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庁舎の自治体システム標準化について解説

※この記事は製品や技術にまつわるお役立ち情報=豆知識を意図しておりますことから、弊社製品以外の製品や市場一般に関する内容を含んでいることがあります

「自治体システム標準化ってなに?」

「どんなメリットがあるの?」

など疑問に思う方もいるのではないでしょうか。

今回は、自治体システム標準化の概要やその効果、メリットについて解説します。

 

自治体システム標準化とは?その背景や効果

自治体システム標準化は一言で説明すると、自治体の各種業務をシステムに移行することです。

これがどのような内容なのか具体的に解説します。

自治体システム標準化とは?

自治体システム標準化とは、自治体がシステムを導入・運用することで、業務上で発生するコスト削減に向けて、2020年12月に策定された「自治体デジタル・トランスフォーメーション(DX)推進計画」の中で、2026年3月末までに戸籍情報や住民記録など、20の業務を標準準拠システムへ移行することが盛り込まれたものです。

自治体システム標準化のスケジュール

対象となる住民記録システムや戸籍情報システム、税務システム、健康管理システムなど自治体で行っている20の業務について、業務システムの標準マニュアルは2022年8月31日に揃いました。

そして、2025年度末までに標準準拠システムへの移行を目標としており、2023年度以降は移行支援期間と定められています。

このような期限は、2022年10月に閣議決定された「地方公共団体情報システム標準化基本方針」の中で定められているのです。

また、計画が策定されてから移行までの期限は5年3ヵ月となっています。

庁舎で行う自治体システム標準化の背景

各自治体でシステムの構築や管理を行っているため、全国を対象とした課題に対し対応が遅れたり人手不足に陥ったりすることが課題となっており、それを解消したいということが背景になっています。

現在は、各自治体で情報システムの作成や管理をしているため、データシステムに違いがあるという状況です。

そのため、制度が改正された場合やサービスの向上のためのシステムの共有などに遅れが生じていました。

また、これらの独自システムを運用するにはエンジニアが必要です。

IT業務を担当する人材不足にも悩まされているため、自治体システム標準化により、自治体間の情報共有や連携の効率化、サービスの改善や課題の解消を狙っています。

庁舎で行う自治体システム標準化の効果

自治体システム標準化は、標準仕様のシステムを導入することにより、現在の課題点のコスト削減やIT人材不足の解消、業務の効率化を狙えます。

また、データ管理を統一したシステムに変更することで、業務の統一や先端技術の導入がしやすくなるなど、業務効率化に向けて対策が打ちやすくなるといった効果も見込めます。

ほかにも、標準的なシステムにすることでセキュリティ対策もできるのです。

 

庁舎で自治体システム標準化を行うメリット

それでは次に、庁舎で自治体システム標準化を行うメリットについてみていきましょう。

今後の課題や標準化するメリット

標準化するメリットとして挙げられることには、情報共有などの連携がスムーズになり、業務の効率化が期待できる点があります。

今までは記入の手間をかけていた書類の作成など、ITの活用により手際の良い作成が可能になりました。また、書類の確認なども電子で行うことで処理時間の短縮に直結します。

効率化することで他業務の生産性を確保できます。

さらに、近隣の自治体などで情報共有の必要がある場合には、情報のやり取りがスムーズになるのです。

システム運用・開発コストの削減

情報管理をクラウド化することで、印刷物などの紙にかかる費用や資料の保存場所にかかるコストの削減につながります。

紙での管理は手間やコストがかかるのに加え、求めている情報が入手しにくいというデメリットがありました。

しかし、クラウド化することで、情報を探す時間を省けるため、人件費の削減に繋がります。

データ連携がスムーズ

全国の自治体でプラットフォームがガバメントクラウドに統一され、その上で稼働するシステムも標準化されることで、システムで扱うデータを一元管理したり連携したりできるようになります。

その結果、データ連携によって新しい住民サービスを提供できるようになります。

また、自治体同士のシステムの統合やアップグレードにかかるコストも削減できます。

自治体運営の業務効率化

情報システム標準化が行われる前は、各自治体が分散してシステムを企画から、導入、運用してきたため、自治体ごとに業務負担やコスト負担が発生してきました。

情報システムを標準化することで、これらの負担軽減が見込め、人手不足の深刻化が予測される今後の自治体業務においても、生産性を向上できる可能性があります。

 

自治体標準化を実現させるには?

では、自治体標準化を実現させるにはどのようなことを押さえておかなければいけないでしょうか。

それには、ガバメントクラウドについての理解とベンダーとの協力が欠かせません。

ここではガバメントクラウドやベンダーについて解説していきます。

ガバメントクラウド

ガバメントクラウドとは、国と地方自治体が情報を共有することで世の中の変化に柔軟に対応できるようなアプリケーションを開発し、ITインフラを提供することを目的とした最新のクラウド技術です。

同時にガバナンス機能とテンプレートを用いることで政府全体としての管理能力の向上やベストプラクティスに基づくクオリティの底上げと標準化、運用監視などの検討省力化と設定自動化を支援します。

テンプレートを用いることで適切にマネージドサービスを利用し、構築と運用の自動化を実現でき、また、インフラコストの削減が可能です。

ほかにも、ガバメントクラウドを利用することでインフラコストの透明化や可視化を実現し、コスト面での適切な評価を実現します。

ベンダーとの協力が必須

ベンダーとは、クラウドサービスやソフトウェア、コンサルティングサービスなどを提供する企業のことを指します。

システム開発には、一般的にベンダーと地方自治体の共同作業により進められ、各当事者が適切にその役割を果たすことが必要であると法律で定められています。

それが、プロジェクト・マネジメント義務と協力義務です。

プロジェクト・マネジメント義務と協力義務が初めて用いられたとされるのは、東京地裁平成16年3月10日判決・判タ1211号129頁(引用元:プロジェクト・マネジメント義務と協力義務 – BUSINESS LAWYERS)です。

 

●ベンダーは、納入期限までにシステムを完成させるように、開発契約の契約書およびシステム提案書において提示した開発手順や開発手法、作業工程等に従って開発作業を進めるとともに、常に進捗状況を管理し、開発作業を阻害する要因の発見に努め、これに適切に対処すべき義務を負う。

●システム開発は注文者と打合せを重ねて、その意向を踏まえながら行うものであるから、ベンダーは、注文者のシステム開発へのかかわりについても、適切に管理し、システム開発について専門的知識を有しないユーザーによって開発作業を阻害する行為がされることのないようユーザーに働きかける義務(プロジェクトマネージメント義務)を負っていた。

 

このことから、ベンダーとの協力が必須になり、IT系に知見がある人材が不足している自治体は、アフターサポートや保守サービスが厚いベンダーを選ぶことをおすすめします。

 

庁舎で標準化が求められている業務

ここまでシステム標準化の目的やメリットなどを解説してきました。

それでは、標準化が求められている業務についてみていきましょう。

標準化が求められている主な業務は以下にまとめたものです。

住民台帳記録業務

住民台帳記録業務とは3つに分かれています。主に、住所や氏名、生年月日など住民台帳に記載しているものを管理する業務の住民台帳業務や、在外選挙人名簿、選挙時の投票状況を管理する選挙人名簿管理業務、国民年金の加入者情報を管理する国民年金業務です。

税関連業務

税関連業務とは、税金を管理する業務です。

税金には、固定資産税や、住民税などさまざまあります。

まず、固定資産税業務です。

固定資産税とは、法人や個人が所有する土地などにかかる税金のことをいいます。

つまり、固定資産税業務とは土地などにかかる税金の徴収や管理などをする業務です。

次に、個人や法人に対する税金の管理や徴収に関する住民税業務があります。

この業務では年間を通して住民からの課税に関しての相談や申告受付、税金の計算など多岐にわたります。

税金や法律の知識を要するため、日々勉強を行い、知識の習得に努めなければなりません。

他には、軽自動車やオートバイなどの所有者に対する税金の徴収を管理する軽自動車業務など、上記以外にもさまざまな税関連の業務があります。

国民健康保険関連業務

国民健康保険への加入申請や保険料の徴収、また、高額療養費の支給申請などの支援や管理を行う業務です。

また、窓口業務もあり主に被保険者資格の手続きや保険給付に付随する業務なども行います。

介護福祉関連業務

後期高齢者医療制度といって、75歳以上の方や、65歳以上74歳以下の方で、ある一定の障がいがあると認められた人を被保険者とする医療制度があります。

75歳の誕生日後、これまで加入していた国民健康保険や被用者保険などから「後期高齢者医療制度」に移行することになります。

65歳以上の一定の障害をお持ちの方は任意ですので、自治体はその支援や管理などの業務があります。

また、介護保険制度というものもあり、その支援や管理も業務に含まれます。

児童/子育て支援関連業務

児童子育て支援関連業務は、妊婦検診をはじめ、新生児訪問や保育事業の支援、児童扶養手当の支給に関する請求書や届け出の受付等を行います。

また受給者への支援や管理も、児童・子育て支援関連業務に含まれています。

 

まとめ

今回は、庁舎での自治体情報システム標準化の概要をはじめ、メリットや効果、今後の課題などについて解説してきました。

庁舎が情報システム標準化するメリットは、業務負担軽減やコスト削減、業務効率化、IT人材不足の解消につながることです。

また、住民の利便性の向上やデータの連携、一元管理ができることが効果として挙げられます。

効率が良くなると、回転率も向上するため、庁舎での待ち時間やさまざまな窓口を回らなければいけないという事態も減っていくでしょう。

しかし、まだまだ課題も多く、すべての自治体が完了するには時間がかかることが予想されます。

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