知っていればもっと楽に!用途別配線ダクトおすすめの材質
※この記事は製品や技術にまつわるお役立ち情報=豆知識を意図しておりますことから、弊社製品以外の製品や市場一般に関する内容を含んでいることがあります
電線を安全に整理する際に用いられるのが、配線ダクト。他の電線やものとの接触を防ぐ役割をしており、電線による被害を未然に防ぐことが可能です。
用途の多い配線ダクトですが、ダクトにもさまざまな材質や用途に合わせた使い方が存在しています。
今回は、用途別に配線ダクトのおすすめ材質について紹介します。
配線ダクトで使用する主な材質
配線ダクトはさまざまな材質で作られています。用途に合わせた使い方をするだけで、耐久性も見栄えも変わってくることも。
ダクトで使用される主な材質について学びましょう。
①ナイロン
耐熱性と強度に優れています。主にナイロン66で作られており、電子部品などで使用されることが多いです。
②プラスチック
使用可能な温度範囲が広く、使用場所を選びません。PPO(ポリフェニレンオキシド)などが使用され、なおかつ軽量なため製品によっては加工できるものも販売されています。
③ポリプロピレン
樹脂素材の1つで、水を吸収しないという特徴があります。もっとも軽量で非常に加工しやすく、ダクト以外にも代表的な用途としては、食品保存容器や服、カーペットなどさまざまなもので使用されています。
④塩化ビニール(PVC)
塩化ビニールはとにかく強いのが特徴です。引火温度391度と非常に高い難熱性があるだけでなく、酸やアルカリなどの化学製品に対しても耐性を持っています。この特徴から幅広い場所で利用されており、例えばダクト以外にも、カバンや食品包装材などでよく使用されています。屋外での耐用年数も50年以上と長いため、外でダクトを使いたいときには塩化ビニールがおすすめです。
場所に合わせた選び方
材質と合わせて押さえておきたいのが、使用する場所です。大きく分けて3つの違いをご紹介していきます。
①配電盤
配電盤は、屋外に設置されることが多いため、水や湿気に強いものを選ぶ必要があります。具体的に、塩化ビニールは屋外でも使える強い耐性を持っているためおすすめです。
②分電盤
分電盤は、電気を使用する施設であればほとんどの場所に設けられています。一般家庭ではブレーカーの裏側に設置されていますが、古いアパートや家屋などでは屋外に設置されていることもあるため注意が必要です。屋外に設けられている場合はやはり耐水性が高いものを選びましょう。
③店舗の照明
店舗のスポットライトなどでは、常に照らす場所や光源の色を変えるために配線ダクトを利用することがあります。ダクトレールと呼ばれる配線ダクトの一種がありますが、通常は室内で使用されます。場合によっては野外ステージやキャンプ場などで使用されることもあるため、耐候性の高い配線ダクトを使用すると良いです。
環境に合わせた選び方
ダクトはほとんどの建築物で用いられていますが、ビル、工場、飲食店、オフィス、住居だと環境によって選び方が変わってきます。
ダクトの特徴や用途を説明しつつ、環境に合わせた選び方を紹介します。
①ビルやオフィス
一般的で特殊環境ではない場所は、比較的安価な亜鉛鉄板がおすすめです。最も多く用いられるダクトですが、ほかの材質に比べるとサビや熱には弱いという性質を持っています。耐食性に優れたものがいい場合は、「ガルバリウム鋼板」や「塩ビライニング」、「塩化ビニール板」を使いましょう。
②飲食店やショップ
内装に気をつかう飲食店や小売店では、ステンレス銅板をおすすめします。塗装を施さずに光沢感を演出できるほか、ダクト本体を活かした施工が可能です。ダクトを天井などで覆わないため、開放感のある空間づくりをしたい場合にはぴったり。最も安い亜鉛鉄版と比較すると3倍近くの価格になりますが、使い道も広いため検討してみましょう。
③屋外ダクト
雨や虫などに晒される屋外では、サビや耐食性に優れたガルバリウム銅板がおすすめです。
④工場やプール
工場やプールといった、害虫や薬品などの影響がある環境では、塩化ビニール板を使用しましょう。やや特殊ではありますが、塩害対策に有効的です。
⑤スタジオやホールといった音楽施設
大きな音を扱う環境では、グラスウールボードがおすすめです。吸音性に優れ、断熱性もあります。
配線ダクトで内装にいろどりを
家庭や店舗の照明器具として、配線ダクトを利用することもあります。目立つ場所に配線ダクトを設けている場合は、環境にあったカラーを選んで内装にいろどりを加えるのもおもしろいでしょう。バーなどの暗い場所ではグレーや黒といった落ち着いたカラーを、リビングやアクセサリー売り場などではホワイトを選ぶと内装に合った雰囲気を演出してくれます。他にも幅広いカラー展開があるため、自分好みのデザインを見つけてみましょう。
まとめ
配線ダクトと一言でいっても様々な種類、用途があります。これらの違いを知っているだけで使える幅が広がるはずです。
正しい使い方をすれば利便性も向上し、見た目も好みに仕上がります。この記事を参考に、配線ダクトの使い方、選び方を見つめなおしてみましょう。