結束バンドの紫外線対策を万全にする方法
※この記事は製品や技術にまつわるお役立ち情報=豆知識を意図しておりますことから、弊社製品以外の製品や市場一般に関する内容を含んでいることがあります
結束バンドに使われているナイロンなどの素材は、紫外線にあまり強くありません。紫外線の影響を受けやすい屋外で結束バンドを使う場合、結束バンドが劣化してもそう簡単には交換できないため、管理の手間を楽にするためにも紫外線対策を充実させましょう。
こちらでは、紫外線が結束バンドに与える影響や、紫外線対策済みのオススメ結束バンドをご紹介します。
結束バンドの劣化の原因は紫外線
結束バンドの素材にはいくつかの種類があり、もっとも広く利用されているのは、樹脂を結合させたプラスチック素材の一種、「ナイロン66」です。ナイロン66は屋内なら数年耐えますが、紫外線は非常にエネルギーの強い光なので、人工的に生み出されたプラスチック素材を紫外線にさらすと、急速に劣化が進んでしまいます。
紫外線による劣化には、次のようなものが挙げられます。
*分子量の低下(もろくなる)
*融点の低下(熱に弱くなる)
*伸びや衝撃などに対する耐性の低下
*変色
*チョーキング
性能だけでなく見た目にも明らかな影響が出てきますし、劣化した結束バンドは強度が低下しているため、ケーブルなどを束ねる用途も十分に果たすことができません。
変色・破断!紫外線の影響を受けた結束バンドの行く末
長時間屋外で紫外線を受けた結束バンドは、水分を失って硬化し、切れたり破損したりしやすくなります。紫外線は、表面の劣化はもちろん樹脂素材の分子構造を変化させてしまうため、紫外線によって劣化した結束バンドは、どうあがいても新品の状態には戻りません。
屋外で使う結束バンドの劣化は、固定していた太いケーブルが緩む、目隠し用のプレートが外れて落下するといったトラブルにつながります。高い場所に何かを固定している場合、結束バンドの破損によってケガが起きるリスクが高いので、屋外用の結束バンドは吟味すべきでしょう。
紫外線対策が施された結束バンドのご紹介
紫外線対策が施された結束バンドを探している場合は、「耐候性ナイロン12製結束バンド」がおすすめです。耐候性を持った結束バンドは、紫外線に弱い「ナイロン66」に耐候性を持ったカーボンなどを混ぜ込んだ、「耐候性ナイロン66」 が広く使われています。しかし、「耐候性ナイロン12製結束バンド」は、同じナイロンでもより耐候性の高いナイロン12をさらに加工した素材を使用した製品です。屋外での寿命は33年であり、非常に長いと言えるでしょう。
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一般的な結束バンドは紫外線に弱く、そのまま屋外で利用すると1年から2年で劣化してしまうため、紫外線対策を施した結束バンドを選びましょう。ただし、同じ紫外線対策製品でも、種類によって寿命や耐候性は大きく異なります。長寿命な結束バンドをお求めの場合は、「耐候性ナイロン12製結束バンド」をおすすめします。