データセンター業界の市場や動向は?今後どうなるのか
※この記事は製品や技術にまつわるお役立ち情報=豆知識を意図しておりますことから、弊社製品以外の製品や市場一般に関する内容を含んでいることがあります
近年インターネットの普及により、データセンターの利用が増えています。それに伴い、現在のデータセンター業界の市場や動向が、今後どうなるのか気になっている方もいらっしゃるでしょう。
この記事では、データセンター業界の動向や、国内・世界のデータセンター市場規模、国内と海外のデータセンターの違いについて解説します。
データセンター業界の動向
総務省の報道資料にある「我が国のインターネットにおけるトラヒックの集計・試算」によると、2022年5月の固定ブロードバンドサービス契約者の総ダウンロード数が約2.6Tbps(1日あたり約268PB)となっています。
2021年5月は約2.4Tbpsですので、2021年と比較して8.8%増加していることから通信量が大幅に伸びていることがわかります。この通信量の増加からみても、データセンターの需要が高まっているといえるでしょう。
また、2020年から2022年にかけて、新型コロナウイルスの感染拡大を受けてテレワークや外出自粛要請によって自宅にいる時間が増加しました。そして、インターネットの需要が高まりました。それに伴い、サーバーや通信機器を増強していく必要性が高まり、データセンターの需要も高くなっているといえます。
今後は、今以上にインターネットの利用が仕事やプライベートでも馴染みのあるものになり、ネット環境を整える必要性がでてくると考えられます。
出典 : 総務省「我が国のインターネットにおけるトラヒックの集計・試算」
国内データセンター市場の規模
国内でデータセンターの需要が高まる中、市場規模も拡大傾向にあります。
総務省の白書「データセンター市場の動向」によると、日本のデータセンター市場規模は、2021年に1兆7,341億円と前年度である2020年と比べると11.6%も増加しています。新型コロナウイルス感染症の影響による市場成長のマイナス影響はほぼなく、インターネット上のサービス利用拡大やITのリモート運用から市場は拡大していくでしょう。そのため、インターネットを通した生活が当たり前なっていくことも予測できます。
世界データセンター市場の規模
国内のデータセンター利用が大幅に増加している中、海外でも同様にデータセンターの利用が活発化しています。
総務省の白書「データセンター市場の動向」によると、世界の大規模データセンターの数は大幅な増加傾向が継続しており、2021年の第3四半期末には約700にまで増加しています。市場規模は2021年に23兆7,069億円と前年度比24.0%増という結果でした。
出典 : 総務省「データセンター市場の動向 第2部情報通信分野の現状と課題 第6節 国内外におけるサービス・アプリケーションの動向」
利用が進む海外データセンター
データセンターの需要が高まる中、日本国内のデータセンターではなく海外のデータセンターを利用しようとしている企業も少なくありません。日本と海外のデータセンターにおける最大の違いは「コスト」です。
海外のデータセンターは、場所によっては人件費が日本国内よりも安く、コストを抑えることができます。日本と比べて土地代や電気料金が安い場所であれば、大幅なコスト削減が期待できます。一方、日本国内での人件費や土地代、電気料金までも上昇傾向にあることから、海外のデータセンターを利用する企業が増えて来るでしょう。
国内データセンターより海外データセンターの利用が進んでいる理由が、もう1つあります。それは、自然災害によるリスクが低いことです。近年、国内では地震や台風などの自然災害が増加傾向にあります。その点、海外では地震や台風による被害が日本よりも少ない国が多いため、自然災害のよるリスクが低いといえます。リスクマネジメントの観点から、海外データセンターを利用する企業が増えています。
しかし、コストが安いことによって、セキュリティ面においてのリスクが生じてしまう可能性があります。そのため、実際にデータセンターを活用する際は、コストと自然災害だけで判断せず、トータルのリスクを天秤にかけて国内・海外のデータセンターのどちらを利用するかを決めることがおすすめです。そうすることで、長期的に安定してデータセンターを活用することができるでしょう。
まとめ
新型コロナウイルス感染症の影響によって外出自粛要請が発令され、仕事やプライベートでも自宅にいる時間が増加しました。それによってインターネットの需要が増加し、データセンターの需要も高まりました。国内や世界のデータセンター市場の規模も拡大傾向になり、2025年にかけて更なる規模の拡大の予測がされています。
データセンターの利用を検討する際、データセンター市場や動向を理解したうえで、自社にとって最適なタイミングでデータセンターの導入を検討してください。