太陽光発電システムのケーブルのまとめ方と知っておきたい基礎知識
※この記事は製品や技術にまつわるお役立ち情報=豆知識を意図しておりますことから、弊社製品以外の製品や市場一般に関する内容を含んでいることがあります
現在多くの住宅で太陽光発電システムが導入されており、電気代の節約や自然環境の改善に役立っています。
今回は、太陽光発電システムで使われているケーブルの上手なまとめ方について、解説します。
太陽光発電システムのケーブルのまとめ方
太陽光発電システムには、多くのケーブルが用いられます。これらのケーブルを上手にまとめるためには、バンドを使います。バンドを使ってケーブルをまとめれば、見た目がすっきりするだけでなくメンテナンスが非常に行いやすくなるでしょう。
太陽光発電システムのケーブルをまとめるのに役立つバンドの種類について、以下で解説いたします。
1. ナイロン12バンド
ナイロン12は、ナイロンの中でもとくに耐寒性、耐衝撃性に優れている素材です。耐候性にも優れており、屋外で使用されることが多いバンドの素材として非常に適しています。
太陽光発電システムのケーブルは長期間屋外にあるため、バンドにもそれなりの耐久性が求められます。ナイロン12のバンドは屋外耐用年数が33年と非常に長く、劣化もしにくいという点で太陽光発電システムのケーブルをまとめるのに最適です。
塩害にも寒さにも強いという特徴があるため、海が近い沿岸部や融雪剤が使用されるような寒冷地でも使用可能です。
2. ステンレススチールバンド
ナイロンよりもさらに優れた強度を誇るのが、ステンレススチールバンドです。細く小さなバンドでも数十から100キログラムの荷重に耐えることができます。
ステンレススチールバンドが優れているのは、耐荷重性だけではありません。金属であるためナイロンと比べて耐腐食性に優れており、表面にコーティングが施してあればさまざまな金属に対して使用できます。
太陽光発電システムの架台にケーブルを固定するにも最適なバンドです。
3. リールバンド
リールバンドは、必要な分のバンドを引き出して使える便利なアイテムです。リールバンドを使えば最適な長さにバンドを調整できるため、無駄のない作業が可能になります。
ロック爪は別にあり、必要な長さのバンドを用意してから取り付けます。ロック爪はステンレスで耐久性に優れ、強風や雨にさらされてもケーブルをしっかり固定できます。
太陽光発電システムのケーブルの基礎知識
太陽光発電システムのケーブルのまとめ方のほかに、ケーブルについて詳しく知っておくことは重要です。
実は、太陽光発電システムのケーブルにはいくつかの種類があります。
1. CVケーブル
太陽光パネルの配線に使用されるのがCVケーブルです。紫外線にさらされるため、皮膜には耐候性のある素材が用いられています。
パネルとチャージコントローラー、パネルとバッテリーの接続など、非常に重要な場所で使用されます。夏場は80度近くになるといわれる太陽光発電システムの周辺でも耐えられる丈夫なケーブルです。
2. VCTFケーブル
家庭で用いられる小型の電子機器の電気コードとして用いられているケーブルです。耐候性の高い素材が被覆に用いられていれば、屋外で使用することも可能です。
ただしCVケーブルよりも耐熱温度が高くなく、60度前後であるため太陽光発電システムの近くに配置するのは避けるべきでしょう。
3. IVケーブル
IVケーブルは主に屋内で用いられる絶縁電線です。スイッチやコンセントの渡り線として用いられることが多いケーブルです。
耐熱温度は60度とCVケーブルよりもかなり低いので、使用する場所をよく検討する必要があります。
4. VVFケーブル
住宅の屋内の配線によく用いられるケーブルで、Fケーブルとも呼ばれます。
風雨の影響にさらされると劣化するため屋内で用いられますが、耐熱温度が60度と高くないことから、設置する場所には注意が必要です。
太陽光発電システムのケーブルを安全にまとめるには?
太陽光発電システムのケーブルを安全にまとめるためには、ケーブルの耐熱温度を十分に検討することが大切です。太陽光発電システムのケーブルの特性を理解して使用しないと、発熱・発火の原因となり火事が発生する恐れもあります。
他にも、ケーブルをまとめる場所を考えることも必要です。太陽光発電システムのケーブルが小動物に噛まれ、それが原因で火災が発生した例もあります。さらに、ケーブルが施工途中で挟み込まれてしまい、その後ケーブルが劣化することで発熱・出火した事例も報告されています。
太陽光発電システムのケーブルは、使用環境によって用いるバンドを慎重に選び、適切なメンテナンスを行うことが欠かせません。
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太陽光発電システムは、家庭や職場の電力を補うために非常に有用な道具です。思わぬ事故を起こさないためにも、太陽光発電システム全体やケーブルの管理には細心の注意を払う必要があるでしょう。
太陽光発電システムの特性を理解してケーブルを適切にまとめ、安全且つ快適な生活を楽しむようにしたいものです。