新庁舎でのIP電話導入が増加中!IP電話の種類や導入のメリットとは?|LANケーブルと結束バンドのことなら|パンドウイット

新庁舎でのIP電話導入が増加中!IP電話の種類や導入のメリットとは?

※この記事は製品や技術にまつわるお役立ち情報=豆知識を意図しておりますことから、弊社製品以外の製品や市場一般に関する内容を含んでいることがあります

近年では、テレワークなどワークスタイルの変化により、幅広い業界でスマートフォンの活用と新しい技術の導入が重要性を増しています。

また、企業だけでなく各市区町村の庁舎などでもIP電話の導入が増え、コストの削減やサービスの向上に役立っています。

本記事では、IP電話の種類と導入のメリットについて解説します。

IP電話の導入を行う際の注意ポイントや、庁舎でのIP電話導入事例についてもご紹介いたしますので、ぜひ最後までご覧ください。

 

IP電話とは?

IP電話とはインターネット回線を用いた電話サービスのことです。

IPはInternet Protocolの略称で、インターネットでやりとりを行う際のルールや規格のことを指しています。

IP回線は一般的なアナログ電話と違い、インターネット環境があればどこでも利用可能となっていることが特徴です。

また、固定電話のような形式で使用できるものと、PCやスマートフォンなどのアプリにインストールするタイプのものがあります。

IP電話は利便性が高く、費用を抑えられるため、近年はアナログ電話よりもIP電話の使用が主流です。

さらに、NTTでは2024年1月から全てのアナログ電話をIP回線に切り替えることを発表しています。

IP電話の通話の仕組み

IP電話は発信者の音声をデータ化し、インターネットを通じて相手の元に復元して届けることで通話を行う仕組みです。

音声信号をデータ化して分割するVoIP(Voice over Internet Protocol)と呼ばれる技術を利用し、ルーターを通じて送受信が行われます。

通話相手がアナログ回線でもIP電話施設を介して発信できるため、発信者と受信者の回線が違っていても通常の通話が可能です。

また、IP回線の技術を利用すれば、音声だけではなく動画のやりとりもできます。

IP電話の番号は3種類

IP電話には3種類の番号があります。

それぞれの番号にどのような違いがあるのか確認しておきましょう。

 

0AB-J型

0AB-J型は「03」や「06」などの市外局番から始まる10桁の電話番号です。

総務省が定める4つの品質基準をクリアした業者のみが取得できるため、品質や機能がアナログ電話とほとんど変わりません。

電話加入権を取得した番号を持っていれば、そのままの番号を引き継いで利用することができます。

一方で、他のIP電話番号と比較すると利用料金は高くなるというデメリットもあります。

 

050型

050型は050から始まる11桁の電話番号です。

050型は0AB-J型とは異なり、市外局番などの地域情報は含まれず、PCやスマートフォン、携帯電話でも利用できます。

他のIP電話番号と比較すると導入の初期費用や通話料金が安く、同一や提携のプロバイダ間であれば通話料金が無料になるケースも多いです。

しかし、通話の品質が通信環境に影響されやすく、通話の品質が不安定になりやすいというデメリットもあります。

また「110番」や「119番」などの緊急通報を行うことができないため、緊急時の対策を考慮しておかなければなりません。

 

電話番号不要型

電話番号がなくても利用できるタイプのIP電話を「電話番号不要型」といいます。

電話番号不要型サービスの代表例としては、LINEやSkypeといったアプリが挙げられます。

電話番号不要型の特徴は通話料金が発生しないことですが、同一のアプリ間でなければ通話できないということは把握しておきましょう。

IP電話とアナログ電話やひかり電話・PBXとの違い

IP電話とアナログ電話やひかり電話・PBXとの違いや特徴を表にまとめました。

それぞれのサービスの違いについて確認したい方は、ぜひ参考にしてみてください。

IP電話

・インターネットを通じて音声データをやりとりする方法
・アナログ電話と異なり複数の拠点を介す必要がなく通信の効率が良い
・インターネット回線があれば利用可能
・通話料金が距離による影響を受けない
・一般的に停電時は利用できない

アナログ電話

・基地局や交換局を介して音声をやりとりする方法
・回線開通工事費や電話加入権の購入が必要
・遠距離の通話は料金が高くなる
・停電時でも非常電源があれば通話可能

ひかり電話

・ひかりファイバーを利用したひかり回線による通話方法
・IP電話と同じインターネット回線の一種
・一般的なIP電話よりも安定性や速度に優れている
・ひかり回線の導入のために工事が必要になる

PBX

・電話の内線と外線をつなぐためのシステムのこと

・内線を外線につないだり、外線を内線につないだりすることができる
・クラウド上のPBXを利用すればスマートフォンの内線化が可能になる

 

 

IP電話を導入するメリット

IP電話を導入することのメリットは主に以下の3つです。

 

 ●コスト削減につながる

 ●柔軟性がある

 ●スマートフォンから利用できる

コスト削減につながる

IP電話を導入した場合の最も大きなメリットは、コスト削減につながることです。

従来のアナログ電話を利用するには機器の設置や配線工事、電話加入権の購入が必要でした。

しかし、IP電話はインターネット環境があれば利用できるため、機器の設置や配線工事の費用が必要ありません。

さらに、これまで使っていた電話機器やスマートフォン・PCを利用すれば、機器購入のコストを抑えて初期費用を大幅に減らすことが可能です。

また、アナログ電話と違いIP電話は通話料金が一定のため、距離が遠い相手への通話料金も抑えられます。

従来は基地局や交換局を経由するたびに利用料が発生し、相手の距離が遠くなると通話料金が上がる仕組みでしたが、IP電話はインターネットのみを経由するため、距離が遠い相手との通話でも料金が一定です。

IP電話は同一プロバイダ間の通話料金が無料で、一般的に海外への通話料金も安くなるため、導入することでコスト削減につながるケースが多くなっています。

プロバイダやサービスごとに月額料金や通話料金は異なりますが、固定電話と比較すると安価になります。

柔軟性がある

IP電話は機器の設置や工事が不要のため、オフィスの移転や人員の増減があっても対応しやすく、さまざまなアプリやITサービスと統合できるなど、柔軟性が高くなっています。

IP電話のアプリは通話に加えチャットや動画のやりとりができるものも多いため、連絡手段の幅を広げることも可能です。

また、プロバイダによってはアプリやWebサイトからシステムや設定を変更できる便利なサービスもあります。

スマートフォンから利用できる

IP電話はアナログ電話と異なり、PCやスマートフォンのアプリからでも利用できます。

新たに通話機器を購入しなくても職員が持っている端末を利用できるため、導入や維持に必要なコストを抑えられます。

回線の削除や追加における工事や配線が不要のため、運用や管理が比較的簡単です。

 

IP電話を導入する際の注意ポイント

IP電話を導入する際には、3つの注意ポイントがあります。

契約を検討している場合は、チェックすべき点について事前に把握しておきましょう。

契約時にサービス内容やサポート体制の内容を確認しておく

IP電話の機能はプロバイダやサービスによって内容が異なります。

業務で利用したい機能が付いているか、基本プランやオプションを十分に確認しておきましょう。

また、サポートの範囲や対応時間なども考慮して選ぶようにしてください。

電話がつながらないなどの状況を考えて、チャットやメールなどの連絡手段を利用できるプロバイダを選ぶのがおすすめです。

組織内の通話数によって適したサービスが異なる

IP電話は通話回数が一定数を上回ると品質や安定性が落ちることもあります。

サービスごとに通話回数の基準が異なるため、導入前に組織内の通話数を把握しておくことが重要です。

特に庁舎でIP電話を利用する場合は、通話品質は住民サービスの満足度を左右するため、必ず確認しておきましょう。

停電対策について事前にチェックしておく

IP電話は停電時に利用できなくなってしまいます。

停電の時間が長くなると復旧に時間がかかるケースもあるため、停電対策については事前にチェックしておきましょう。

しかし、なかには停電が起きてもUPS(無停電電源装置)などを利用して安定して通話できるサービスなどもあります。

 

庁舎でのIP電話導入事例

ここでは、庁舎でのIP電話導入事例を3つご紹介します。

庁舎の移設などに伴いIP電話の導入を考えている場合は、ぜひ参考にしてみてください。

住民サービスが向上した例

IP電話の転送機能によって住民サービスが向上した例についてご紹介します。

従来のアナログ電話には内線化の工事が難しいケースがあり、他庁舎などには電話の転送ができない場合がありました。

市民からの電話の内容によっては他庁舎へのかけ直しを依頼する必要があり、不満の声が出ることも少なくありません。

しかし、静岡県の伊豆の国市役所では、IP電話を導入したことで、庁舎間の内線化が実現し、他庁舎へも転送できるようになるなど、住民サービスの向上につながりました。

大幅なコストの削減につながった例

IP電話の導入によってコストの大幅な削減につながった例をご紹介します。

従来のアナログ電話は設置や移動に工事が必要で、庁舎の移転や組織改変時には工事費用がかかりました。

一方でIP電話はインターネット環境があれば利用でき、移転や異動の際のコストを抑えることができます。

また、PBXの維持管理コストも不要で庁舎間での通話料金も無料になるためコストの大幅な削減につながります。

東京都豊島区では、IP電話の導入により、内線化で通話料も無料になるなど、年間千数百万円のコスト削減を実現しました。

業務効率化を実現した例

IP電話の導入によって業務効率化を実現した例についてご紹介します。

IP電話はインターネットの回線を使用して行う通話のため、さまざまなITサービスとの統合が可能です。

職場内に無線LANを設置してフリーアドレス化したり、職員一人ひとりのPCに内線番号を割り振ったりすることができます。

スマートフォンやタブレットも利用可能になるため、従来のアナログ電話よりもコミュニケーションの幅が広がり業務効率化を図ることが可能です。

東京都豊島区では、IP電話の導入で職員一人ひとりに内線番号を割り振ることで、他部署の職員とのスムーズなやり取りを実現し、管理職などにも連絡がつきやすくなるなど、効率化を実現しました。

 

まとめ

IP電話はインターネットの回線を使用した通話サービスで、業務の柔軟性を広げる大切な役割を持っています。

回線工事が不要で通話料金が比較的安く、現在アナログの電話回線を使用している場合は大幅なコスト削減を期待できます。

IP電話の導入を検討している場合は、サービスや停電時の対応を十分に確認して契約を行いましょう。

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