イーサネットとは?LANケーブルとの違いや通信規格、種類を解説
※この記事は製品や技術にまつわるお役立ち情報=豆知識を意図しておりますことから、弊社製品以外の製品や市場一般に関する内容を含んでいることがあります
インターネット接続で耳にすることのある、「イーサネット」や「LANケーブル」という言葉ですが、意味をあまり理解していない方もいるでしょう。イーサネットとLANケーブルの違いが分からない方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、イーサネットの概要や通信規格などについて解説します。
目次
イーサネットとは?
イーサネット(Ethernet)というのは、パソコンなどの機器を有線接続する際の通信規格の一つです。「規格」のため、有線接続のルールともいえます。
イーサネットが登場したことで、メーカーの異なる機器同士でも接続できるようになりました。すなわち、イーサネットがなければ、ケーブルの形と機器の差し込み口が統一されず、ケーブルを差すことができないということです。
なお、イーサネット規格の一種として「LANケーブル」が挙げられます。最も普及しているケーブルですので、多くの方が使用しているのではないでしょうか。「イーサネット対応機器」というのは一般的に、LANケーブルを挿せるということです。そのため、イーサネットとLANケーブルはほぼ同義と考えても問題ありません。
イーサネットの種類
イーサネットの中で身近だといえるのはLANケーブルですが、それ以外にもさまざまな種類があります。用途や特徴は異なるので、使用する場面に合わせて使い分ける必要があるでしょう。
ここからは、イーサネットの3つの種類について解説します。
同軸ケーブル
同軸ケーブルとは、「バス型」というネットワークで使用されるイーサネットです。映像などを伝達するもので、テレビのアンテナ線やCATVのインターネット接続などに使われています。
アンテナとテレビ受像器をつなぐケーブルとして、古くから普及していました。同心円を重ねたような断面をしているため、同軸ケーブルと呼ばれています。
現在は「スター型」というネットワーク形態が主流ですので、日常生活の中ではあまり見かけることがないでしょう。
光ファイバー
光ファイバーとは、主にインターネット回線に使用されるスター型のイーサネットです。現在では、「光回線」と同じような意味で使われることもあります。
そんな光ファイバーは、大容量のデータを高速で送受信することができます。そのため従来の方式よりも高速通信が可能です。
また、回線を流れる信号が減衰したり散乱したりするリスクが低いため、伝送損失が少ないという特徴があります。加えて、画質や音質、速度の低下が起こりにくいです。
LANケーブル
LANケーブルは、インターネット接続に使われるスター型のイーサネットです。有線接続によってパソコンでインターネットを利用するためには、LANケーブルが欠かせません。イーサネットの中でも身近で一般的な存在ですので、イーサネット=LANケーブルとして認識されていることも少なくありません。
光ファイバーケーブルよりも低価格のため、オフィスや一般家庭などさまざまな場所で利用されています。
通信速度ごとのイーサネットの違い
ここまで解説したように、イーサネットには主に同軸ケーブル・光ファイバー・LANケーブルの3種類があります。さらに通信速度による違いもあり、より細かく分類することが可能です。
ここからは、通信速度ごとのイーサネットの違いについて解説します。
イーサネット
イーサネットは、通信速度が10Mbpsのものを指します。初めて策定された頃には、「10BASE5」の同軸ケーブルが使われていました。
その後、銅線がツイスト状になった「10BASE-T」というツイストケーブルや、「10BASE2」という軽量同軸ケーブルも使用されるようになっています。
ちなみにbpsとは、イーサネットの通信速度の単位で、1秒間で転送可能なデータ量を表します。
ファスト・イーサネット
ファスト・イーサネットは、通信速度が100Mbpsのものを指します。従来のイーサネットの拡張版だといえるもので、速度は10倍向上しています。
「100BASE-FX」という光ファイバーケーブルや、「100BASE-TX」というツイストペアケーブルなどが利用可能です。
ギガビット・イーサネット
ギガビット・イーサネットは、通信速度が1Gbpsのものを指します。リリースされたのは1998年で、当初は光ファイバーを必要としていました。
インターネットの需要が増加する2010年頃までは、あまり使われていませんでした。しかし、現在では最も広く使用されています。
なお、対応しているケーブルは、「1000BASE-T」や「1000BASE-CX」というツイストペアケーブル、「1000BASE-LX」や「1000BASE-SX」といった光ファイバーケーブルです。
イーサネットをネットワーク接続で活用する利点
ここからは、イーサネットをネットワーク接続で活用する利点を2つご紹介していきます。
通信が安定している
イーサネットの利点の1つ目は、通信が安定していることです。
イーサネットはケーブルを使用することにより、周囲の電子機器の影響や電波干渉を受けにくい傾向があります。そのため、安定した通信が可能で、データの安全性や正確性が向上するでしょう。
また、ケーブルで直接データを送受信するため、通信遅延が生じづらく、高速かつ効率的な送受信が可能です。
セキュリティ面が優れている
イーサネットの利点の2つ目は、セキュリティ面が優れていることです。
イーサネットは、ケーブルを使用して物理的に接続するため、ネットワークを通じた不正アクセスの危険性が低くなります。
またイーサネットでは、ネットワーク上のデバイスは固有のMACアドレスを持っており、このMACアドレスを用いることで管理者がネットワークに接続可能なデバイスを制限することが可能です。加えて、不正なデバイスの接続も防げます。
イーサネットがうまくつながらない場合の対処法
イーサネットがなかなかつながらないことがあるかもしれません。
ここからは、イーサネットがうまくつながらない場合の対処法について解説します。
機器を再起動する
すべての機器を再起動することで、機器の負荷がリフレッシュされる上に再起動によりIPアドレスが変動するため、つながるようになる可能性があります。
機器を再起動する方法は、以下のとおりです。
- 1.PCの電源を切る
- 2.ルーターやモデムの電源を切る
- 3.5分程度待つ
- 4.モデムの電源を入れ、起動させる
- 5.ルーターの電源を入れる
- 6.PCの電源を入れ、イーサネットの接続を確認する
ただし、ルーターとモデムが一体化したホームゲートウェイを利用している場合には、ホームゲートウェイの再起動のみで問題ありません。
接続設定を見直す
PCの設定でイーサネットが無効になっている可能性があるため、接続設定を見直しましょう。
イーサネットの接続設定を見直す方法は、以下のとおりです。
- 1.タスクバーの右側にあるPCマークを右クリックし、「ネットワークとインターネットの設定を開く」をクリック
- 2.「ネットワークと共有センター」をクリック
- 3.「イーサネット」をクリック
- 4「有効にする」をクリック
イーサネットがすでに有効になっているが接続できない場合は、一度無効にした後に再び有効にしてみる、というやり方も試してみてください。
ケーブルや機器を交換する
ケーブルや機器の不具合や劣化の可能性も考えられるため、別のLANケーブルで接続してみて問題がないかを確認してみましょう。
新しいLANケーブルを使用しても接続できない場合は、LANアダプターもしくはLANアダプターのドライバー、LANカードの不具合かもしれません。
LANアダプターもしくはドライバーの不具合を確かめる方法は、以下のとおりです。
- 1.タスクバーの右側にあるPCマークを右クリックし、「ネットワークとインターネットの設定を開く」をクリック
- 2.「ネットワークのプロパティを表示」をクリック
- 3.デバイス名をメモして覚えておく
- 4.タスクバーの検索欄で「デバイスマネージャー」と検索しクリック
- 5.該当するデバイスを右クリックして、プロパティをクリック
- 6.「ドライバータブ」を選択し、「ドライバーの更新」をする
- 7.更新後も問題が改善しない場合は「デバイスのアンインストール」を行い、PCを再起動する
上記を試しても改善しない場合は、LANカードの不具合かもしれません。
LANカードのドライバーを再インストールし、確かめてみましょう。
まとめ
イーサネットは、パソコンなどの機器を有線接続する際のルールのことです。イーサネットが誕生したことで、機器同士の接続が簡易的になりました。
そしてイーサネットとして最も身近で普及しているのが、LANケーブルです。なおイーサネットには、同軸ケーブルや光ファイバーといった種類もあります。
さらに、通信速度によっても3種類に分類できるため、用途に応じて最適なものを選びましょう。