なぜデータセンターが印西市に集中している?理由を詳しく解説
※この記事は製品や技術にまつわるお役立ち情報=豆知識を意図しておりますことから、弊社製品以外の製品や市場一般に関する内容を含んでいることがあります

みなさんは、なぜデータセンターが印西市に多く建設されているのかご存じでしょうか。
今回は、データセンターが印西市に集中する理由を解説します。データセンターが集中するデメリットも説明しますので、データセンターに興味のある方はぜひ参考にしてください。
目次
なぜ印西市にデータセンターが集中している?
まずは、なぜ印西市にデータセンターが集中するのか説明します。
首都圏からの交通アクセスがよい
データセンターは、海外や地方からの出入りで立地条件を選ぶ場合が多く、首都圏や国際空港へのアクセスがよいほど評価されやすい傾向にあります。印西市は首都圏からの交通アクセスに優れており、各目的地までの所要時間は、以下の通りです。
- ・成田空港:約20分
- ・日本橋:約50分
- ・品川:約60分
また、印西市は外資系企業のデータセンターも多く、サーバーやネットワーク機器を設置する際の利便性を考えて、会社との距離が近いという立地条件でデータセンターを検討するケースもあります。
災害リスクが低い
データセンターは、災害リスクの低い土地に建設することが望ましいと言われています。なぜならば、自然災害の影響で重要なデータが消失する可能性があるからです。企業のデジタル化が進む現代では、データセンターを遠隔地に建設して災害リスクの分散化を目指す必要もあるでしょう。また、印西市にある多くのデータセンターは下総台地に建設されており、周辺に大きな川が流れていないことから、氾濫や洪水、津波などの災害リスクが低い傾向にあります。さらに、下総台地周辺は地盤が固く、活断層が発見されていないことから、地震の影響を受ける心配が少ない点もメリットです。
電力設備が充実している
印西市には2024年時点で120万kwの電力設備があり、高電圧かつ高容量の電気を高速で供給する環境が整えられています。データセンターを稼働するためには大量の電力供給が必要ですが、印西市と船橋市を結ぶ「千葉ニュータウン洞道」の完成によって印西市の電力供給量が増加しており、今後も2027年までに230万kwの電力供給が計画されています。
広い土地面積を確保できる
広い土地面積を確保できる場所は、データセンターの設置に適しています。それは、将来的に拡張・増設できる場所を確保しなければならないからです。印西市は千葉ニュータウン事業の整備が進められており、広大な土地の提供が可能です。
なお、データセンターの安定的な運用を目指すためには平坦な土地を選ぶ必要もあります。傾斜や凹凸のある土地は施設の構造や配置に影響を与える可能性がある点にご注意ください。
海底ケーブルの陸揚げ局に近い
印西市は海底ケーブルの陸揚げ局に近く、海外との通信が安定している点で海外企業からの需要が高い傾向にあります。陸揚げ局周辺に建設されたデータセンターは、海底ケーブルと直接接続できるので、回線の購入にかかる費用の削減が可能です。
また、海底ケーブルと直接接続することで電気信号の変換が不要となり、高速通信が利用できるメリットもあります。
データセンターが集中するデメリット
ここからは、データセンターが集中するデメリットを解説します。
電力需要に供給が追いつかない
データセンターが集中すると、電力需要に供給が追いつかなくなるかもしれません。印西市の電力供給量はすでに不足しており、新たな電力供給設備が建設されたとしても、今後想定される電力需要に届かない可能性があります。また、印西市では変電所の増設が検討されていますが、電力供給設備の増設時期に間に合わないという懸念もあります。
近隣住民との軋轢を生む可能性
データセンターを住宅地周辺に建設する場合は、近隣住民から反対の声が上がる可能性があります。大型車の往来や騒音問題がない場合でも、工事の進め方や運用方法を具体的に説明できなければ、近隣住民との軋轢を生むかもしれません。さらに、通信環境の改善や税収増など、データセンターを建設するメリットも説明して、近隣住民の理解を得る必要があるでしょう。
印西市にデータセンターはいくつある?
印西市役所によると、データセンターの稼働を公表している企業は11社ですが、把握できていないデータセンターも多く存在します。データセンターの建設を不安視する声があがる一方で、前向きに考えている印西市民も多く、データセンターの拡大が地域の活性化や税収増につながる可能性がある点にメリットを感じる人もいるようです。
まとめ
印西市は首都圏からの交通アクセスに優れており、災害リスクが低く、電力設備が充実している点でデータセンターの設置場所に選ばれやすい傾向にあります。さらに、広い土地面積を確保でき、海底ケーブルの陸揚げ局に近く、海外との通信が安定している点でも注目を集めています。