新庁舎でサーバー統合は必要?サーバー統合のメリットや注意点について解説
※この記事は製品や技術にまつわるお役立ち情報=豆知識を意図しておりますことから、弊社製品以外の製品や市場一般に関する内容を含んでいることがあります
サーバー統合とは、乱立しているサーバーの管理を集約することです。
近年は企業だけでなく、新庁舎の建設に伴ってサーバー統合を行う市区町村が増加しています。
本記事ではなぜ新庁舎でのサーバー統合が必要になるのか、そのメリットや注意点について解説いたします。
庁舎でのサーバー統合を検討している場合は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
サーバー統合とは
サーバー統合とは、情報システムのサーバーコンピュータを少ない台数に減らして運用の手間やコストを削減することです。
新庁舎でのサーバー統合が求められている理由や、統合の仕組みと方法について確認しておきましょう。
新庁舎でサーバー統合が必要になる理由
新庁舎でサーバー統合が求められているのは、住民データを安全かつ確実に守る必要があるためです。
1980年代ごろまで、情報システムは大型のサーバーに集約されることが一般的でした。
1990年代以降は小型サーバーの登場によって、サーバーを分散させてシステムの安定を図る方法が主流になっています。
しかし、現在の技術ではサーバーを分散しなくても安定した稼働を行えるようになり、サーバーの分散は不要になりました。
サーバーが乱立している状況では管理コストの増加や電力容量の不足が問題となり、セキュリティ面でも問題が生じやすくなります。
住民データを扱う庁舎ではセキュリティ面での不安は大きな問題となるため、早急に解消しなければなりません。
また、庁舎は防災拠点の役割もあり、災害時の安定的な稼働を図るためにもサーバー統合の推進が求められています。
サーバー統合の種類
サーバー統合は段階によって3つの種類に分けられます。
論理的統合
論理的統合とは、管理ソフトやプロセスの導入によって複数のサーバーをまとめて管理できるようにする方法です。
サーバー統合のなかで最も簡単にできる方法で、運用や保守に関わるコストを削減できます。
しかし、論理的統合はサーバーが乱立した状況が変わるわけではないため、サーバー保有のコストは削減できません。
物理的統合
物理的統合とは、複数の拠点などに乱立したサーバーをインターネット上のデータセンターに物理的に統合する方法です。
各地に点在したサーバーを集約することで、まとめて管理できるようになります。
運用・保守・保有のコストを削減できるため、サーバー統合の種類のなかでは一般的な方法です。
単純に「サーバー統合」という場合は、物理的統合のことを指していると考えていいでしょう。
合理化
合理化とは仮想化技術などを利用してサーバーの台数を減らしたり、ひとつにまとめたりする方法です。
合理化は、論理的統合や物理的統合をさらに進めた段階の統合であり、仮想化技術の進歩によってパフォーマンスやセキュリティが以前より向上したことで、近年は合理化によるサーバー統合を選択する企業が増加しています。
サーバー統合の方法
サーバー統合は主にハードウェアとソフトウェアによる2つの方法で行われます。
ハードウェア
ハードウェアでサーバー統合を行う場合は、専用のハードウェアを使用して乱立したサーバーをひとつの筐体に統合します。
これにより電源や冷却の管理を効率的に行えるようになり、大幅なコストダウンを図ることができます。
ソフトウェア
ソフトウェアによる統合では、専用のソフトウェアを利用して乱立した複数のサーバーをひとつにまとめます。
ソフトウェアの代表的なものは「仮想化サーバー」による統合です。
ひとつのサーバー上に複数の仮想サーバーを構築することによって、システムの効率化を図ります。
新庁舎におけるサーバー統合のメリット
ここでは、新庁舎におけるサーバー統合のメリットを4つご紹介します。
物理的なコストを削減できる
サーバー統合を行うと、データセンターの拠点や機器設置による物理的なコストの削減が可能となります。
筐体の運用・設置などにかかる消費電力や場所代の費用を抑え、空いたスペースや不要になったサーバーを有効的に活用できます。
運用の効率化や最適化を図れる
サーバー統合によって管理するハードウェアを集約すれば、運用や監視に必要な人員や時間を削減できます。
各拠点に人員を配置する必要がなくなるため、運用の効率化や最適化を図ることが可能となります。
特に統合に仮想サーバーを用いるケースでは、処理速度の向上によるサーバーの高速化を期待できるでしょう。
保守管理がしやすくなる
サーバー統合を行うとアップデートやセキュリティパッチの適用など、サーバーの保守管理を一元管理できます。
管理が統合されることで保守管理がしやすくなり、情報漏洩などのセキュリティ面でのリスクも減らすことができます。
引越し時のリスクやコストを軽減できる
庁舎を移転するケースでは、サーバーを引越す際に筐体が破損するリスクに注意する必要があります。
移転前にデータセンターにサーバーを統合しておくと、引越し時の破損リスクや運搬費を削減できるでしょう。
サーバー統合の注意点
ここでは、サーバー統合を行う際に注意すべき点について解説します。
リソース使用率の高いサーバーに注意
サーバー統合を行う際は、リソース使用率の高いサーバーに注意が必要です。
サーバー統合を行うと1台のサーバーで複数のOSやシステムを稼働することになります。
リソースの高いサーバーを統合すると1つのシステムでハードウェアリソースを占領することになり、統合前よりも性能が落ちる可能性があります。
また、特定のサーバーにアクセスが集中することで、他のサーバーに影響が出ることも考えられます。
サーバーの統合を行う際は、現在使用しているサーバーのリソースや新たに導入するサーバーのスペックを把握しておきましょう。
ソフトウェアライセンスのカウント方法に注意
仮想サーバーを用いてサーバー統合を行う場合は、ソフトウェアライセンスのカウント方法に注意が必要です。
物理サーバーと仮想サーバーでは、ソフトウェアライセンスのカウント方法が異なる場合があります。
サーバー統合によってライセンスコストが増えてコスト削減に失敗するケースもあるため、統合前に確認しておきましょう。
まとめ
サーバー統合はコスト削減や業務効率化を図る上で、重要な要素の一つです。
住民データなどの機密情報を多く扱う庁舎においては、セキュリティ向上のためにもサーバー統合が求められています。
しかし、統合によって性能が落ちたり、想定外の影響が出たりすることもあります。
サーバー統合を行う際は機器のリソースやスペックを把握し、適切なサーバーを選ぶことが大切です。