データセンター徹底解説!選定に重要な5つの設備とは?
※この記事は製品や技術にまつわるお役立ち情報=豆知識を意図しておりますことから、弊社製品以外の製品や市場一般に関する内容を含んでいることがあります
データセンターは、企業のIT機器を安定的に使用するために必要不可欠な設備です。企業が日々の業務でIT機器やパソコンを滞りなく使えているのは、データセンターの支えるおかげであるともいえます。
本記事では、データセンターを支える基本的な5つの設備を紹介するとともに、データセンター選定における重要なポイントや設備とはなにかということについても徹底解説します。
データセンターはどう選べばいいのか?2つのポイント
データセンターは、どう選べば良いのでしょうか。押さえておきたい2つのポイントを紹介します。
立地的な安全性
日本は世界でも有数の災害大国です。
その中でも代表的な日本の災害として、地震と水害が挙げられます。
データセンターを選ぶときの最初の選定基準は、自社エリアから離れた地域を選定することです。自社と同一エリアにあるデータセンターを選んでしまうと、自社が地震や水害で被災した際に、データセンターも同じように被災する可能性が高くなるからです。
また、固い地盤のエリアにある、免震・制震・耐震の設備が優れた施設を選ぶことが重要になります。そのため、データセンターの周囲で過去に氾濫した河川がないか、津波の恐れがないのかを事前にリサーチして、水害についての視点も併せ持つと良いでしょう。そうすることで、自社のデータセンターを立地的に安全性の場所へ置くことができます。
企業の重要情報を預けるデータセンターを選ぶ際は、自社から遠隔地にあるデータセンターの中で最も立地的に安全性の高いものを選定する視点が必要です。
具体的に立地点安全性の高い地域を選ぶ方法として、まずは自社から遠隔地にあるデータセンターを大まかに割り出すことからはじめましょう。その後、国土地理院などが発表している活断層図やハザードマップと照らし合わせて、より詳細なエリアを絞り込んでいくとデータセンターの立地選定を容易に進めることができます。
物理的な安全性
データセンターには、企業の重要情報が集まっています。そのため、関係者以外が安易に立ち入れないような物理的安全性が求められます。
データセンターの物理的安全性は、入退室管理・扉の電子的施錠・中央監視システムで、データセンター内の録画・守衛による警備といった方法によって守られます。入館時の身分証明からはじまり、サーバールームまでの経路に何重ものセキュリティシステムが構築されています。
データセンターに入館できたとしても、サーバールームに到達するためには徐々にレベルが上がるセキュリティシステムをクリアしなければなりません。サーバールームへの入退室も厳重に監視されています。物理的な安全性は管理・施錠・警備のどれか一つによって達成されるものではなく、それぞれの要素の組み合わせによって達成されるものです。
サーバールームへの不正侵入を防ぐ代表的な方法としては、アンチパスバック方式とインターロック方式があります。
データセンターを支える4つの設備
データセンターは、常に安定して安全な状態でシステムが稼働できるよう複数の設備を組み合わせて構成されています。ここでは、データセンターの設備を構成している代表的な4つの設備について解説していきます。
電源設備
データセンターには、地震や落雷などの災害によって電力会社からの電力供給が停止した場合もサーバーが稼働し続けられるようにUPS(無停電電源)と呼ばれる電源設備が備わっています。
UPSとは、データセンターの受電装置が停電を検知した瞬間からサーバーに電力を供給するための設備で、電力を供給できる時間帯は、数分から30分程度です。停電になった瞬間からUPSが電源を供給が歌詞され、その間に施設内の自家発電装置が稼働して非常電源として電力供給を行うシステムを総称して電源設備と呼んでいます。
空調設備
空調設備とは、単に室内の温度調節をするだけでなく、湿度や気流をコントロールし空気清浄まで可能な設備の総称です。
空調設備は、正式名称でいうと空気調和設備です。空調設備を設置することによって、サーバーが設置されている空間を常に快適かつ安全な環境にすることが可能になります。空調設備は、地球環境保護の観点から省エネにも配慮した設計がされています。
通信設備
データセンターの通信設備は、常に高品質かつ安定した状態が求められます。災害時でも同様です。そのため、高速かつ大容量の通信が可能な回線によって構成されています。
電源設備と同様に、データセンターにある通信設備は、インターネット接続・広域イーサネット・VPN・LANなどの通信関連サービスが提供可能です。
防火設備
データセンターは、火災が起きた場合でも、延焼や拡大を防止するために耐火・遮炎を備えた防火設備が必要です。
そのため、防火設備として独立した防火区画と超高感度な火災検知システムおよび、消火システムが構成されています。消火システムは水ではなく、窒素ガスを使用しています。窒素ガスが使用される理由は、機器の水損防止と人体および環境被害の予防です。
セキュリティ設備
データセンターのセキュリティ設備は、電気錠・センサー・監視盤・威嚇装置・通報装置などで構成されています。指紋や虹彩などの高度な生体認証システムを備えた電気錠や、赤外線やマグネットを使用したセンサーで入退室のセキュリティが提供されます。中央監視室からの監視・侵入者への大音量発報による威嚇警報などのシステムが、不正侵入に対して有効です。
まとめ
データセンターは、企業のサーバーおよびIT機器を安定して稼働させ続けるために存在します。データセンターを利用することでサーバーの設置と管理を自社で行う必要がなくなるため、物理的なスペース削減やコスト削減の効果もあります。
停電や火災などの災害時でも速やかな障害復旧が可能になり、重要情報のデータ消失の可能性を低減させることのできるデータセンターを利用する価値は高いといえるでしょう。
データセンターを支える設備として、以下の4つを紹介しました。
- ・空調設備
- ・通信設備
- ・防火設備
- ・セキュリティ設備
この記事を参考に、自社のデータセンター運用上で求められる設備を選択してください。