Cat6(カテゴリ6)ケーブル自作の前に|必要な道具や要点を解説
※この記事は製品や技術にまつわるお役立ち情報=豆知識を意図しておりますことから、弊社製品以外の製品や市場一般に関する内容を含んでいることがあります
Cat6(カテゴリ6)ケーブルとは、高速信号転送のためのツイストペアケーブルの規格のことです。
エンハンズドCat5に対して、2.5倍もの帯域幅を持っています。各芯線の集まりが強く、真ん中に十字フィラーと呼ばれる十字のプラスチック部品があるため、エンハンズドCat5に比較して柔軟性に欠けているのが特徴です。
今回はそんなCat6ケーブルを自作する前に知っておきたい、必要な道具や要点を解説します。ぜひこの記事を参考に、Cat6ケーブル制作をスムーズに行いましょう。
自作するなら単線仕様で
Cat6ケーブルを自作する前に、単線仕様とヨリ線の違いをおさらいしておきましょう。
まず「単線」とは、1本の太い導線で構成されているケーブルのこと。メリットは、ノイズを受けにくくケーブルが硬いこと。20m以上の長距離で使用する場合におすすめです。
次に「ヨリ線」とは、7本の細い導線で構成されているケーブルをいいます。メリットは、配線の取り回しがしやすくケーブルが柔らかいこと。20m以内の短距離で折り曲げて使用する場合におすすめです。
そんな単線とヨリ線ですが、Cat6ケーブルを自作するなら、単線仕様を選ぶと良いでしょう。単線仕様は「作りやすさ」と「失敗のしにくさ」がポイントなので、自作に適しているといえます。
自作のための部品(パーツ)
Cat6ケーブルを自作する時に使うパーツには、押さえておきたいポイントがあります。
それぞれ見ていきましょう。
①全ての部品への共通ポイント
まず、自作のための部品は、作りたいカテゴリ(ケーブルの規格)に合ったものを選ぶのが基本です。また、シールドには「STP(あり)」と「UTP(なし)」があります。「STP(あり)」は自作だと難しい場合が多いため、この場合には「UTP(なし)」を選ぶのがおすすめです。
②LANケーブル
LANケーブルを用意する時は、防水対策なども必要になるため、自作ではなく製品版をおすすめします。Cat6ケーブルを自作する際には、LANケーブルの長さは100以上が良いでしょう。また、LANケーブルには「ストレート」「フラット」「クロス」といった3種類の形状がありますが、自作の場合は「ストレート」を推奨しています。理由は、「ストレート」には自作用のパーツや工具が対応しているものが一番多いためです。
③コネクタ
コネクタを選ぶ際は「ロードバー」は「あり」が推奨です。これにより、ミスが大幅に減ります。「ツメ折れ対応」も「あり」がおすすめです。接続不備を防ぎやすくなります。
④コネクタカバー
コネクタカバーは「先付け」と「後付け」があります。後付けは折れやすいため、先付けがおすすめです。
自作のために必要な工具
①モジュラープラグ圧着工具(必須)
ケーブルの両端コネクタを締め付けるために必須のアイテムです。カテゴリ別に存在しています。安価なものだと壊れやすいので、ある程度の値段のものを選ぶと良いでしょう。
②ケーブルテスター(必須)
ケーブルの断線確認のために必須になります。ピンからキリまでありますが、フルークネットワークス製がおすすめで、わりと安めに手に入られます。
③ケーブル皮むき工具(推奨)
ケーブルの結線を作成する際に、まわりの皮を剥くためにあると便利なアイテムです。カッターやハサミでも代用は可能ですが、スムーズに作業できるため時間短縮にも繋がります。価格も安いので、一本持っておくと良いでしょう。
その他あれば役立つ
その他にも必須ではありませんが、ニッパー(飛散防止タイプがおすすめ)やグリップタイプの薄手ブローブ(芯線をまっすぐにする際にあると手が痛くならない)、スパイキ(芯線の縒りをほぐし作業時間を短縮させる)、コネクタのパーツを分けて仕舞えるケース(100均でOK)などがあると便利です。
はじめての方は自作工具キットがおすすめ
はじめてケーブルを自作する人は、自作工具キットがおすすめ。カテゴリ(規格)に合わせたキットがあるので、それぞれ選ぶことができます。
パンドウイットの「モジュラープラグ圧着工具セット 」では、圧着工具・ケース・ケーブルストリッパーがセットになっています。はじめて作業を行う方でも必要なものがそろっているため、あれこれ工具を探す工数も省けるでしょう。
まとめ
Cat6ケーブルを自作するためには、パーツや道具はしっかりとしたものを用意しましょう。安く済ませても問題のないものもありますが、安価だとすぐに壊れやすいものもあります。できるだけ質の良いものを選んで、ケーブル作りを行なってください。初心者は自作工具キットで道具を揃えるのもおすすめです。
揃える材料や道具のポイントを抑えれば、失敗を減らせますし、スムーズな作業が可能になります。制作に取り掛かる前に、まずは下準備をしっかりと行いましょう。