データセンターは無人化できる?受付の自動化とロボットによる設備監視
※この記事は製品や技術にまつわるお役立ち情報=豆知識を意図しておりますことから、弊社製品以外の製品や市場一般に関する内容を含んでいることがあります
近年データセンターは、社会を支えるインフラとして重要視されています。しかしながら、データセンターを運用するにはスキルを持った優秀な人材が必要で、運用者への負担が懸念点です。
そのため、人材の確保が困難な状況にあるデータセンターには、データセンターの自動化・無人化が求められています。しかし実際にデータセンターを無人化させることは可能なのでしょうか?
この記事ではデータセンターの業務として重要な業務や、自動化・無人化が可能な業務について紹介しています。データセンターの無人化に興味がある方は、ぜひ参考にしてください。
データセンターの業務とは
データセンターの運用には、幅広い分野の様々な業務が存在しています。中でも設備監視と受付業務は、データセンターを運用するにあたって非常に重要な業務です。ここでは重要な業務である、設備監視と受付業務について解説します。
設備監視
データセンターの業務において、設備監視は非常に重要な業務です。
主な業務として、サーバーやネットワーク機器などが安全に稼働するため、電源・ネットワーク・温度などのセンター内の環境を管理しています。また、ネットワークエラーが起こっていないかを監視するのも業務の一環です。万が一、サーバーが停止してしまうと、企業に多大な損害が発生してしまいます。被害を最小限に抑えるには迅速な障害対応や、日常的な設備監視を行わなければなりません。そのため、運用者が24時間常駐し、徹底した稼働監視を行う必要があるのです。
受付業務
データセンターに入館者の対応をする受付業務があります。
受付業務はデータセンターの物理的なセキュリティを確保するための重要な業務です。受付業務は日常的な業務で、はじめに入館申請をもとに、誰が入館して良いのかを管理します。次にデータセンターへ来客した人が適切に入館申請された人なのかを確認したのち、入館証を発行していつ退館したのかを記録します。このように、許可された人のみを入館許可することや、いつ退館したのかを記録することでトラブル発生時の調査にも有効です。
ロボットを活用した設備監視
データセンターでは、警備ロボットとソフトウェアロボットを組み合わせることで設備監視を自動化できます。警備ロボットの活用は、主に巡回業務や来客訪問の案内です。巡回業務では侵入者や不審物の検知、ドアの施錠確認を行います。ソフトウェアロボットは顧客の入室管理で活用されます。顧客が申請した情報と当日に提出された情報を照合し、自動的にICカードを発行するシステムです。顧客がICカードを使用して解錠・施錠できるため、待ち時間の短縮が可能です。
受付業務の無人化
受付業務を無人化させることで、人件費削減と時間短縮の効果が期待できます。ここでは、実際に無人化させることが可能な受付業務を3つ紹介します。どのような業務が無人化できるのか見ていきましょう。
入館申請
受付業務の中で、はじめに無人化を検討すべきなのは入館申請です。
入館申請を紙で運用していると、入館申請の管理が煩雑・迅速な対応が取れないなどのデメリットが挙げられます。無人化させることで対応時間の短縮が可能になり、過去分の履歴が簡単に検索できて保管場所を確保する必要がなくなります。入館希望者は専用のWebページで入館者・作業情報・メールアドレス・持ち込み機器などを入力することで申請が完了します。その後、受付メールが送信されて受付処理へと進みます。このように、紙での入館申請と比較すると非常に簡単で素早く申請が可能です。
受付処理
受付処理も無人化にさせることでよりスムーズになります。
まず、入館申請が完了したのちに送付される受付完了メールをもとに、無人の受付機で生体登録やカード発行ができます。無人機ではなく、人による確認が必要な場合はサービスデスクでの遠隔受付が可能です。受付処理も無人化させることで非常にスムーズな手続きが可能になるでしょう。
入退室
入退室では生体認証やカード認証により、ゲートや扉が開くシステムを活用しています。すべてのゲートや扉の通過はシステムによって管理されているため安全です。また、通行履歴はシステムによって保存されており、いつでも閲覧が可能です。
まとめ
データセンターを運用するにあたって、設備監視や受付業務は非常に重要な業務です。
しかし、設備監視では運用者が24時間常駐し、稼働監視を行う必要があります。受付業務では情報の管理など、運用者への負担が懸念されます。受付の自動化とロボットを活用することで懸念点を解消することに繋がります。設備監視では、警備ロボットとソフトウェアロボットを組み合わせて設備監視の自動化が可能です。
また、受付業務も無人化させることで大幅な時間短縮が期待でき、より確実にデータセンターへの物理的なセキュリティを担保することができるでしょう。入館希望者は紙ではなく専用のWebページで申請を行えば、情報の管理がより簡単に行えるようになります。受付の自動化とロボットによる設備監視により運用者への負担を減らし、データセンターを無人化させることが可能です。