LANケーブルの見分け方知っておきたいポイント4つ
※この記事は製品や技術にまつわるお役立ち情報=豆知識を意図しておりますことから、弊社製品以外の製品や市場一般に関する内容を含んでいることがあります
LANケーブルを使って配線をする場合、LANケーブルの種類を見分ける必要があります。
この記事では、LANケーブルの種類の見分け方について紹介していきます。
LANケーブルの見分ける4つのポイント
LANケーブルの見分け方には、4つポイントがあります。覚えておけば、素早くLANケーブルの種類や規格カテゴリを見分けることができるでしょう。
こちらでは、LANケーブルを見分ける4つのポイントについて解説します。
1.カテゴリ名
もっとも分かりやすいのは、ケーブルに印字されているカテゴリ名です。
たとえば、カテゴリ5であれば「CAT.5」、カテゴリ6であれば「CAT.6」と印字されています。印字方法はさまざまですが、比較的分かりやすくカテゴリ名が印字されていることが多いので、それほど苦労せずにLANケーブルを見分けられるでしょう。
2.配線規格名
カテゴリ名が印字されていれば、LANケーブルを見分けるのは簡単です。
問題は、カテゴリ名が印字されていない場合でしょう。カテゴリ名が印字されていないLANケーブルでも、配線規格名は印字されている場合があるので、確認してみてください。一見すると意味が分からないアルファベットと数字の羅列ですが、ルールを知っておくとLANケーブルのカテゴリを見分けられます。
たとえば、印字されているアルファベットと数字の中に「ANSI/TIA/EIA-568-B.2」と書かれていれば、それはCat5eのLANケーブルです。他にも、Cat6のLANケーブルは「ANSI/TIA/EIA-568-B.2-1」、Cat7は少し変わって「ISO/IEC 11801」、Cat8は「ANSI/TIA-568.C-2-1」といったようにアルファベットと数字の羅列が印字されています。
ただし、配線規格名は将来的に変わる可能性があるので、その都度インターネットで最新の配線規格名を調査した方がよいかもしれません。
3.通信速度
外見だけではLANケーブルのカテゴリが分からない場合、通信速度を測定して見分けるという方法も考えられます。
ただし、通信速度だけでは細かいカテゴリまでは分からず、Cat5かCat5e以上かを判断できるだけです。
Cat5のLANケーブルでは、通信速度は100Mbps、Cat5eやCat6のLANケーブルの通信速度は1Gbpsです。パソコンのコントロールパネルから「ネットワークと共有センター」を選び、「ローカルエリア接続」から「速度」の部分を確認しましょう。
もし、速度の理論値が100MbpsであればCat5、1GbpsであればCat5eもしくはCat6のLANケーブルである可能性が高いことが分かります。
ちなみにCat7では、速度の理論値は10Gbps、Cat8では40Gbpsです。ただしこの方法はパソコンでしか試せないので注意しましょう。
4.外観
上3つの方法を試しても、まだLANケーブルの種類が分からないのであれば、外観からある程度判断することもできます。
LANケーブルの端についているコネクタにつながっているのが、8極4芯であればCat5のLANケーブルであると考えられます。
一方、コネクタにつながっているのが8極8芯であれば、Cat5e以上のLANケーブルです。さらに、ケーブル内部にデータ損失を防ぐ十字介在があれば、Cat6のLANケーブルであると判断できます。
LANケーブルの見分け方の注意点
LANケーブルを見分ける際には、ケーブルを傷めてしまわないよう注意が必要です。
とくにケーブルを抜き差しするときには、LANケーブルの断線やコネクタの破損に注意しましょう。
パソコンにつないで通信速度を確認するようなケースでも、LANケーブルを無理に引っ張ったり曲げたり、重いものを載せたりしないようにすべきです。コネクタの爪の部分は、抜き差しのときに折れやすいので、慎重に扱いましょう。
さらに印字されているカテゴリ名で、LANケーブルを見分ける方法にも注意点があります。まれにですが、Cat5もCat5eも同じく「CAT.5」と印字されていることがあります。
Cat5とCat5eとではスペックが大きく変わるので、通信速度を測定するなどして、実際にはどちらなのかを見分ける必要があるでしょう。
LANケーブルの見分け方を知っておいたほうがいい理由
LANケーブルを正しく見分けることは、ケーブルの性能を最大限引き出すことにつながります。
もしLANケーブルが混在していれば、性能の低い方のケーブルの性能しか発揮されません。
たとえば、通信速度が100MbpsのCat5と、1GbpsのCat6では10倍の差がありますが、混在して使用するとCat5の通信速度でしか接続できません。LANケーブルのカテゴリを正しく見分けられれば、Cat5eやCat6のLANケーブルのみを使って高速通信を楽しめるでしょう。
さらにLANケーブルを見分けられれば、交換も楽になります。もし現在Cat5やCat5e、Cat6を混在して使っているのであれば、Cat5だけを取り除いてCat5eや6を入れることも可能です。
より快適なネットワーク環境を整えるためには、しっかりとLANケーブルを見分けることが重要といえるでしょう。
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LANケーブルを見分けるポイントについて知っておけば、それほど苦労せずにカテゴリを見極めることができるでしょう。
LANケーブルを正しく見分けて使うようにすれば、ケーブルが持つ性能を最大限引き出すことができるはずです。
ぜひLANケーブルのカテゴリを見分け、ネットワーク構築に役立ててください。