LANケーブルの規格(カテゴリ)についての知識を高めよう
※この記事は製品や技術にまつわるお役立ち情報=豆知識を意図しておりますことから、弊社製品以外の製品や市場一般に関する内容を含んでいることがあります
LANケーブルといっても実は規格が色々あり、速度や使い勝手が変わってきます。選び方次第で、インターネットの通信速度を速めることが可能ですし、また形状や配線の種類もさまざまです。
この記事ではそれぞれに合ったLANケーブルの選び方や、種類について解説します。通信環境に不満がある方、新しくLANケーブルを購入しようと検討している方はご覧ください。
目次
LANケーブルの規格(カテゴリ)とは?
インターネットを接続する際に使用するのがLANケーブルですが、LANケーブルには規格(カテゴリ)があることを知っていますか?選ぶLANケーブルの規格によって回線速度が変わるため、選び方は重要です。いくら高性能のパソコンやルーターを使っていても、LANケーブルの規格を理解していなければ回線速度は速くなりません。
具体的にLANケーブルはCATという規格に分けられています。この規格の種類を理解して、パソコンとの相性を判断し、回線速度を速くできるようにしましょう。
LANケーブルの規格の種類について
規格の種類 |
最大通信速度 (bps) |
おすすめの使用用途 |
CAT5 |
100M |
安価。最低限のネット接続で十分な方におすすめ |
CAT5e |
1G |
日常使いにおすすめ |
CAT6 |
1G |
快適なインターネット回線を求める方におすすめ |
CAT6A |
10G |
動画視聴を頻繁に行う方におすすめ |
CAT7 |
10G |
オンラインゲームでの快適さや、業務用に活用する方におすすめ |
CAT8 |
40G |
ノイズ耐性が高く安定したインターネット回線。主に業務用で使用され、家庭用では扱いづらい点も。 |
LANケーブルの通信規格は、数値が上がるほど回線速度が速くなるということがわかります。単純に回線速度で選ぶのであれば、数値が大きいものを選ぶと良いでしょう。
ただし、規格が上がるほど価格も高くなります。一般家庭では最大の規格を選ぶ必要はないため、CAT6程度で十分です。
最近は自宅でも、動画利用の時間が多い方もいると思うので、CAT6がおすすめです。日常的にオンライン会議する方や、テレビやパソコンで動画を楽しみたい方はCAT6Aを選びましょう。
CAT7は速度も速く、ノイズ耐性も高いためオンラインゲームを楽しむ方におすすめです。また、業務用のサーバ―などの負荷が高い場合も、このあたりの規格を選ぶことをおすすめします。CAT8になると40Gbpsという超高速、2000MHzという広帯域を実現しています。現在あるモデルの中で最上位です。主に業務用になるため一般家庭で用いられることはないでしょう。
LANケーブルのかしこい選び方
LANケーブルには種類があるため、選び方が重要だということがわかりました。それでは具体的にどういうものを選べばいいのでしょうか。以下で解説していきます。
環境に合った通信速度のものを選ぶ
選ぶときのポイントとなるのが、やはり通信速度です。使用環境に合った速度を選ぶようにすると、快適にコスパもよく、LANケーブルを購入できます。
例えば「CAT7A(速度10Gbps)」は、最大の速さでネットを利用できます。
光回線自体のポテンシャルを最大限に引き出し、ハイクオリティな動画利用から業務用としても用いられるものです。光回線の速度は速いのに、自宅のネット回線が遅いと感じるのであれば、一段階通信速度を上のレベルに上げてもいいかもしれません。
家庭で使うために、自分がどれくらいのものを買えばいいのかわからないという方は、CAT6を選べば十分でしょう。
LANケーブルの配線環境を考慮した素材や形状で選ぶ
続いては速度ではなく、配線環境を考慮した素材や形状で選ぶ方法です。ケーブルの形は様々で、使い方や耐性も変わってきます。具体的には以下のような種類があります。
● UTPケーブル ● STPケーブル ● 2重シールドケーブル ● PoEケーブル ● フラットケーブル |
UTPケーブルは、LANケーブルの基本形状といわれています。外部の電波と干渉しないシールドがない構造で、芯線が2本の銅線をよりあわせて1本になった形です。
STPケーブルは、ノイズに強いという特徴があります。しっかりシールドで保護されており、ネットワークが混線している環境で使用する方におすすめです。
2重シールドケーブルは、STPケーブルよりもさらにノイズへの耐性があります。より安定した通信を求める方は、この形状を選びましょう。
PoEケーブルは「Power over Ethernet-パワーオーバーイーサネット」(電力線ネットワーク)に対応しています。データを送受信するためのLANケーブルを通じて、同時にPoE対応機器へ電力を供給することが可能です。
フラットケーブル別名パスタケーブルと呼ばれ、薄くて踏みつけに強いのが特徴です。カーペットの下の隙間に通したい場合はこの形状がいいでしょう。
配線の種類「単線」または「より線」から選ぶ
前述で紹介した他にも、配線するときの長さで選ぶ方法があります。具体的には単線かより線の二種類から選ぶことになります。
単線は太い銅線が8芯分入っているためケーブル自体が固く、曲げて使うことが困難です。その分安定した通信が見込めるため、安定性を重視する方は単線を選ぶことをおすすめします。
より線は7本の細い銅線を8芯分寄り集めて作られています。単線に比べると安定感に劣りますが、使い勝手はいいでしょう。
どの規格のLANケーブルがおすすめ?
使用用途や規模によっておすすめのものは変わるので一概には言えませんが、家庭や会社で使用するLANケーブルは、「CAT6」以上のカテゴリで、短い距離は「より線」、長い距離は「単線」を使うのがおすすめです。速い速度がでるなら高価なものを買っておけばいいというわけではなく、安価なものでも相性が良ければ十分です。また、CAT8などは、家庭的ではなく、スイッチングハブが必要であったり、簡単に使うのは現実的ではないためおすすめできません。
品質の安全性のため、海外製品よりも国内の大手メーカーの物をセレクトするとトラブルが少ないでしょう。
自身のインターネット環境と照らし合わせ、規格の相性を見極めよう
現在、家庭でインターネットの通信速度が遅いと感じているのであれば、LANケーブルの選び方に問題があるかもしれません。ご自身のネット環境に合ったものを選べば速度は十分に出ます。カテゴリについて理解し、ネット環境と相性のいいLANケーブルを選んでみませんか?