フリーアクセスフロアとは?庁舎とフリーアクセスフロアの親和性について解説
※この記事は製品や技術にまつわるお役立ち情報=豆知識を意図しておりますことから、弊社製品以外の製品や市場一般に関する内容を含んでいることがあります
庁舎への導入事例が見られるフリーアクセスフロアですが、どのような理由で採用されているかご存じでしょうか。
それは、庁舎に求められる機能とフリーアクセスフロアに高い親和性があるからです。
本記事ではフリーアクセスフロアの概要および庁舎へ導入したときに得られるメリットについて解説します。
フリーアクセスフロア導入を検討している担当者様はぜひ最後までご覧ください。
フリーアクセスフロアとは
フリーアクセスフロアとは床下に空間を設けて、通信ケーブルや電気配線、空調に関する設備を適切に配置し、オフィス環境を効率化できるものです。
以下にフリーアクセスフロアの基本情報についてまとめます。
特徴
フリーアクセスフロアは二重床として空間を維持・形成するものですが、構法については2種類のタイプから選択することになります。
構法によって以下のような特徴の違いがあるため、導入予定の場合は注意しておきましょう。
主な素材 |
高さ調整 |
歩行感 |
ノイズ性能 |
導入コスト |
|
パネル構法 |
PP樹脂やスチールなど |
支柱分離型は可 |
〇 |
△ |
◎ |
溝構法 |
高強度軽量コンクリート |
基本的に不可 |
◎ |
◎ |
〇 |
メリット
次にフリーアクセスフロアを導入することによって得られるメリットについて解説します。フリーアクセスフロア全般に共通する内容としては以下の通りです。
- ・配線の変更や追加が容易になるため、オフィスレイアウトも自由に変更できる
- ・配線や通信機器が露出しないため、スペースを有効活用できる
- ・配線によるつまずきや、断線によるデータ破損のリスクを抑えられる
- ・配線が見えないため、オフィス内の美観が向上する
- ・配線が収納されているため床上の清掃が楽になる
種類
フリーアクセスフロアには構法以外にも複数の種類に分けられます。
導入時に注目したいのは耐荷重と用途の2つです。
耐荷重別
フリーアクセスフロアには1㎡当たりの耐荷重が設定されています。フロア上に設置する機器の重量に合わせて正しく選ぶことが必要です。
耐荷重の表示は一般的に3000N(約200〜300kg)や4000N(約300〜400kg)などと記載されます。
安全に使用するためには、機器を設置する際の衝撃や地震発生時の加速度も考慮することがポイントです。
想定する荷重の1.5倍程度を目安として選択しましょう。
用途別
フリーアクセスフロアは用途別で選択することも可能です。オフィス向け・サーバールーム向け・クリーンフロア向けなど、さまざまな用途に対しての製品が用意されています。
OAフロアとの違い
フリーアクセスフロアとほとんど同じ意味で使われているのがOAフロアです。
実際の性能や備えている機能についても大きな違いはありませんが、オフィス向けに用意されているフリーアクセスフロアの製品をOAフロアといいます。
メーカーによってはフリーアクセスフロアの呼び方をOAフロアの名称で統一している場合もあります。
庁舎とフリーアクセスフロアの親和性
冒頭で述べたとおり、庁舎に求められる機能とフリーアクセスフロアには高い親和性があります。
ポイントは以下のとおりです。
- ・OA機器の移動・増設のしやすさ
- ・将来的なICT技術への対応
- ・ユニバーサルデザインの実現
OA機器の移動・増設のしやすさ
新たな庁舎を建設する際に必要とされるのが機能的な執務空間です。
業務の効率化や住民の利便性に配慮すると、高い柔軟性や効率的なゾーニングを行える機能が求められます。
OA機器の移動・増設のしやすさはフリーアクセスフロアが持つメリットのひとつです。
導入することでこれらの問題を解決しつつ、快適性や安全性まで確保できます。
将来的なICT技術への対応
DXが進むなかで新庁舎の建築方針にICT(情報通信技術)の整備を組み込む事例がみられます。
しかしながらIT技術の発展は凄まじく、将来的なICT技術への対応ができなければ変化していくニーズに応えることはできません。
この点においてもフリーアクセスフロアの導入メリットがマッチしているといえるでしょう。
ユニバーサルデザインの実現
ユニバーサルデザインとは年齢や性別といった個人の違いにかかわらず、できるだけ多数の人が利用できるよう考えられた設計のことです。
国土交通省では少子高齢化社会の到来に合わせて、庁舎に対してもユニバーサルデザインに即した施設の整備を進めることとしています。
フリーアクセスフロアはオフィスのユニバーサルデザイン化を実現する方法のひとつです。配線が隠れるためデスク間の移動がしやすくなり、安心安全な環境の構築に貢献します。
まとめ
庁舎へのフリーアクセスフロア導入事例がみられるのは、求められる機能に対して高い親和性を持つからです。
オフィスレイアウトの柔軟性や将来への対応力、安心安全なユニバーサルデザインの実現など、フリーアクセスフロアを導入することで得られるメリットは複数あります。
庁舎へのフリーアクセスフロア導入は、前向きに検討する価値のある事例といえるでしょう。