光ファイバコネクタって何?タイプ別の特徴や使用用途を解説!
※この記事は製品や技術にまつわるお役立ち情報=豆知識を意図しておりますことから、弊社製品以外の製品や市場一般に関する内容を含んでいることがあります
光ファイバコネクタとは、接続や切断時に必要となる光ファイバケーブルを結合する部品です。
光ファイバコネクタの種類は豊富であるため、特徴を把握して使用する環境や用途に合わせる必要があります。
そこで本記事では、光ファイバコネクタの概要や特徴、使用用途などをご紹介していきます。
光ファイバコネクタについてお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
光ファイバコネクタとは
ここでは、光ファイバコネクタの概要や種類について解説していきます。
光ファイバコネクタとは
光ファイバコネクタとは、接続や切断機能が必要な光ファイバケーブルを結合するために使用するものです。
光ファイバコネクタはさまざまな用途で使用され、光ファイバケーブルの設置と保守を容易にします。
光ファイバコネクタの構成
光ファイバコネクタは、光ファイバ同士を接続するための部品で、主に3つの要素から構成されています。
・フェルール
フェルールは、ファイバを固定する役割を果たしています。一般的に、金属やガラス、ジルコニアセラミクス、プラスチックなどの材料で構成されます。
・コネクタ本体
フェルールを保持し、ファイバやケーブル被覆をつなぐ働きをしています。主に、プラスチックや金属などで構成されます。
・かん合機構
コネクタ本体とデバイス間の機械的な接続を提供しており、スクリューやバヨネット、プッシュプル、ラッチなどで構成されます。
他にも、1本のケーブルの両端に1つずつコネクタが付属されているシンプレックスや、両端に二つずつコネクタを付属されているデュプレックスといった構成などもあります。このように、さまざまな要素が組み合わさって多様な構成のコネクタが構成されているのです。
光ファイバコネクタの種類
光ファイバコネクタには、複数の種類があります。
光ファイバコネクタの種類について、以下の表にまとめました。
心数 |
規格 |
特徴 |
単心 |
JIS C 5973(F04) IEC 61754-4 IEC 60874-14(APC) |
・もっともメジャーな光ファイバコネクタ ・LANの世界標準コネクタ ・プッシュプル方式で容易に着脱可能 |
単心 |
JIS C 5970(F01) IEC 61754-13 |
・ネジ締め方式 |
単心 |
IEC 60874-10 |
・バヨネット締結型の光ファイバコネクタ ・きちんと固定したい場合におすすめ ・FCよりも容易に着脱可能 |
光ファイバコネクタのタイプ
ここでは、光ファイバコネクタのタイプの特徴や使用用途などについて解説していきます。
LCコネクタ
LCコネクタは、光ファイバケーブルのコネクタ規格の一つで、シングルモードLCコネクタとマルチモードLCコネクタの2種類があります。
ハウジング素材はプラスチックで、容易に抜き差しできるプッシュプル方式です。
主に構内配線や交換機、LAN(ローカルエリアネットワーク)、データセンターなどで使用されます。
SCコネクタ
SCコネクタは1986年に実用化され、現在ではもっとも一般的な光ファイバコネクタとなっています。
手軽に抜き差しができるプッシュプル方式で、ハウジング素材はプラスチック製です。
直径2.5mmのセラミックスフェルールを使用し、フェルール端面はPC研磨され、低反射減衰量で低接続損失の安定した接続が実現しました。
また、高い信頼性と堅ろう性、低コストが特徴で、LANやCATV、光キャビネットの内部、FTTX、メディアコンバータなど、さまざまな用途で使用されています。
FCコネクタ
FCコネクタは直径2.5mmのセラミックフェルールを備え、割スリーブを備えたアダプタに金属ねじで固定するねじ固定方式を用いています。きちんと固定したい場合におすすめの光ファイバコネクタです。
指で回して着脱する必要があるため、外れにくいというメリットがある一方で、実装する際にねじを操作するスペースを確保しなければなりません。
主に、光ファイバ測定器のリファレンスケーブル、LAN、CATV、光機器、公衆通信回線の接続などに使用されています。
MPO/MTPコネクタ
MPOコネクタやMTPコネクタは、1本の長方形のフェルールに12~24本のファイバを組み合わせたマルチファイバコネクタです。
MPOコネクタとMTPコネクタには、主に光ファイバケーブルの両端に付いたコネクタに違いがあり、MTPコネクタのほうが高い機能的性質と光学性能を持っています。
40Gおよび100G光パラレル接続のプッシュプル方式で、容易に抜き差し可能なことから多くの用途で使用されています。
STコネクタ
STコネクタは、FCコネクタと同様にバヨネット締結型の光ファイバコネクタで、金属部品にアダプタを固定します。
FCコネクタよりも着脱が容易に行えるのが特徴です。
SMA905コネクタ
SMA905コネクタはねじ締め方式のため、きちんと固定したい場合におすすめの光ファイバコネクタです。
ハウジング素材は金属製で、フェルール径が大きいため大口の通信に適しています。
主に、産業用レーザーや軍用機器、光学分光計などに使用されています。
E2000コネクタ
E2000コネクタは、コネクタを引き抜くと同時にシャッターによって端子がカバーされるスプリング方式です。そのため、フェルールの端面を傷やほこりから保護し、誤ってレーザー光が目に入ってしまう危険を防止します。
主に、高出力アプリケーションに使用されています。
光ファイバコネクタの品質を見極めるためのパラメーター
ここでは、光ファイバコネクタの品質を見極めるためのパラメーターについて解説していきます。
反射減衰量と挿入損失
光ファイバコネクタの品質を見極めるために重要なパラメーターの一つとして、反射減衰量と挿入損失があります。
光は、屈折率が異なる材料同士の界面に入射した場合、屈折率の差によって反射します。
光ファイバが相互接続すると、コア間の隙間やズレが原因となり、接続部分で入射光が反射して光源側に戻ってきます。
反射減衰量とは、この戻り光と入射光の比率のことです。
また、反射減衰量は大きければ大きいほど良いとされています。
挿入損失は、光ファイバを相互接続した際にコア同士の軸ズレにより、入射光の一部がコア外へ放射されてしまうことなどが原因で起こる損失です。
挿入損失の値は、小さければ小さいほど良いとされています。
フェルールの研磨方法と特徴
フェルールの研磨方法と特徴も、光ファイバコネクタの品質を見極めるのに大切なパラメーターの一つです。
フェルール端面は、研磨方法によって「PC」「SPC」「UPC」「APC」の4種類に分けられます。
反射減衰量はフェルールの研磨方法によって異なるため、目的に合わせて研磨方法を選ぶことが大切です。
かん合方式
かん合方式も、光ファイバコネクタの品質を決定する重要なパラメーターの一つです。
かん合方式には「プッシュプル方式」「ねじ締め方式」「バヨネットロック方式」の3種類があり、コネクタ本体の種類によって異なります。
プッシュプル方式は、コネクタを手軽に抜き差しすることができ、もっとも一般的なかん合方式です。
ねじ締め方式は、ねじによってきちんとした固定ができます。バヨネットロック方式は、コネクタと接続先の爪をかみ合わせ、回転させることで固定するかん合方式であり、着脱が容易な上にきちんと固定もできます。
まとめ
光ファイバコネクタは、接続や切断機能が必要な光ファイバケーブルです。さまざまな種類があり、規格や特徴、使用用途がそれぞれ異なります。
光ファイバコネクタのタイプも多種多様で、使用用途などに合わせて適切なものを選択しましょう。
パンドウイットは、エレクトリカル製品およびネットワーク製品を販売しており、光ファイバコネクタも多数取りそろえています。
使用用途に合わせて光ファイバコネクタのタイプを選ぶことが可能です。
どの光ファイバコネクタを選ぶべきかお悩みの方は、ぜひパンドウイットの光ファイバコネクタをご検討ください。