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データセンターのPUEとは?ベンチマーク制度についても解説

※この記事は製品や技術にまつわるお役立ち情報=豆知識を意図しておりますことから、弊社製品以外の製品や市場一般に関する内容を含んでいることがあります

PUEは、データセンターにおける環境に配慮した運営を評価するための大切な指標です。また、ベンチマーク制度を通じて、事業者の省エネへの取り組みが評価され、持続可能な運営が期待されています。

本記事では、データセンターのPUEの概要や、ベンチマーク制度についてまとめました。環境に優しいデータセンターを選ぶ際のポイントも取り上げ、持続可能な運営を支えるヒントをお伝えします。

 

データセンターのPUEについて

まずは、データセンターのPUEの概要と課題について解説します。

PUEとは

PUE(Power Usage Effectiveness)は、データセンターにおける電力効率を示す指標です。これは、データセンター全体で消費される電力をIT機器が使用する電力で割ることで算出され、値が1.0に近いほど効率的とされています。

理論上の理想値である1.0は、すべての電力がIT機器に使われていることを示しますが、実際には空調や照明など、他の設備にも電力が必要です。

改正省エネ法について

2023年4月に施行された改正省エネ法により、効率的なエネルギー管理を促進するために、一定規模以上のデータセンター事業者にはPUE値の報告が義務付けられました。

資源エネルギー庁の目標は、2030年までに国内事業者の上位15%がPUE1.4以下を達成することです。事業者は、毎年エネルギー使用状況を報告する必要があり、省エネ優良事業者は中長期計画書の報告頻度が軽減されます。

データセンターのPUEに関する課題

サーバーの高密度化やAIシステムによるGPUサーバーの普及が進み、電力消費量が急増しているため、効率的なエネルギー管理が急務です。PUEを下げるには、空調、照明、UPSなどの設備を省エネ性能の高いものに更新しなければなりません。

さらに、新たな冷却技術やIT機器の進化により、サーバーの消費電力効率を向上して、全体の電力使用量を削減することが求められています。

 

ベンチマーク制度について

ベンチマーク制度とは、業種共通の指標で事業者の省エネ状況を評価し、目標達成に向けた省エネ活動を促進する制度です。業種全体での取り組みを客観的に把握し、エネルギー効率の向上を推進する役割を果たします。

ベンチマーク制度の対象となる事業者

2023年4月に施行された改正省エネ法によって、データセンター業を運営または利用し、情報処理に関する設備や機能を提供する事業者も、ベンチマーク制度の対象となりました。

具体的には、年間のエネルギー使用量が原油換算で1,500kl以上の事業者や、データセンターの建物および付帯設備に対してエネルギー管理の権原を持つ事業者が該当します。これらの条件を満たす事業者は、エネルギー効率の評価基準に基づいて、省エネへの取り組みを進めることが必要です。

ベンチマーク制度の報告対象

ベンチマーク制度の報告は、実績年度を通して稼働している事業所が対象ですが、報告期間中に入退去したテナントのエネルギー使用量は除外することが可能です。また、サーバー室の総面積が300m2未満のデータセンターも、算定対象になりません。

ベンチマーク制度では、一定規模以上の事業所に焦点を当てたエネルギー効率の評価が行われます。

 

環境に配慮したデータセンターを選ぶポイント

最後に、環境に配慮したデータセンターを選ぶ際のポイントを解説します。

効率的な空調方式を採用しているか

データセンターを選ぶ際は、効率的な空調方式を採用しているかどうかをチェックしましょう。

サーバールームでは、IT機器の熱を効果的に排出し、冷却した空気を効率的に供給する必要があり、冷却効率を高める工夫によって、空調設備が消費する電力を削減することが可能です。そのため、効率的な空調方式を導入しているデータセンターは、環境負荷を抑える取り組みを積極的に行っていると評価できます。

空調設備が細かくコントロールされているか

空調設備を細かくコントロールしていることも、環境に配慮したデータセンターの特徴です。

空調を適切に管理することで過剰な冷却を防ぎ、消費電力を抑えられます。具体的には、サーバーラックの電流や温度分布をモニタリングし、リアルタイムで空調を最適化できるシステムが必要です。こうした制御システムにより、無駄なエネルギー消費を削減し、環境に優しい運用ができます。

再生可能エネルギーが利用されているか

再生可能エネルギーの利用状況を確認することも、データセンター選定の大切なポイントです。

再生可能エネルギーを使用することで、CO2排出量や化石燃料による電力消費を大幅に削減できます。具体的には、非化石証書付き電力の調達や、太陽光発電設備の設置などが効果的です。これにより、持続可能なエネルギーの利用を促進し、環境負荷を軽減できます。

 

まとめ

PUEやベンチマーク制度により、データセンターのエネルギー効率が評価されます。

エネルギー効率の優れたデータセンターを選ぶことは、環境保護に貢献するだけでなく、運用コストの削減や企業イメージの向上にもつながるため、企業にとっても大切な要素となるでしょう。

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