LGWAN-ASPとは何?活用方法やメリット・デメリットについても解説!
※この記事は製品や技術にまつわるお役立ち情報=豆知識を意図しておりますことから、弊社製品以外の製品や市場一般に関する内容を含んでいることがあります
LGWANを通じて行政サービスを提供するLGWAN-ASPには、さまざまな種類があります。
しかし、どんなサービスがあるのか知らない方も多いでしょう。
そこで本記事では、LGWAN-ASPの活用方法やメリット、デメリットをご紹介します。
LGWAN-ASPについてお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
LGWAN-ASPとは
ここでは、LGWAN-ASPについて解説します。
LGWANとは
LGWANとは総合行政ネットワークの略称で、地方公共団体の組織内ネットワークを相互に接続するネットワークです。
高度なセキュリティを維持しつつ、地方公共団体間の通信や政府機関との通信を行い、地方公共団体相互のコミュニケーション円滑化、情報共有による情報の高度利用を図っています。
LGWAN-ASPとは
LGWAN-ASPとは、LGWANを通じて府省や地方公共団体、公益法人などに各種行政サービスを提供する事業者やサービスのことです。
地方公共団体が個別でシステムの開発や回線の整備をする必要がなく、高度なセキュリティを保ちながら行政サービスを共同利用できます。
LGWAN-ASPの目的
LGWAN-ASPの目的は2つあります。
1つ目の目的は、地方公共団体のIT化の促進及び地方公共団体間のIT格差の軽減です。
品質やサービスレベルの高いアプリケーションを共同利用することで、IT化が進み、格差が軽減されることが期待されます。
2つ目の目的はシステムの維持や運用費の削減です。
LGWAN-ASPを使用することで、地方公共団体が個別で回線を引く必要がなくなり、情報システムの重複投資を抑えることができます。
これにより、システムの維持費や運用費を削減することが期待されます。
LGWAN-ASPの構成
LGWAN-ASPは、以下の5つで構成されています。
- ・コンテンツサービス
- ・ホスティングサービス
- ・ファシリティサービス
- ・通信サービス
- ・基盤アプリケーションサービス
コンテンツサービスとは、地方公共団体が直接利用するサービスです。
電子申請や届出、電子入札などのコンテンツを提供します。
ホスティングサービスは、アプリケーションのサーバー機器や通信機器の提供、運用管理を行っており、アプリケーションの稼働に欠かせません。
ファシリティサービスは、ホスティングサービスを構成するためのスペースや空調及び電源などの設備を提供しています。
通信サービスとは、ホスティングの構成機器をLGWANに接続するための専用回線を提供するサービスです。
基盤アプリケーションサービスは、IPアドレス、ドメイン名管理、基本プロトコル群及びアプリケーション基盤を提供しています。
LGWAN-ASPを利用するメリット・デメリット
ここでは、LGWAN-ASPを利用するメリット・デメリットについて解説します。
LGWAN-ASPを利用するメリット
庁内情報基盤管理者側とサービス提供者側に分けてメリットを解説します。
庁内情報基盤管理者側のメリット
以前までは、自治体自身がシステムを構築し、保守運用していたため、手間と時間がかかっていました。
そこでLGWANを導入することにより、情報交換や共有がスムーズにできるようになり、行政事務の効率化に繋がりました。
また、システムの構築や運用のために多くの人員を抱えたり、新たに回線を引いたり、端末を設置したりする必要がないため、費用も削減することができます。
サービス提供者側のメリット
LGWAN-ASPは、インターネットの回線とは異なる閉域回線であるため、高度なセキュリティ対策が施されています。
個人情報などを取り扱う行政サービスを提供するには、情報漏洩などのリスクが抑えられるのは大きなメリットといえるでしょう。
また、接続環境を共有すれば、容易にサービスの拡充や追加ができる点もメリットの一つです。
LGWAN-ASPを利用するデメリット
LGWAN-ASPは、行政専用の閉域回線であるため、一般のインターネット経由ではアクセスできません。
LGWAN-ASPを利用するには、庁内の専用デバイスからしか接続できないため、出張先やリモートワークでは利用できません。
また、LGWANに接続する端末とパブリッククラウドに接続する端末が異なる場合は、システムに応じて端末を変えなければならないため、オンラインでのコミュニケーションに時間がかかることも考えられます。
セキュリティを強固にすることは大事ですが、業務上の利便性に欠けている点ではデメリットといえます。
LGWAN-ASPを活用する際の注意点
LGWANは、ネットワークのセキュリティを高めるために三層分離モデルが採用されていますが、モデルの種類によってLGWAN-ASPの利用形態が変わるため注意が必要です。
以下では、LGWAN-ASPの活用方法について事例を挙げてご紹介いたします。
LGWAN-ASPの活用事例
LGWAN-ASPはさまざまなところで活用されていますが、ここでは活用事例を3つご紹介します。
施設利用サービス
自治体の各施設の窓口では、多くの場合利用者が紙の申請書を提出しなければなりません。
紙媒体による手続きは、職員にとっても住民にとっても手間と時間がかかります。
しかし、スマートフォンを使って二次元コードを読み取り、施設利用の手続きが行えれば、利用者登録や申請をネット上で行えるため、内部事務処理の負担や人員の削減、サービス利用者の窓口での待ち時間削減に繋がります。
公的機関の支払い管理システム
口座振替やコンビニ収納などに対応している支払い管理システムは、催促や勧告の管理も可能です。
公的機関の働き手から催促や勧告をする機会が減り、事務負担を軽減できるでしょう。
情報発信プラットフォーム
入力したデータは他のサイトやシステム、媒体と共有もできるため、さまざまなライフシーンに合わせて地域の住民に必要な情報を伝達できます。
たとえば、マイナンバーを用いて年金情報や生活保護などの情報連携も可能です。
まとめ
LGWAN-ASPは地方公共団体間のIT格差の削減やIT化の促進、コストの削減を期待できます。
また、大事な情報を取り扱う行政のセキュリティが守られることやサービスの拡充、追加が容易にできるようになるなど、サービス提供者側にもメリットがあるのが魅力です。
ただし、高度なセキュリティを維持するために庁内でしか利用できず、リモート作業が行えなくなってしまうほか、オンラインでのコミュニケーションに時間がかかることがあるなどのデメリットもあります。
メリットとデメリットをきちんと理解したうえで活用しましょう。