窓の隙間からLANケーブルを屋外へ配線する方法
※この記事は製品や技術にまつわるお役立ち情報=豆知識を意図しておりますことから、弊社製品以外の製品や市場一般に関する内容を含んでいることがあります
LANケーブルを屋外へ引き出す場合、通常は壁に穴を開けなければなりません。しかし、道具や技術が必要なため難しい作業です。
安全に工事を行うためには業者に依頼するという選択肢があります。しかし、費用がかかるため、躊躇する方もいるでしょう。
そこで今回は、それほど費用をかけずに、かつ簡単にLANケーブルを屋外へ引き出す方法をご紹介します。注意点も解説するため、ぜひ参考にしてください。
隙間用のLANケーブルを使用する
窓の隙間からLANケーブルを配線するときには、隙間用のLANケーブルを活用しましょう。隙間用LANケーブルとは、厚さが数ミリ程度しかない薄型のLANケーブルです。一般的なサッシの隙間を通すことができるため、外へとLANケーブルを引き出せます。
隙間用のLANケーブルを外へ引き出したら、屋外用のケーブルと接続します。屋外用のケーブルは、日光や雨などに耐えられる耐久性に優れた製品を選びましょう。
配線方法
まずは、隙間用LANケーブルをサッシの溝に合わせて折り曲げます。溝に合わないと、窓を開閉したときにぶつかって断線する恐れがあるため注意してください。また、風で動く可能性もあるため、しっかりと固定することが大切です。
可能であれば、ねじを使って固定する方法をおすすめします。ねじが使えない構造であれば、両面テープなどを活用しましょう。
つぎに、屋外用LANケーブルと接続します。接続用の中継コネクタに雨水が付着すると、接続状態に影響を与える可能性があるため、あらかじめ防水テープなどを使って保護することが必要です。テープを巻くときには、ケーブルが抜けないように注意してください。
屋外配線に役立つアイテム
・両面テープ
隙間用LANケーブルをサッシの溝に固定するには、両面テープが必須です。窓の開閉や雨風から影響を受けないために、なるべく粘着力が強力な両面テープを選びましょう。
・防水のビニールテープ
隙間用LANケーブルを屋外用LANケーブルに繋ぐ際、一般的には中継コネクタを使用します。中継コネクタを雨水から守るためには、防水対策用のビニールテープが必要です。
・ステップル(U字くぎ)
LANケーブルを屋外に設置するとき、置くだけでは風の影響を受けます。強風によって動くと摩擦が発生して劣化するかもしれません。そのため、ステップルなどを利用して固定することが大切です。
・結束バンド
場所によってはステップルが使えないところもあるでしょう。その場合、結束バンドの活用をおすすめします。結束バンドを使用すれば、LANケーブルをベランダの柵や排水管などに固定が可能です。
・ケーブル用プロテクタ
LANケーブルを地面に沿わせる場合は、ケーブル用プロテクタを使いましょう。ケーブルを覆うことで、外部から力が加わることによる断線リスクを減らせます。
隙間用LANケーブルの注意点
隙間用LANケーブルを使う場合、いくつかのポイントに注意する必要があります。通信速度や断線といったトラブルに繋がる可能性があるため、デメリットも理解した上で利用しましょう。
また、信頼できるメーカーのケーブルを選ぶことも大切です。
通常の有線通信と比べ通信速度が遅くなる場合がある
隙間用LANケーブルは、通常のLANケーブルと比べて通信速度が劣るといわれています。その理由としては、ノイズによる影響が挙げられます。
通常のLANケーブルは、ノイズに対処するための加工が施されていますが、薄い隙間用の場合は加工されていない製品もあるため注意しましょう。加工されていない場合、ノイズによって通信速度に影響を与える可能性があります。
一度折り曲げるとやり直しができない
隙間用LANケーブルを折り曲げた場合、基本的にやり直しは難しいです。特に、金属箔でできた隙間用LANケーブルは伸ばすことができません。
よって、配線を失敗しないように十分に注意する必要があります。
断線する可能性が高い
窓の隙間に通す隙間用LANケーブルは、窓の開閉によって少なからずダメージを受ける可能性があります。ダメージが蓄積すると、断線に繋がるかもしれません。
また、製品によっては折り曲げることで断線することもあります。折り曲げた直後は影響が出なくても、後から断線する可能性は否定できません。そのため、できるだけ耐久性に優れた隙間用LANケーブルを選びましょう。
断線した場合に備えて、余分にケーブルを用意しておくこともよいでしょう。特に、初めて配線作業を行う場合は予備があると安心です。
まとめ
LANケーブルを屋外に配線したい場合は、便利な隙間用LANケーブルを使いましょう。サッシの隙間に通すことで配線できるため、壁に穴をあける必要はありません。また、特別な工具なども必要ないため、誰でも作業できるでしょう。
ただし、きちんと固定する、雨風による影響を予防するといった工夫は大切です。ビニールテープや結束バンド、プロテクタなどを利用して、断線といったトラブルを防いでください。また、薄型のケーブルは繊細なため、取り扱いには注意しましょう。