LANケーブルの規格一覧をご紹介!国際規格IEEE 803.2も知っておこう
※この記事は製品や技術にまつわるお役立ち情報=豆知識を意図しておりますことから、弊社製品以外の製品や市場一般に関する内容を含んでいることがあります
無線LANが普及したことで、LANケーブルをパソコンに接続して使用する機会は少なくなってしまったかもしれません。
しかし、仕事で使用したり、動画やゲームなどのように高速な通信を必要としたりする場面では、LANケーブルが必要になるでしょう。
ここでは、LANケーブルの性能を示すカテゴリと、Catの根拠になっている国際規格について紹介していきます。
目次
LANケーブルの規格一覧
LANケーブルには、「CAT.5」や「CAT.6A」のような文字が表示されています。
これらはLANケーブルの「Cat(カテゴリ)」と呼ばれており、Catによって性能が変わります。
LANケーブルにはどのようなCatがあり、それらのCatに対応する国際規格とは何なのか、見ていきましょう。
LANケーブルの規格とカテゴリ
LANケーブルに「CAT5」や「CAT6A」のような文字ではなく、「100BASE-TX」や「10GBASE-T」のような文字が表示されているものもあります。
これらは「プロトコル名称」と呼ばれ、Catと同様にLANケーブルの性能を表すものです。
カテゴリとプロトコル名称は、次の一覧のように対応しています。
Cat(カテゴリ) |
プロトコル名称 |
---|---|
CAT5 |
100BASE-TX、1000BASE-T |
CAT5e |
2.5GBASE-T |
CAT6 |
5GBASE-T |
CAT6A |
10GBASE-T |
CAT7 |
10GBASE-T |
CAT8 |
25GBASE-T、40GBASE-T |
Cat(カテゴリ)の確認方法
CatはLANケーブル本体、あるいはパッケージなどに記載されています。
また、確認するべきなのはLANケーブルのCatだけではなく、接続予定のPCなどがどの速度に対応しているのかといったことを確認することも重要です。
なぜならCAT8のケーブルを用意したとしても、接続先の機器がCAT6までしか対応していなければ、CAT6としての速度になってしまうためです。
どのCat(カテゴリ)のLANケーブルを選べばよいのか
接続するネットワークの通信速度や、使用の目的に合ったLANケーブルを選択しましょう。
しかし、高性能な機器を使っていて少しでも速度を上げたいというような状況でもなければ、一般的な用途ではCAT6程度で充分とされています。
IEEE 802.3とは
ここまで、LANケーブルを選ぶ際の示すキーワードとして、「Cat(カテゴリ)」と「プロトコル名称」を紹介しましたが、これらの仕様を規定しているのがIEEE 802.3です。
IEEEは、Institute of Electrical and Electronics Engineers(米国電気電子学会)の略で、アメリカ合衆国に本部を置く電気・情報工学分野の学術研究団体、技術標準化機関です。
「米国」とありますが、IEEEが決めた規格で事実上の世界標準になっているものがいくつかあり、有線LANの規格であるIEEE 802.3もその一つです。
IEEE 802.3では何を決めているのか
IEEE 802.3では、有線LANの物理層とデータリンク層についての規格を決めています。
物理層では、データの伝送方式や媒体などを規定しています。
伝送方式には、電気信号を直接流すベースバンド方式と、アナログ信号に乗せて流すブロードバンド方式がありますが、現在ではブロードバンド方式が使われることはほとんどありません。
信号を流す媒体にはケーブルやレーザーがあります。事務所や家庭などで使用する有線LANでは銅線をより合わせたツイストペアケーブルが使われます。
IEEE 802.3とCat(カテゴリ)の関係
IEEE 802.3は有線LANを使ったデータ通信の全体を決めているもので、LANケーブルはデータ通信の要素のひとつです。
前述したCatは、IEEEとは別の団体であるEIA(米国電子工業会)で規格化されており、IEEE 803.2で決められたそれぞれの通信規格に対応して、LANケーブル用のCatが決められています。
またカテゴリは「Cat1」からありますが、有線LANでは「Cat3」以上が使用されています。
LANケーブル購入時に押さえておきたいポイント
LANケーブルには上記のような規格がありますが、実際に購入する際には規格以外にも気を付けなければいけないポイントがあります。
重要なのはケーブルの長さ
重要なのはLANケーブルの長さです。
LANケーブルを配線する際には、部屋の角に沿って配線したり、家具の裏を通したりすることがあります。
実際に配線する経路をしっかりと測って、少し余裕を持った長さのLANケーブルを用意しましょう。
LANケーブルの素材にも気を付けよう
LANケーブルを配線する場所によっては、ケーブルの素材にも気を付けた方がよい場合があります。
持ち運びすることを想定した巻き取りできるものや、屋外用を想定した耐水性のあるものなど、素材によって使用できる場所は大きく異なるのです。
「単線」「ヨリ線」の違いにも注意しよう
LANケーブルには、芯になる銅線の構造によって「単線」と「ヨリ線」があります。
長いケーブルなら1本の芯が太い単線が適しており、狭い場所に配線するなら芯が細い分柔らかいヨリ線が適しているなど、配線する状況や、使用の目的によってどちらが適しているか異なっているのです。
まとめ
LANケーブルにはさまざまな性能を持ったものがあります。
使用の目的や、使用する場所などによって最適な仕様は変わりますが、通信の性能を確保するために重要なのは規格です。
第一には通信速度に合ったカテゴリを選択しますが、使用の目的や必要とされる条件によってCatだけでは決められない場合もあります。
LANケーブルにはさまざまな規格があることを把握した上で、最適なLANケーブルを購入しましょう。