データセンターの電気コストの割合は?消費電力見直しの有効性|LANケーブルと結束バンドのことなら|パンドウイット

データセンターの電気コストの割合は?消費電力見直しの有効性

※この記事は製品や技術にまつわるお役立ち情報=豆知識を意図しておりますことから、弊社製品以外の製品や市場一般に関する内容を含んでいることがあります

データセンターの電気コスト

情報化社会の現代、データセンターは社会インフラであり、企業活動にとってなくてはならない存在です。データセンターは24時間稼働しているので、サーバーの稼働や冷却にとても多くの電力が必要になります。

データセンターの電力消費量は各産業のなかでも最大級ですが、過去10年間に消費されたエネルギー量はほとんど変化していません。この背景には、AIの導入やIT機器の進歩、自然エネルギーの導入といった複合的な要因が関係しています。

この記事では、データセンターの消費電力効率化のための取り組みや有効性について解説します。

 

データセンターのコスト構造

総務省が2010年にまとめた「データセンター利用に関する国内外の動向に係る調査研究」によると、データセンターの運営に関わるコスト構造は以下のようになります。

データセンターのコスト内訳

出典:総務省「データセンター利用に関する国内外の動向に係る調査研究」のデータをもとにグラフ作成

データセンターの経営コストにおける電気代の割合は、15%程度と大きな比率を占めていることが分かります。現状の日本国内の電気料金は、原油価格高騰やウクライナ情勢などの様々な要因を受け値上がりが続いている状況です。

しかし、データセンター事業者は一般的に自社のサービスをラック単位で提供しており、電気料金の変動をサービス提供料金に含めていません。電気代の高騰は、データセンター事業者の収益減少に直結する大きな問題です。そのため、データセンターの経営コストにおける電気代の割合を減らすことを目的に、電力使用の高効率化を進めていく必要があります。

 

データセンターで求められる効率化とは

データセンターでは、AIを活用した空調の効率化と自動化が進んでいます。これまで、データセンターの空調制御は人間の勘や経験といった感覚に頼って調整する方法が一般的でした。

しかし、電力効率やコストを考えると温度変化をリアルタイムに把握して自動制御できる「AIとIoT」を使用した空調の制御・管理のほうが、優れているのは言うまでもありません。AIにデータが蓄積されることでデータセンターやサーバールームの冷却が必要な場所と時間が割り出されるので、更に効率的な空調設備の自動制御が可能です。

 

データセンターの消費電力を抑える3つの方法

データセンターはシステムの特性上、膨大な電力が必要です。消費電力を抑えるための3つの方法について解説します。

①  機器や空調設備を効率化する

飛躍的に増加するデータ量を処理するため、近年はサーバーの高性能化・小型化が進んでいます。データセンターのIT機器は高密度化が加速し、それにともなってデータセンターの発熱量と消費電力が増加し続けています。発熱したサーバーの故障や不具合を防ぐために、空調設備による安定した機器の冷却が必要です。

高性能なサーバーやネットワーク機器を導入し、今まで2台で行っていたデータ処理量を1台の機器で処理することができれば、機器からの発熱量や電力消費量を抑えられます。IT機器や空調設備を最新の設備に入れ替えれば、データセンターの処理能力を維持したまま消費電力を抑えることが可能です。

②  冷却システムを最新化する

サーバーに使用されている電子部品は精密機器であるため、サーバーの冷却は必須です。多くのデータセンターでは、サーバーにつながるケーブルの配線の隙間から冷気を送り込んでサーバーを冷却する「コールドアイルキャッピング」という手法を使っています。この冷気をつくるための冷却システムには、一般的に水冷式や空冷式という手法が採用されています。水冷式・空冷式のどちらの冷却システムも技術開発が進み、より消費電力を抑えたモデルが数多く販売中です。

近年では、サーバーから排出された熱気を冷媒で吸収する「ホットアイルキャッピング(相変化冷却技術)」という、新しい冷却システムも開発されています。ホットアイルキャッピングは、排出された熱気を効率的に冷却することができるので、従来の水冷式や空冷式の冷却システムと比較して、消費電力を半減できることが実証されています。

③  空調を効率化する

データセンターにおいて、サーバールームの冷却は絶対条件です。データセンターでは、サーバールームの空調設備にAIを活用して電力使用の効率化を進めています。室内とサーバールームの複数個所に温度センサーを設置し、あらかじめ設定した温度以上になったら温度が上がっている区域の空調設備だけを自動的に稼働させて、効率的に空調をコントロールします。

AIを使用したデータセンターの空調の自動化は、必要な区域だけを効率的に冷却できるので、無駄とムラを無くすことができるうえに、電力消費とコストパフォーマンスの最適化が可能です。寒冷地のデータセンターでは、外気を活用した外気導入式空調機というものも使用されています。外気導入式空調機は自然エネルギーを活用した空調システムなので、消費電力を大幅に削減できるだけでなく地球温暖化の抑制にも効果的です。

 

まとめ

データセンターに求められる消費電力の効率化は、熱源の抑制と機器の冷却に集約されます。熱源であるサーバーと熱源を冷却する冷却システムの効率化は、データセンターの消費電力の抑制だけなく電力コストの削減にもつながります。

データセンターで消費電力を抑える方法として、具体的に3つ紹介しました。

・機器や空調設備を効率化する

・冷却システムを最新化する

・空調を効率化する

紹介した消費電力を抑える方法を参考に、消費電力の見直しを検討してみてはいかがでしょうか。

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