結束バンドに使用される万能素材・ナイロン
※この記事は製品や技術にまつわるお役立ち情報=豆知識を意図しておりますことから、弊社製品以外の製品や市場一般に関する内容を含んでいることがあります
過酷な使用環境を想定し、結束バンドにはさまざまな合成繊維が素材として採用されています。その中でも代表的な合成繊維がナイロンです。こちらでは、ナイロンの概要や特筆すべき性能についてお話します。
ナイロンとは?
ナイロンは、工業用に機械的・化学的性質を向上させた「エンジニアリングプラスチック(エンプラ)」の一種です。正式には「ポリアミド(PA)」と呼ばれます。高い汎用性、優れた性質から、さまざまな工業製品に使用されています。
ナイロンは絹と化学構造が似ていることで知られているほか、とりわけ光沢や染色性といった性質面でも絹と類似しています。一方で、強度は絹のおよそ10倍を誇り、非常に強靭な素材です。世界初の合成繊維として誕生して以降、ナイロンは80年以上のもの間、優れたエンプラとして評価されています。同じエンプラであるポリエステルに次ぎ、工業製品に使用されることが多い合成繊維です。
ナイロンの性能
ナイロンは、同じエンプラであるポリエステルをしのぐ引張強度を誇っています。さらに、難燃性や薬品への高い耐性を有しており、結束バンドの素材としては申し分ありません。
ナイロン12とナイロン66
ポリアミドにはいくつかの種類がありますが、結束バンドの素材として代表的なのがナイロン12とナイロン66です。それぞれの特徴についてお話します。
ナイロン12
ナイロン12は最も低密度のポリアミドです。融点はポリアミドの中では低いものの、耐候性に優れています。屋外で使用する結束バンドに適している素材です。
ナイロン66
ナイロン66はエンプラの中でも高い機械的強度を有する素材です。同じポリアミドであるナイロン6の原料として使用されます。ナイロン12と同様の耐候性のほか高い耐熱性をもっており、過酷な環境で使用する結束バンドの素材として採用されています。
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結束バンドには、機械的強度のほか紫外線や風雨、高温への耐性が求められます。ナイロンは、単なる強度だけではなく結束バンドに求められるさまざまな条件を満足している素材です。過酷な環境で使用する結束バンドには、ナイロン製のものをお選びください。