光ファイバーの挿入損失を測定する方法
※この記事は製品や技術にまつわるお役立ち情報=豆知識を意図しておりますことから、弊社製品以外の製品や市場一般に関する内容を含んでいることがあります
光挿入損失とは、光ファイバーを相互接続したときに必ず発生する損失のことです。エンジニアリングの間ではインサーション・ロス(insertion loss)と呼ばれ、これを測定することで高周波回路や部品を評価できます。パソコンを多用する企業では点検をする意味で重要です。
今回はそんな光挿入損失測定について詳しく解説します。
挿入損失の測定方法
光挿入損失測定の方法は2つのステップを踏みます。リファレンス測定と挿入損失測定です。また、そのために必要な光源と受光器はレーザ光源、光パワーメータを使用することで測定できます。
測定する際に注意するべき重要なポイントは以下のとおりです。
① レーザ光源のパワー安定度、直線性、偏波依存性の程度
② DUT(被測定物)と測定器の接続状態はどうか
③ コネクタ部分に破損や汚れがないか
光挿入損失測定には測定器が使われるため、測定器の破損や汚れにも気を配るようにしましょう。
挿入損失とは?反射損失との違い
上述したように、挿入損失とはインサーション・ロスと呼ばれるもので、光ファイバーと相互接続したときに称しるパワーの差のことです。ある長さのファイバーから光を入射してそこを通ったパワーを測定し値を読み取ります。次に先ほどのファイバーの長さを半分に切断し、再度光を入射してパワーを測定し値を読み取り、2つの値から出た差異が挿入損失です。
一方、挿入損失と間違われやすいのが「反射損失」です。この反射損失はリターン・ロスと呼ばれ、入力電力の値と反射電力の値の比率から計算し、数値を出します。どちらも高周波回路や部品の特性を表すパラメータであることに変わりはありませんが、測定方法が違うのでそれぞれ理解しておく必要があるでしょう。
挿入損失値をすぐに測定できる「光コネクタ成端工具」
「Panduit(パンドウイット)」から販売されている、光コネクタ成端工具は挿入損失をすぐに測定できる製品として有名です。この製品の特徴は4つあります。
① 測定器の指示がわかりやすい
② アイコンで操作を案内してくれるため、見やすい
③ 挿入損失血値を機器で即座に測定可能
④ 機器は手持ち、卓上使用のどちらでも使用可能
⑤ 測定値のデータをスマートフォンのアプリで共有できる
挿入損失を測定すると、従来は「合格/不合格」を表示するだけのものが多かったのですが、光コネクタ成端工具の場合は値を即座に計算することで値が示す高周波回路や部品の精度も確認できます。またスマートフォンのアプリで共有することで、記録を経時的にみることも可能です。
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光ファイバーの挿入損失は、パンドウイットの製品を使うことで簡単に測定できます。エンジニアリングの現場では、頻繁に光挿入損失の測定が行われるため、方法は簡素化されていると効率が良くなり時間のロス防止になるのです。これを機に、光挿入損失測定をおすすめします。