耐候性と耐久性に優れる金属に似た樹脂「デルリン」の特性と活用法を紹介
※この記事は製品や技術にまつわるお役立ち情報=豆知識を意図しておりますことから、弊社製品以外の製品や市場一般に関する内容を含んでいることがあります
デルリンは、1802年に生まれたデュポン(DuPont)社が手がけるオリジナルの樹脂素材です。こちらでは、金属と樹脂の中間にあたる高機能な樹脂素材デルリンの特性や、活用方法についてご紹介します。
デルリンとはポリマー樹脂を指す
デルリンとは、ホルムアルデヒドを使って作られるアセタールホモポリマー樹脂のことです。アセタールホモポリマー樹脂としては世界で初めて開発された素材で、1960年には実用化されています。
一般的なプラスチックは熱に弱く強度的にももろいため、屋外や機械部品などの耐久性を求められる場所に使うとすぐに壊れてしまうという弱点がありました。強度の低さなどを克服した高機能なプラスチックのことを業界では「エンプラ」と呼んでおり、デルリンもエンプラの一種です。
デルリンの特性は耐候性と耐久性の高さ
デルリンは、樹脂素材として耐候性と耐久性に優れています。樹脂素材の中でも引張強度や衝撃強度も備えているほか、金属のように酷使して疲労した箇所から破損してしまうといった心配もありません。湿度が高かったり、化学物質やガソリン等の溶剤がかかったりしても劣化しづらいため、屋外での利用に向いています。
また、適度な絶縁性も持っており、弾力があるため扱いも楽です。加工の難易度も低く、デルリンを温めてから金型等へ射出すれば、簡単に成形することができます。
デルリンは金属よりも柔軟で、樹脂よりも丈夫で扱いやすいという金属と樹脂の良いところを取ったような素材です。剛性が高く頑丈な一方、可動部に使うと金属疲労で破損しやすい金属や、柔らかくて加工しやすい一方で強度が低く壊れやすい樹脂とは異なる強みを持っています。
動力部に使われるギアや医療用の機器、負荷の高い機械のパーツなど、さまざまな製品に利用されている優秀な樹脂素材です。
デルリンは結束バンドとして活用できる
パンドウイットでは、金属よりも耐候性に優れ樹脂よりも耐久性に秀でているというデルリンの特長に注目し、デルリンを使った結束バンドを開発しています。デルリン製のスーパーリールバンドは、すべりやすいケーブルをしっかり固定できる高機能な結束バンドです。適度に柔らかいため、取り付けが大変な金属製の固定器具よりも手軽にケーブル等を留められます。耐候性にも優れているので、屋外に放置していても長持ちするのがポイントです。
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デルリンは、耐候性・耐久性に優れた樹脂素材です。とくに、デルリン製の結束バンドは直射日光や雨などの影響を受けてしまう屋外の固定器具に最適です。ぜひお試しください。