どの電線保護チューブを選ぶのが正解?目的別の選び方について解説!
※この記事は製品や技術にまつわるお役立ち情報=豆知識を意図しておりますことから、弊社製品以外の製品や市場一般に関する内容を含んでいることがあります
産業機械などの電気配線は、むき出しのままだと破損や水に濡れてしまう恐れがあります。
そういったことがないようにケーブルを保護するのが、電線保護チューブです。
電線以外の保護にも使えますし、複数のケーブルをまとめて配線をすっきりさせるために使うこともできます。
ここでは、目的に合わせた電線保護チューブの選び方をご紹介します。
目次
電線保護チューブの種類
ここでは、電線保護チューブの種類を紹介します。
スパイラルチューブ
スパイラルチューブは、英語で「らせん」の意味を持つ「スパイラル」のとおりに、プラスチックやナイロンなどの柔らかい素材で、らせん状に巻かれたチューブです。
複数のケーブルをまとめて巻くことができますが、途中から1本だけケーブルの外に出すこともできます。
コルゲートチューブ
コルゲートチューブの「コルゲート」は「波形をつける」「しわを寄せる」という意味で、表面が波状になっているチューブです。
波状になっているため曲げやすく、狭い場所への設置の際に便利なチューブです。
熱収縮チューブ
熱収縮チューブは、熱を加えることで収縮し、ケーブルとチューブをぴったりと密着させることができるチューブです。
その他の電線保護チューブ
電線保護チューブには、専用の取り付け工具が必要なものや、伸縮性のある繊維を編みこんだネットチューブなどもあります。
目的別のおすすめ電線保護チューブは
次に、目的別におすすめの電線保護チューブを紹介していきます。
とにかくまとまればいい場合
電線やケーブルをまとめることができるだけでいい場合には、価格帯も手頃で付け外しも簡単なスパイラルチューブがおすすめです。
電線やケーブルを乱雑に放置したままにしておくと、踏んでしまったり、重いものを上に乗せてしまったりといったことが起こる恐れがあります。
そういった事故を防ぐためにも、電線やケーブルは乱雑なまま放置しておくのではなく、電線保護チューブでまとめておくのがおすすめです。
ケーブルが何本もある場合も、お互いに絡み合ってしまうようなことがないように、ケーブルをまとめておきましょう。
ケーブルの接続先が移動する場合
接続先が移動すると必要なケーブルの長さも変わってきますが、ケーブルの長さが変わるたびに新たな電線保護チューブを用意するのは大変です。
そのため、電線やケーブルを接続したものが頻繁に移動するなど、あらかじめ移動が多いとわかっている場合には、チューブを外してもう一度巻き直すことができるスパイラルチューブがおすすめです。
レイアウト変更で移動になる場合など、接続先の機器を移動させる場合などで役立つでしょう。
絶縁する必要がある場合
電線の危険性を抑える場合など、絶縁性が求められる場合は、絶縁性の高いポリプロピレン製のコルゲートチューブなどがおすすめです。
絶縁性能を左右するのはチューブの種類よりもチューブの素材であり、絶縁性を重視するならポリプロピレン製やナイロン製の保護チューブを選ぶようにしましょう。
屋外に配線する場合
屋外に配線されることが前提の場合は、耐候性が高く、劣化しにくいナイロン製のコルゲートチューブなどがおすすめです。
屋外に配線された電線やケーブルを保護する場合、雨や直射日光などへの耐性が高いナイロン製のチューブが適しています。
またスパイラルチューブとコルゲートチューブなら、コルゲートチューブの方が雨水などの侵入を防ぐのに適した構造となっています。
途中にコネクタなどがあって太さが変わる場合
途中にコネクタがあってそこだけ太さが変わるという場合は、ある程度まで太さの変化にも対応可能なスパイラルチューブや、柔軟性の高いネットチューブなどがおすすめです。
ケーブルの途中にコネクタなどがある場合、コルゲートチューブなどの伸縮性の高くない保護チューブを使っていると、コネクタなどの太さが異なる箇所だけチューブに負担がかかってしまったり、そもそもチューブに収まらなかったりする恐れがあります。
車の配線を保護する場合
ショートを起こさないように車の配線を保護したい場合は、耐熱性や耐候性の高いコルゲートチューブや、絶縁性が高いだけではなく電線やケーブルを結束させるのにも便利な熱収縮チューブなどがおすすめです。
車のボディに電気が流れないように、しっかりと保護しましょう。
まとめ
一口に電線保護チューブと言っても、チューブの形状や材質、用途などによってその種類は非常に多種多様です。
電線やケーブルを損傷などから守るのが電線保護チューブの目的であるため、チューブの形状や材質を考え、電線やケーブルを保護するのに最適なチューブを選びましょう。