屋外用LANケーブルとは?家の外に配線するときの注意点
※この記事は製品や技術にまつわるお役立ち情報=豆知識を意図しておりますことから、弊社製品以外の製品や市場一般に関する内容を含んでいることがあります
インターネットに接続するために必要なLANケーブルは、屋内だけではなく屋外にも配線できます。屋外に配線する場合には、屋内の配線よりも注意する点が多いです。例えば、無線LANルーターからの距離やルーターのスペックにより、通信環境が悪い場合有線LAN接続を検討する必要があります。また、1階から2階、端と端の部屋など、間取りにも気を使わなければなりません。
そこで今回は、屋外用LANケーブルとは何か、家の外に配線する際の注意点をご紹介します。
無線LAN通信に支障があれば有線LANを活用
設置に手間がかからない無線LANが広がりを見せていますが、屋外でも快適なインターネット環境を作るには、有線LANの利用がおすすめです。
近年のリモートワーク普及によって、場所を選ばずに仕事ができるようになってきています。そのため、気分転換に家のベランダや庭で仕事をする方もいるでしょう。
そのような方の中で、無線LANを利用していてインターネット接続に不満がある方は、通信環境が安定しやすい有線LANの活用を検討してみてください。
屋外を経由する場合のLANケーブルの選び方
屋外を経由して配線する場合は、屋外用LANケーブルの使用を検討しましょう。屋外用LANケーブルとは、ケーブル構造が二重被膜構造になっているLANケーブルのことです。被膜の耐候性により、雨風にも強く劣化しにくいため、屋外の使用に適しています。
屋外に屋外用LANケーブルを配線する場合は、少しでも雨風に耐えられるよう壁に沿って固定してください。
屋外配線で知っておく注意点
LANケーブルを屋外配線する際の注意点は、次のとおりです。
高い耐候性のある屋外用LANケーブルを使用していても、屋外環境により早く劣化してしまいます。そのため、断線や接続不良などが起きやすいという点には注意が必要です。劣化の進行を防ぐためには、電線保護材を使用することも検討しましょう。数日程度の配線であれば必要ありませんが、数ヶ月、数年程度の使用を想定している場合は、紫外線や雨水を防ぐ工夫が必要です。他にも、人や車が踏まないような経路を確保するだけではなく、ネズミや鳥など動物による衝撃対策も必要です。さらに、2階に向けて配線する場合は、ケーブルの自重で断線しないように支線ワイヤーを使いましょう。
人が歩く場所、自転車や車が通過する場所にLANケーブルを配線しなければならない場合は、ケーブル用のプロテクタを使用してください。ケーブル用のプロテクタとは、屋外用モールのことで、クッション性の高いゴムやビニールでできており、踏んでもLANケーブルが保護されます。ただし、ケーブルを固定する際はつまずかないように固定する必要があります。
また、屋外用の防水テープで接続部を保護することも必要です。屋外では特に雨水が原因で劣化することが多いです。そのため、中継コネクタには防水テープを巻き付け、雨水がコネクタに入らないように工夫してください。
LANケーブルの屋外配線方法
ここからは、屋外にLANケーブルを配線する方法をご紹介します。
有線LANを使用する場合は、配線の距離に注意が必要です。HUBを経由せずにLANケーブルだけで配線する場合、100mを越えると通信できない可能性があります。上下や真横など、離れすぎていない場所を可能な限り最短距離で結ぶように意識して配線しましょう。
壁の穴を利用する
LANケーブルを屋外に配線する方法の一つとして、壁の穴を利用する方法があります。壁の穴とは、エアコンや通気口です。ただし、壁に穴をあけてしまうと、壁内に敷設済みの電気など配線を傷づける可能性があるほか、あけた穴から雨漏りする可能性もあります。特にエアコンの配管穴を利用する場合は配線後のパテ埋めに注意し、雨漏りを防ぐ必要があります。
なお、壁に穴をあけて配線する場合は、自分で穴をあけずに業者に依頼してください。自分で穴をあけると、壁から雨漏りする確率が高まります。
窓やドアの隙間を利用する
壁に穴をあけて配線する方法以外に、窓やドアの隙間を利用する方法もあります。窓やドアの隙間を利用すると、穴をあけるなどの工事が必要なく、個人で簡単に屋外配線ができます。
この方法で屋外配線する場合は、薄型の隙間用ケーブルを使用してください。大型のケーブルは隙間に通らない恐れがあります。
また、家の中で有線接続する場合も使用できる方法のため、覚えておきましょう。
不安があるなら業者に頼む
屋外配線はさまざまな点に注意をして配線しなければなりません。窓やドアの隙間を利用して配線できれば、工事も必要なく比較的簡単に配線できます。しかし、隙間を利用できず壁に穴をあけなければならない場合は、無理に自分で穴をあけようとせず、工務店や電気店へ修理を依頼しましょう。