多心光コネクタとは?種類や接続方法について紹介!
※この記事は製品や技術にまつわるお役立ち情報=豆知識を意図しておりますことから、弊社製品以外の製品や市場一般に関する内容を含んでいることがあります
近年では、単心の光ファイバーではなく、複数の光ファイバーに通信を振り分けて使用する傾向にあります。
そんな中、需要が高まっているのが多心光コネクタです。
本記事では、多心光コネクタの概要や種類、接続方法について解説していきます。
多心光コネクタについてお困りの方は、ぜひ参考にしてみてください。
多心光コネクタとは
まずは、多心光コネクタの概要を解説していきます。
多心光コネクタとは
多心光コネクタとは、複数の光ファイバーを接続するためのコネクタです。
光ファイバー通信システムにおいて、信号の信頼性や伝送品質の確保のために利用されます。
例えば、ゲームセンターなどの建物内の通信機器間において、データ転送速度の高速化が求められる場合に使用されています。
多心光コネクタの種類と特徴
多心光コネクタには複数の種類があり、それぞれで特徴が異なります。
ここでは、多心光コネクタの種類と特徴について解説していきます。
MPOコネクタ
MPOコネクタは、複数の光ファイバーを一括接続できる光コネクタです。
MPOコネクタは、独特のプッシュオン式構造を採用しており、ガイドピンありタイプとガイドピンなしタイプをアダプタなどを介して接続します。
キーと呼ばれる突起で接続する方向が決まりますが、接続や取り外しが容易で、データセンターやFTTxなどの高速通信網でよく利用されています。
MPOコネクタの詳しいメリットに関しては、以下の記事でまとめているので、ぜひ併せてご覧ください。
MTコネクタ
MTコネクタは、MTフェルールという複数の光ファイバーを保持する部品を接続用のガイドピンおよび専用クリップで機械的に接続する多心光コネクタです。
専用クリップの脱着ツールが必要ですが、部品が少ないため容易に接続できます。
MT-RJコネクタ
MT-RJコネクタは、MTコネクタの技術を基にして小型の miniMTコネクタを用いた多心光コネクタです。
2心が主流ですが、最大4心の光ファイバーの使用ができます。
MTフェルールとは
ここでは、MTフェルールの概要や応用分野、選び方について解説していきます。
MTフェルールの特徴
MTフェルールの特徴には、高密度持続能力やスペース効率の向上、作業効率の向上などが挙げられます。
従来の単心ファイバー接続と比較すると、場所を取らずに多くのファイバーを接続することが可能です。
また、接続作業の時間も短縮できるため、作業効率の向上にもつながるでしょう。
MTフェルールの応用分野
MTフェルールは、高速通信ネットワークの基盤やデータセンターとして応用されています。
データセンター内のスパイン&リーフスイッチ間のリンク、リーフ&ToRスイッチ間のリンクに使われるのが一般的です。
MTフェルールの選び方
MTフェルールは、心数や伝搬モード、互換性、品質に注意して選ぶ必要があります。
また、対応可能な心数やファイバー孔の精度によるグレードの違いなどもあるため、MTフェルールメーカーに相談するのがおすすめです。
多心光コネクタの接続方法と注意点
ここでは、多心光コネクタの接続方法や注意点をご紹介していきます。
多心光コネクタの接続方法
多心光コネクタの接続方法は、以下の手順で行います。
- 1.準備
- 2.接続
- 3.確認
それぞれの工程について解説していきます。
1. 準備
光ファイバーと接続するために、まずは多心光コネクタを用意します。
2. 接続
PC研磨またはAPC研磨をして接続します。
PC研磨とは、光ファイバーの端面を凸球面上に研磨するもので、接続する際には2つの研磨された端面同士が物理的に接触します。
APC研磨とは、光ファイバーの端面を一定の角度で傾斜して研磨するもので、接続する際には2つの傾斜するように研磨された端面が物理的に接触します。
3. 確認
接続したら、きちんと伝送できるかを確認しましょう。
接続時の注意点
多心光コネクタを接続する際には、以下の4つに注意が必要です。
- ・軸のずれ
- ・角度のずれ
- ・隙間
- ・反射
これらが起こると、安定して伝送することができません。
また、接合面の汚れや損傷の影響を受けやすいため、接合面を確認してから接続しましょう。
まとめ
多心光コネクタは、複数の光ファイバーを接続するためのコネクタで、MPOコネクタ、MTコネクタ、MT-RJコネクタなど、多数の種類があります。
それぞれ特徴が異なり、種類によって接続できるものできないものがあるため、確認しなければなりません。
多心光コネクタを接続する際には、軸のずれ・角度のずれ・隙間・反射があると安定して伝送することができないため、ご注意ください。
また、接合面の汚れや損傷の影響も受けるため、接合面もよく確認してから接続するように気をつけましょう。