電気通信工事って資格が必要なの?電気工事との違いも解説
※この記事は製品や技術にまつわるお役立ち情報=豆知識を意図しておりますことから、弊社製品以外の製品や市場一般に関する内容を含んでいることがあります
電気通信工事とは、比較的弱い電力を扱う工事を指します。
しかし、電気通信工事とは何か、電気工事との違いが分からない方も多いでしょう。
本記事では、電気通信工事の種類や、資格が必要かどうかを解説していきます。
電気通信工事について詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
電気通信工事って何?
まずは、電気通信工事の概要や電気工事との違い、工事の種類を解説していきます。
電気通信工事とは
電気通信工事とは、テレビやインターネット、防犯カメラなど、施設内で情報を伝達するための設備全般の設置や、設置に伴う電気工事を総称した呼び方です。
情報通信設備に関する工事で、扱う電力が比較的弱いのが特徴になります。
日常生活やビジネスに欠かせない機器を扱う電気通信工事は、社会インフラを支える重要な仕事です。
電気工事との違い
電気通信工事と電気工事との違いは、以下のとおりです。
|
電気通信工事 |
電気工事 |
扱う電力 |
比較的小さい |
大きい |
工事の目的 |
情報の伝達 |
電力の供給と制御 |
工事対象 |
情報通信設備 (インターネットやテレビなど) |
電力供給設備 (発電所や変電所など) |
安全管理の難易度 |
比較的低い |
高い |
電気通信工事は比較的電力の小さい工事ですが、電気工事では大きい電力を扱います。
また、工事の目的も異なるため、求められる資格や技術も変わります。
電気通信工事の種類
電気通信工事の種類は多岐にわたりますが、ここでは代表的な4つを紹介していきます。
LAN工事
LAN工事とは、特定のエリア内でネットワークを構築するための工事です。
サーバーやルーター、ハブなど、さまざまなネットワーク機器の設置や、それに伴う配線を行います。
近年では、より高速かつ安定したネットワーク環境が求められているため、LAN工事の重要性が増加している傾向があります。
電話工事
電話工事とは、オフィスや家庭に固定電話などの通信設備を設置・整備する工事で、大きく分けて屋外配線工事と屋内配線工事の2つがあります。
屋外配線工事は、電柱からオフィスや住宅などの建物内へ電話線を引き込む工事で、高所作業車を利用します。
屋内配線工事は、屋外から引き込まれた電話線を電話機まで配線する作業や、電話機の修理、保守作業などを行います。
特に企業向けの場合は、複雑な内線システムの構築やIP電話への対応など、高度な技術を要することがほとんどです。
放送設備工事
放送設備工事とは、主に情報を伝達するための放送機器を設置して、正常に利用できるようにする工事です。
スピーカーやマイクなどの設置や点検、ケーブルの配線などを行います。
放送設備は大きく分けて、一般業務放送設備と非常放送設備の2つです。
一般業務放送設備は、日常業務に関連したアナウンスをする設備で、工場や商業施設などで使用されます。
一方の非常放送設備は、地震や火災などの非常事態が発生した際に、安全を確保するための避難誘導を目的とした設備です。
日常業務の効率化と、緊急時の安全対策を支える重要な工事です。
弱電設備工事
弱電設備工事とは、60V以下の比較的小さい電力で動作する、情報や信号を伝達する設備の環境を整える工事です。
インターフォンや火災報知器などの弱電設備の設置や、各種ケーブルの配線、設備の修理などを行います。
集合住宅や商業施設などのさまざまな場所で利用される電気を扱い、利便性を向上させたり施設内の安全を守ったりする役割を果たしています。
電気通信工事に必要な資格
電気通信工事のほとんどは国家資格が求められるため、無資格で工事してトラブルが発生した場合は、罰則を受ける可能性があります。
ここでは、電気通信工事に必要な資格と、無資格で工事する危険性を解説していきます。
電気通信工事に必要な資格
電気通信工事に必要な資格は、主に以下の3つです。
- ・工事担任者
- ・電気通信主任技術者
- ・電気通信工事施工管理技士
いずれも国家資格ですが、行える作業や難易度が異なります。
それぞれの資格について解説していきます。
工事担任者
工事担任者は電気通信工事の基本となる資格で、電話回線や光回線などの配線工事、設置工事を行うことができます。
工事担任者の資格は、以下の5つのタイプに分かれています。
- ・第一級アナログ通信
- ・第二級アナログ通信
- ・第一級デジタル通信
- ・第二級デジタル通信
- ・総合通信
それぞれで試験の難易度が違い、携われる作業も異なります。
電気通信主任技術者
電気通信主任技術者は、通信環境の維持や運用、監督を行うことができ、監督責任者として活躍できる資格です。
「線路主任技術者」と「伝送交換主任技術者」の2種類があり、それぞれ異なる分野の通信設備を管理します。
線路主任技術者は線路設備工事や維持、運用ができ、伝送交換主任技術者は伝送交換設備などの工事や維持、運用が可能です。
電気通信工事施工管理技士
電気通信工事施工管理技士は、電気通信工事の計画の作成や、現場での各種管理を担当できる資格です。
電気通信工事施工技士の資格は1級と2級に分かれており、以下の点が異なります。
- ・1級:特定建設業と一般建設業の担当が可能
- ・2級:一般建設業のみ担当が可能
1級のほうが、より規模の大きな工事の管理や計画が可能となります。
無資格で電気通信工事を行うとどうなる?
無資格で電気通信工事を行うと、漏電や感電を引き起こす可能性があり大変危険です。
最悪の場合は火災にもつながる可能性があるため、知識や技術が不足している方が対応するのはやめましょう。
なお、ソケットやローゼットの交換工事、ブレーカーの工事(600V以下)など、軽微な建設工事は資格がなくとも可能です。
中規模以上の電気通信工事は、トラブルを回避するためにも無資格者が行うのは控えてください。
電気通信工事業者を選ぶポイント
ここでは、電気通信工事業者を選ぶポイントについて解説していきます。
相見積もりをとる
業者を選ぶ際には、相見積もりをとることが大切です。
なお、相見積もりは3社以上候補を挙げておくのがおすすめです。
相見積もりをとると適正な金額を把握しやすく、業者ごとのサービスの特徴も理解できるため、自身のニーズに合った業者を選べるでしょう。
デメリットもチェックする
業者を選定する際は、メリットだけでなくデメリットにも目を向けることが重要です。
例えば、工事費用が高くてもアフターサービスが充実している業者であれば、安心感を得られます。
一方で、デメリットがないとうたう業者には注意が必要です。
デメリットをあえて伝えていないか、あるいは重要な情報を見落としていないかを確認しましょう。
まとめ
電気通信工事には、LAN工事や電話工事など、さまざまな種類が存在します。
一部の軽微な作業を除き、電気通信工事には資格が必要とされているため、専門の業者に依頼することが大切です。
複数の業者から見積もりをとり、価格やサービスを比較してから業者を選びましょう。