LANケーブルや結束バンド選びは「耐候性」を意識してみよう
※この記事は製品や技術にまつわるお役立ち情報=豆知識を意図しておりますことから、弊社製品以外の製品や市場一般に関する内容を含んでいることがあります
LANケーブルや結束バンドを選ぶにあたって、耐候性を気にしたことはありますか?
そもそも、耐候性について知らないという方も多いのではないでしょうか。色々な場所や用途で使用されるLANケーブルや結束バンドは、日々劣化していきます。劣化を少しでも避け、長い時間使い続けるためにも、耐候性を意識することは大切です。
今回は、耐候性について詳しく紹介していきます。
「耐候性」とは
耐候性とはプラスチックや塗料、繊維、有機素材等の工業製品が太陽光・温度・湿度・雨等の屋外の自然環境に耐えられる性質であることを指します。LANケーブルや結束バンドは光や熱、水などによって日々劣化していくので、耐候性を把握し、製品の寿命や品質を見極めることが必要なのです。
耐候性試験の重要性
製品の劣化の要因として挙げられるのは、主に光・熱・水の3要素だといわれています。例えば太陽や雨、気温の変化など、生活していくうえで避けられないものが要因として挙げられているため」、どれだけ丁寧に扱っていても製品は自然と劣化していくと考えていいでしょう。つまり耐候性を把握することは、製品の品質や寿命、材料選びの観点からも非常に重要なのです。
物質の耐候性研究は1900年代初頭、米国にて屋外に設置された南向きの暴露台にサンプルを立て掛けることから始まりました。1908年にはASTM(米国材料試験協会)と塗料メーカーが塗料サンプルを数多く試験し、その後耐候性試験は屋外暴露試験方法として世界的に認知されていきました。現代では人工的に様々な光源をつくることができるようになったので、より現実に近い条件で実験ができるようになってきています。
耐候性に含まれる耐性について
耐候性には種類があります。耐候性があるとひとくくりで紹介されている場合もありますが、使用用途に合わせて特化したものが必要になったときのため、種類も覚えておくと便利です。
耐光性
耐光性とは、太陽光による変色に対して耐性があることを指します。製品は光、特に紫外線によって劣化し、天然繊維は特に黄変したり強さが低下したりします。多かれ少なかれ合成繊維も紫外線の影響は受けるでしょう。耐光性に強い素材はアクリルやポリエステルが代表的です。
耐熱(寒)性
耐熱性とは、温度変化による素材の膨張・伸縮に対して耐性があることです。一般のLANケーブルでもある程度の耐熱性はありますが、高温の場所で使用する場合は受注生産対応の耐熱LANケーブルを使用するのがおすすめです。
結束バンドのステンレス304素材のものは高温、低温ともに耐えることができます。サビと腐食にも強いので、バイクのカスタマイズや自動車のパーツの固定などにおすすめです。
耐水性
耐水性とは雨による加水分解、浸食や昼夜の温度差による結露、高温状態での加水分解、酸化などに対して耐性があることです。LANケーブルを耐水性重視で選ぶ際は、屋外に対応しているものを選ぶと良いでしょう。結束バンドを水中や水まわりで利用する場合に関しては耐水性についてしっかり調べておきましょう。
耐水性に優れた素材としては、ポリプロピレンなどが挙げられます。医療現場や食品工場などの衛生施設をはじめ、一般的な家庭の水道の配管やお風呂周り、介護現場での使用におすすめです。
耐薬品性
耐薬品性とは各薬品に対しての耐久性のことを言い、数字が大きい程耐薬品性に優れていることを表します。薬品といってもアルカリ性、酸性など種類はさまざまでそれぞれに強い素材があります。例えば酸性に強い素材だとポリ塩化ビニル樹脂、ポリエチレン、アクリルなどが代表的です。
耐衝撃性
耐衝撃性とは、外部から受けた衝撃に対しての耐久性のことを指します。衝撃試験を行い、衝撃値を出すことで測定される数値です。この数値が大きいほど耐衝撃性が高いことを示しています。
屋外での利用は耐候性が重要
LANケーブルも結束バンドも、屋外での使用は雨や太陽光に晒されることが多いです。また温度や湿度による劣化も起こりうるので、一般的な耐候性のないものは避けるのが良いでしょう。
例えば結束バンドであればパッケージに「耐候性」「Water Resistant」等の記載があれば、屋外向けです。
LANケーブルは、備わっている耐候性が1つずつ違ってくるので用途に合わせた材質のものを選んでください。選ぶ際は上記で紹介した耐性を参考にしてください。その他、工場や寒冷地など、耐性に特化したものがあるので、用途に合わせて使い分けするのが理想です。
まとめ
耐候性を知り、選び方をマスターすると、LANケーブルも結束バンドも長く使用することが出来るのでコストパフォーマンスは抜群です。
特に一般的でない場所や用途で使う場合は、本日紹介した耐候性について知識をつけてみてください。