結束バンド選びで重要な「耐候性」とは
※この記事は製品や技術にまつわるお役立ち情報=豆知識を意図しておりますことから、弊社製品以外の製品や市場一般に関する内容を含んでいることがあります
屋外で結束バンドの使⽤を考えている場合、「耐候性」は重視していただきたい要素のひとつです。こちらでは「耐候性」の定義や、耐候性の低い結束バンドを屋外で使⽤した場合に考えられる問題についてお話します。
「耐候性」とは
「耐候性」とは、素材が有している屋外での環境変化に対する耐性です。素材を屋外で使⽤した場合、「酸素」「オゾン」「紫外線」「熱」「⾬⽔」「温度変化」といった複数の要素から影響を受け、ダメージが⽣じ得ます。耐候性が⾼い素材はこうした要素の影響による変質が起きにくく、⻑期間本来の性能を発揮します。そもそも耐候性が優れている素材もありますが、添加剤を使⽤して素材の耐候性を上げるケースもあります。
耐候性に優れている素材、また添加剤として以下のようなものが挙げられます。
素材:
テフゼル
デルリン
ステンレス
耐候性ナイロン66
耐候性ナイロン12
耐候性ポリプロピレン
添加剤:
酸化防⽌剤(フェノール、アミンなど)
紫外線吸収剤(ベンゾフェノンなど)
「耐候性」がない結束バンドを使⽤すると……
屋外で使⽤する結束バンドには耐候性の⾼い素材が求められます。耐候性が低い結束バンドを使⽤した場合、どのようなトラブルが起こり得るのでしょうか? 代表的なトラブルの具体例を以下にご紹介しましょう。
破断
破断は耐候性のない結束バンドを使⽤したときに起こり得る代表的なトラブルです。使⽤環境に求められる耐候性を有していない結束バンドを使⽤した場合、結束から1年ほどで破断してしまう例もあります。場合によっては、再度結束する必要があり、コストと⼿間がかかってしまうでしょう。
脱落
破断にいたっていない場合も、バンドに結束する⼒がなくなりケーブルが脱落している場合は問題です。放置しておくと配線の断線やゆがみ、曲がりといったトラブルにつながります。
美観の損失
露出している結束部分では美観の損失も問題になります。とりわけ、⼀般の⽅に⾒えるような結束部分では耐候性の⾼いバンドが求められるでしょう。また、結束バンドの侵⾷がケーブルそのものに悪影響を及ぼすケースもあります。
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耐候性が⼗分ではない結束バンドを使⽤した場合、コストと⼿間が無駄になってしまうことも考えられます。使⽤環境に求められる耐候性を有している結束バンドを選べば、条件によっては⼗数年間再結束の必要はありません。結束バンドのコストも抑えられるはずです。屋外での使⽤を想定している場合は、結束バンドの耐候性に注⽬して選ぶようにしましょう。