもありません。
変色自体は「酸化防止効果が正常に作用している証拠」と言えます。信頼性の高いメーカーの製品であれば、変色を気にせずお使いください。
変色以外の劣化には注意
上述したとおり、黄色く変色した結束バンドも問題なくお使いいただけます。ただし、結束バンドには他の劣化も起こり得るため注意が必要です。
結束バンドには製品によって適正な使用環境があります。とりわけ、屋外での耐久性を意味する「耐候性」は重要な要素です。耐候性のない結束バンドを屋外で使用すると、激しく劣化し短い期間で結束が崩壊してしまうこともあります。耐候性の低い結束バンドは、紫外線に対する抵抗力がありません。そのため、屋内用の結束バンドは紫外線が当たらない場所で保管しましょう。
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結束バンドが黄色く変色したとしても、寿命というわけではありません。適切な環境であれば長期間の保存後もお使いいただけますので、適宜必要数を袋から取り出してご利用ください。ただし、変色以外の製品劣化には注意しましょう。