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PoEをより快適に|ケーブルの選び方で環境を変えよう

※この記事は製品や技術にまつわるお役立ち情報=豆知識を意図しておりますことから、弊社製品以外の製品や市場一般に関する内容を含んでいることがあります

LANケーブル

PoEとは「Power over Ethernet」の略で、電源コンセントやアダプタを必要とせずにネットワークケーブルから電子機器に電力供給ができるシステムのことを指します。

PoEに使用するLANケーブルは、どんなものでも可能だと思っている方も多いのではないでしょうか。しかし、PoEの電力に合ったケーブルを使用しないと、正しく動作しない場合もあるのです。

そこで今回は、PoEをより快適に使用するためのケーブルの選び方と環境について紹介します。

PoEに対応しているものは?

PoEを使用するためには、PoEに対応した製品を用意する必要があります。PoE対応機器の例は、セキュリティカメラ・Webカメラ・ビデオ会議システム・無線アクセスポイント・デジタルサイネージなどです。

中でもセキュリティカメラは最も多く利用されており、屋外や天井などの電気を取りづらい場所でもLANケーブルを接続するだけで完了し、設置作業も簡単。他にも、無線LANやWi-FiルータにもPoE対応されている製品があります。

PoE対応ケーブルでないと接続はできない?

PoE機器への接続は、CAT5e以上の規格のケーブルであれば普通のLANケーブルで接続可能です。

CAT5e以上の規格のLANケーブルは、1本につき4対のツイストペアケーブルで構成され、これらのワイヤペアを通してPoE 対応機器に電力を供給されるためです。CAT5e以上の規格のケーブルでなければ給電能力や通信能力が安心できません。

PoEを最大限に活かすポイントは放熱効率

データ信号だけをやりとりするのではなく、電力供給をするPoEでは、導体の抵抗により熱が発生します。

しかしケーブル内の温度が上昇すると、データ信号がスムーズに行われなくなるため性能が低下することも。放熱効率を向上させてケーブル内の温度を下げ一定に保つことは、物理的性能と耐久性の上昇に繋がるのです。

発熱を抑えるためにチェックすること

 

ケーブルの温度定格

温度定格とは、高温や熱による軟化や劣化が生じない温度のことを指し、絶縁・被覆材によって耐えられる温度が違います。

一般的なケーブルの温度定格は、60℃・75℃・90℃となっており、PoEに使用するケーブルには、60℃以上の高い温度定格が必要です。

 

導体サイズ/抵抗

ケーブルが発熱する原因の1つは、導体抵抗です。温度が上昇することで電気抵抗が強くなり、データ信号が届きにくくなったり、届かなくなったりする恐れがあります。

導体抵抗は、ケーブルの導体サイズが大きければ大きいほど抑えられるため、導体サイズの大きなケーブルを使用することで導体抵抗の改善に繋がります。なおCAT6A(カテゴリ6A)ケーブルは、CAT5eケーブルよりも導体サイズが大きく低抵抗です。

 

設置

PoEは電力の供給をするためのACアダプタなどを必要としないため、配線が分かりやすいという特徴があります。しかし、いくらすっきりと綺麗に配置したとしても、その設置方法と環境条件はPoEのパフォーマンスに大きく影響することも。

PoEの設置は、温度の上昇を防ぐため、ケーブルに熱がこもるような状況を避けることが大切です。特に多くのLANケーブルを束ねた場合に、発熱が問題になりやすくなります。

他にも、ケーブル同士を束ねたり、一般に認められているガイドラインに適合していなかったりする構成・設置は避けましょう。

PoEを快適にするLANケーブルの選び方

 

①線の種類

LANケーブルには、通信速度を表すカテゴリという規格があり、使用している機器に合わせたケーブルを使用する必要があります。

形にもスタンダードタイプ・スリムタイプ・フラットタイプがあり、さらにケーブル内の芯線の違いにより単線タイプ・ヨリ線タイプに分かれています。

PoEを快適に使用するためには、電流が流れにくいヨリ線よりも単線タイプを選ぶのが良いとされていますが、単線とヨリ線を見た目だけで見分けることはできないため、購入する際には注意が必要です。

また、フラットケーブルと極細ケーブルはほとんどがヨリ線となります。

 

②長さ

LANケーブルは長ければ長いほど電圧降下が起き電流を流しにくくなるため、ケーブルの長さはできる限り短い方が好ましいです。長さが余り、ケーブルを束ねたり巻き取っていると、給電能力や通信能力が低下する恐れがあります。

ケーブルを購入する際には、必要な長さをしっかりと把握しておき、最短の長さを選ぶようにしましょう。

 

③AWG(電線の規格)

AWGとは、電線の導体部分の直径に特定の段階をつけた、導体の太さを表す電線の規格です。

AWGは26→24→22と値が低くなるほど線が太くなり強い電流を流せるので、単線に比べて通信の安定性が低下するフラットケーブルは使用しません。PoEを快適に使用するためには、24AWG以下が望ましいでしょう。

 

④アダプタの使用はなるべく避けて

変換や中継アダプタを使用すると、ノイズや電圧降下が発生することがあります。変換・中継アダプタはできるだけ使用しないようにしましょう。

まとめ

PoEはLANケーブルを利用して電力を供給できるため、コンセントの設置が難しい場所でもネットワークカメラなどのセットができるようになります。

しかしLANケーブルは元々電力を供給するために作られたのではないため、機器の電力に合ったケーブルを選ぶことが重要です。

設置した後になって、電力不足などの理由から動かない、なんてことを避けるためにも、購入する前に必要な電力などを調べておくようにしましょう。

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