LANケーブルの結線とLANケーブルの結線とは?Cat(カテゴリ)はどれを選ぶ?
※この記事は製品や技術にまつわるお役立ち情報=豆知識を意図しておりますことから、弊社製品以外の製品や市場一般に関する内容を含んでいることがあります
LANケーブルは、パソコン機器をインターネットに繋げるために必要です。そのLANケーブルの結線には、「A結線(T568A)」と「B結線(T568B)」があり、配列の組み合わせによって「ストレートケーブル」と「クロスケーブル」に分けられます。
今回は、LANケーブルの結線の種類とCat(カテゴリ)について紹介します。
LANケーブルとは?
LANケーブルとは、有線でインターネットに繋げる際に必要となる物理的な線のことをいいます。
モデムやルーター、スイッチングハブ(ネットワークハブ)などの通信機器とパソコンやゲーム機といった機器を繋ぎ、データ通信が可能です。
LANケーブルにはスタンダードタイプの他にもフラットやリールといった形状がありますが、他にもCat(カテゴリ)の違いがあり、伝送帯域や通信速度が異なります。
結線とは?
結線とは、パソコンやゲーム機などの電気機器や部品を結び、回路を構成しているものを指します。
LANケーブルの結線には「A結線」と「B結線」があり、更に「ストレートケーブル」と「クロスケーブル」の2種類があります。
ストレートケーブルとクロスケーブルの違い
ストレートケーブルとは、ケーブル内の銅線が途中で交差せずに、両端で同じ配列になっていることをいいます。例えば、両端がA結線の配列になっている場合や、両端がB結線になっている場合です。
一方クロスケーブルは、ケーブル内の銅線が途中で交差し、両端で異なる配列になっていることをいいます。片側がA結線の配列で、もう片方がB結線になっている場合です。
以前までは、パソコン同士の接続にはクロスケーブル、ハブとパソコンはストレートケーブルなど、接続する機器によりストレートケーブルとクロスケーブルを使い分ける必要がありました。
しかし、現在の機器には通信相手のLANケーブルの種類を自動判別できる機能(AutoMDI/MDI-X)が搭載されているため、ストレートケーブルが主流となり、クロスケーブルはほとんど不要となっています。
A結線、B結線の違いについて
LANケーブルの中には「緑」、「緑白」、「橙」、「橙白」、「青」、「青白」、「茶」、「茶白」の8本の銅線が入っており、LANケーブルの結線には、「A結線」と、「B結線」があります。
この2種類は、UTP・STPの銅線の色の配置を定めたアメリカの規格です。
次に、この2種類の結線の違いについて紹介します。
A結線(T568A)
A結線内の銅線は、「1番は白緑」、「2番は緑」、「3番は白橙」、「4番は青」、「5番は白青」、「6番は橙」、「7番は白茶」、「8番は茶」の順です。
B結線との違いは、銅線の接続する順が違うだけで、性能は同じになります。
市販されているLANケーブルのほとんどはB結線で、市販のパッチコードもB結線であるため通常はB結線を使用し、特別な理由がない限りA結線を選ぶ必要はなさそうです。
B結線(T568B)
B結線内の銅線配列は、「1番は白橙」、「2番は橙」、「3番は白緑」、「4番は青」、「5番は白青」、「6番は緑」、「7番は白茶」、「8番は茶」の順です。
A結線との違いは1番・2番・3番・6番の銅線を接続する順が違うだけで、性能に違いはありません。
LANケーブル選びは必ずCat(カテゴリ)をチェック
LANケーブルには、Cat(カテゴリ)と呼ばれる規格があります。Catによって、通信速度が変わるため、LANケーブル選びにおいて重要です。
Cat5(カテゴリ5)は、伝送帯域100MHz、シールドはUTP(シールド無し)、コネクタはRJ-45のケーブルですが、通信速度が最大で100Mbps(1秒間に100メガビット)しかないため、買い替える時やこれから購入する場合にわざわざ選ぶ必要がありません。Cat5は、通信速度1Gbps、伝送帯域100MHz、シールドはUTP、コネクタRJ-45のケーブルです。
Cat6(カテゴリ6)は、通信速度1Gbps、伝送帯域250MHz、シールドはUTP、コネクタRJ-45のケーブルになります。Cat5eと同じ通信速度ですが、伝送帯域が上がっているため、より多くの通信が可能で、ケーブル内に十字のセパレータが入っているためカテゴリ5eと比較してケーブルが太く、ノイズにも強くなっています。
Cat6E(カテゴリ6E)、6Aは、通信速度10Gbps、伝送帯域500MHz、シールドはUTPとSTPがあり、コネクタRJ-45のケーブルです。6Eと6Aの性能的な違いはほとんどなく、この2つの違いは規格が「ANSI」で承認されているかいないかの違いで、カテゴリ6Aは認証されています。
Cat7(カテゴリ7)は、通信速度10Gbps、伝送帯域600MHz、シールドはSTP、コネクタはGG45/TERAのケーブルです。Cat7、7A、8はシールドがSTPでノイズに強くなっていますが、一般家庭では必要ありません。Cat7A(カテゴリ7A)は、通信速度10Gbps、伝送帯域1,000MHz、Cat8(カテゴリ8)は、通信速度40Gbps、伝送帯域2000MHzです。
一般家庭には適しているのは、Cat6、6Aです。
まとめ
LANケーブルの結線には、「ストレートケーブル」と、「クロスケーブル」の2種類があります。
しかし、最近ではストレートケーブルとクロスケーブルを使い分ける必要がなくなったため、ほとんどがストレートケーブルになっています。
また、「A結線」と、「B結線」がありますが、市販されているLANケーブルはB結線がほとんどです。そのため、B結線のストレートケーブルが主流となっています。
そのため、LANケーブルを選ぶときはカテゴリで選びましょう。一般家庭で使用するには、Cat6や6Aがオススメです。