データセンターの種類にはどんなものがある?
※この記事は製品や技術にまつわるお役立ち情報=豆知識を意図しておりますことから、弊社製品以外の製品や市場一般に関する内容を含んでいることがあります
データセンターとは、サーバーやネットワーク機器を集中的に管理し、安定した運用を支えるために設計された施設です。近年では、異なる機能や目的をもつ多彩なデータセンターが登場し、企業や組織のニーズに応じた効率的なデータ処理・保管を行なっています。
本記事では、データセンターについて、規模、目的、所有者によって分類されるさまざまなタイプを詳しく見ていきましょう。
目次
規模別のデータセンターの種類
まずは、規模別にデータセンターの種類を紹介します。
小規模データセンター
小規模データセンターは、主に中小企業やITインフラの需要が少ない組織向けに設置される施設で、運用コストを抑えつつ基本的なサーバー機能を提供できることが特徴です。大規模なデータセンターと比較すると、設備は小規模に設計されており、電力消費や冷却システムもコンパクトになっています。
中規模データセンター
中規模データセンターは、ITインフラの需要が中程度の企業向けに設置され、より多様な機器を収容できるのが特徴です。多くの場合、企業のニーズや利用可能なリソースに応じて、仕様が異なるでしょう。小規模施設よりも広い設置面積があり、電力供給や冷却能力も強化されているため、複数の業務やシステムを安定して運用できます。
エンタープライズデータセンター
エンタープライズデータセンターは、大規模企業の広範なITインフラニーズを支える専用施設です。強力な冷却・電源システムが導入され、膨大なデータストレージや重要な業務アプリケーションの運用を支える高度なネットワーク環境を提供します。外部利用はせず、すべての管理と運用を自社内で行うため、運用コストを抑える工夫が必要です。
モジュラー型データセンター
モジュラー型データセンターは、複数のモジュールで構成され、必要に応じて柔軟に拡張できるのが特徴です。各モジュールは独立したサーバールームとして機能し、増加する需要に応じて新たなモジュールを追加すると、データ容量を増強します。
コンテナ型データセンター
コンテナ型データセンターは、データセンター設備をコンテナ内に収めており、必要に応じて簡単に増設や移動ができる点が特徴です。工場で事前に組み立てられたモジュールを使用するため、設置場所の変更も柔軟に行えて、急な拡張や一時的な増設にも対応しやすくなります。
目的別のデータセンターの種類
データセンターは、企業のニーズや目的別に、汎用データセンターと特化型データセンターに分かれています。
汎用データセンター
汎用データセンターは、多様なITサービスやアプリケーションを支える柔軟性が特徴です。サーバーやネットワーク機器、ストレージシステムなど、幅広いインフラを収容できるため、さまざまな業種や業務のニーズに対応できます。つまり、複数の顧客や異なる用途向けのサービスを1つの施設で展開しているのです。
特化型データセンター
特化型データセンターは、高性能コンピューティング(HPC)、医療、金融、研究など、特定の分野の要求に応えるよう構築されています。独自の用途に合わせたアーキテクチャ・機器・強化されたセキュリティ対策を備えていることが多く、通常の施設では対応しにくい特殊なニーズに適応可能です。
所有権別で見たデータセンターの種類
データセンターでは、それぞれ異なる企業が、建物・設備・ICT機器を管理し、利用者に多様な選択肢を提供しています。ここからは、所有権別にデータセンターの種類をご紹介します。
企業所有のデータセンター
企業所有のデータセンターは、企業が自社のITニーズを満たすために、自ら所有して運営します。そのため、企業がインフラを直接管理し、特定の業務要件に応じてカスタマイズしたり、高度なセキュリティ対策を施したりすることが可能です。建物や設備、ICT機器に至るまで、すべてを1社で管理するので、運用の柔軟性や安全性が高く、機密性の高いデータを扱う企業に適しています。
コロケーションデータセンター
コロケーションデータセンターは、企業が自社のサーバーやネットワーク機器を設置するためのスペースを提供する施設です。データセンターの運営会社が設備や建物の管理を行います。つまり、顧客は電源供給や冷却、セキュリティなどのインフラに関する維持管理を外部に委託した状態で、必要なエリアやラックをリースして自社の機器を運用します。
クラウドデータセンター
クラウドデータセンターは、クラウドサービスプロバイダーが運営しています。顧客に多様なクラウドコンピューティングリソースを提供することで、利用者は必要に応じてサーバーやストレージを簡単に追加できます。その柔軟性がクラウドデータセンターの特徴です。仮想化技術により、リソースは効率的に管理され、顧客はコストを抑えながら必要な機能を利用できます。
まとめ
データセンターには、企業や組織のニーズに対応できるさまざまなタイプが存在します。各データセンターは、特定のニーズに応えるように設計されており、クラウドサービスの普及によって今後も進化していくと想定されます。
データセンターを選択する際は、企業の運用方針や戦略に大きな影響を与えるため、慎重に検討した上で決定しましょう。