サーバールームの温湿度管理の重要性とは?空調システムの種類についても解説|LANケーブルと結束バンドのことなら|パンドウイット

サーバールームの温湿度管理の重要性とは?空調システムの種類についても解説

※この記事は製品や技術にまつわるお役立ち情報=豆知識を意図しておりますことから、弊社製品以外の製品や市場一般に関する内容を含んでいることがあります

サーバールームの温湿度管理は、機器の安定した動作と長寿命化に大きく関わる要素です。温度や湿度の影響を受けやすい電子機器にとって、過度な熱や湿度変化は故障の原因となります。

そこで本記事では、サーバールームの温湿度管理の必要性、空調システムの種類と特徴について解説します。電子機器を適切に管理するため、ぜひ参考にしてください。

 

サーバールームの湿度について

はじめに、電子機器に多くの影響を与える湿度について解説していきます。

サーバールームの適切な湿度

ASHRAE(アメリカ暖房冷凍空調学会)のガイドラインによると、サーバールーム内の適切な湿度は40~55%程度です。適切な湿度を維持することで、機器の温度や冷却効率を最適化し、故障リスクを最小限に抑える環境を確保できます。

湿度が高すぎると発生するトラブル

サーバールーム内の湿度が高いと、大きく2つのトラブルが発生する可能性があります。

 

サーバー内部のショート

湿度が高すぎるサーバールームでは、内部で結露が生じ、機器内部に水分が侵入するリスクが高まります。すると、電流が意図しない経路を通って流れてしまい、電子部品のショートが発生しやすくなるのです。一度ショートが起こると、乾燥させた後でも安定した動作が保証されないため、注意が必要です。

 

サビによる絶縁不良

サーバールームの湿度が高すぎると、機器の端子や配線部で結露が発生し、サビが生じやすくなります。サビが導電部に付着すれば、電流が流れにくくなり、電力が無駄に消費されたり、絶縁不良が起きたりする可能性が高まるため、注意しましょう。サビによる腐食は、一度発生すると完全に除去できず、安定稼働に深刻な支障をきたす可能性もあります。

湿度が低すぎると発生するトラブル

サーバールームに湿度がたまるのも良くありませんが、一方で湿度が低すぎてもトラブルの原因となります。

 

静電気放電

サーバールームで湿度が低すぎる場合、静電気が発生しやすくなります。静電気放電が起こると、一時的に大電流が流れ、過電圧や過電流が発生してしまうのです。すると、半導体内部の絶縁が破壊されたり、過熱によって部品が損傷したりする恐れがあります。また、放電によるノイズが制御回路に影響し、機器が誤動作する可能性も考えられます。

 

異物の付着

湿度が低すぎるサーバールームでは、機器が静電気を帯び、周囲のホコリやチリなどの微細な異物が引き寄せられ、機器に付着しやすくなります。こうして回路上に付着した異物も、ショートを引き起こす原因となり、電子部品が故障する危険性が増すため、十分な注意が必要です。また、異物の蓄積が冷却効率を下げてしまい、過熱のリスクを高めることもあります。

 

サーバールームの適正温度を保つためには?

サーバールームの機器を安定稼働させるためには、適正な温度管理も欠かせません。ASHRAEのガイドラインによると、推奨温度は18〜27℃です。

空気の流れを整える

通常、サーバーは冷却ファンで内部の熱を排出するため、空気がスムーズに循環しないと熱がこもり、機器の温度が上昇する恐れがあります。対策として、サーバーを並べる際は、熱気の流れるホットアイルと冷気の流れるコールドアイルを分け、空気の流れを整える配置にすることが有効です。さらに、列の間に仕切りを設置して、吸気と排気を分離するという方法もあります。

サーバールームを清潔にする

サーバーの吸気口にホコリがたまると、冷却ファンや内部機能が阻害され、熱が効果的に排出されにくくなります。その結果、機器が過熱する可能性があるため、サーバールームを定期的に掃除して清潔に保つことが大切です。

サーバーを冷却する

サーバールームの温度を適正に保つには、効果的な冷却も欠かせません。主な冷却方法として、室温の管理と空気の循環を通じて温度を下げる「空調冷却」や、サーバーを冷媒液体に浸して熱を直接取り除く「液浸冷却」という仕組みがあります。

ほかにも、冷却水が通るパイプを用いてサーバーの熱を冷却し、空調の補助的な役割を果たす「水冷ヒートエクスチェンジャー」も有効です。

 

サーバールームの空調システムの種類

ここでは、サーバールームに用いる空調システムの特徴を紹介します。

中央熱源方式

中央熱源方式とは、サーバールームなど広い空間の空調に適したシステムで、ボイラーや冷凍機などの熱源設備を1カ所にまとめ、そこから調整した空気を各エリアに供給します。集中した構造により、メンテナンスの手間が抑えられ、空調管理も簡単にできることが特徴です。一方、エリアごとの細かな温湿度管理には対応しにくいというデメリットがあります。

個別熱源方式

個別熱源方式は、各エリアに独立した室外機を設置して空調を行うシステムで、多くの住宅や小規模な施設で採用されています。個別熱源方式のメリットは、スペースごとに温度調整が可能で、必要に応じて空調のオン・オフを切り替えることにより、省エネ対策ができることです。ただし、温度調節はできても湿度の調整は難しく、加湿器などの設備が別途必要となる場合があります。

 

まとめ

サーバールームの温度は、機器の動作に大きく関わるため、湿度管理で結露や静電気によるトラブルを防ぐことが大切です。徹底した温湿度管理と適切な空調システムにより、サーバールームの安定した稼働を確保しましょう。

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