ロックアウト・タグアウトとは?知っておきたい基礎知識|LANケーブルと結束バンドのことなら|パンドウイット

ロックアウト・タグアウトとは?知っておきたい基礎知識

※この記事は製品や技術にまつわるお役立ち情報=豆知識を意図しておりますことから、弊社製品以外の製品や市場一般に関する内容を含んでいることがあります

ロックアウト・タグアウト

設備や機械の点検・修理などを行う際、特に注意しなければならないのが労働災害です。

OSHA(米国労働安全衛生局)やANSI(米国規格協会)では、点検・メンテナンス時に設備や機械をロックアウト・タグアウトすることを定めており、作業労働者の安全確保の基準として広く浸透しています。

そこで今回は、設備・機械の点検・メンテナンスに欠かせないロックアウト・タグアウトの基礎知識についてわかりやすく説明します。

ロックアウト・タグアウトの基礎知識

ロックアウト・タグアウトは、いずれも設備や機械を点検・修理・メンテナンスする作業員の安全を確保するための手順の1つです。

設備・機械のメンテナンスにおいては、ロックアウトとタグアウトを併用することで、安全な作業環境を整えることができます。

以下ではロックアウトとタグアウトそれぞれの基礎知識をまとめました。

 

災害のもとを遮断するロックアウト

ロックアウトとは、設備や機械をメンテナンスする前に、ブレーカーやスイッチ、バルブなどの動力源を遮断・施錠することです。

たとえば電力を動力源とする設備や機械のメンテナンスでは、感電などの労働災害を防ぐためにあらかじめ電力を落とした状態で作業に当たります。

しかし、複数人で作業を行っている場合、まだ作業中であるにも関わらず、ほかの作業員のミスでうっかり動力源を再稼働させてしまう可能性があります。

実際、労働災害の原因の多くは機械・設備の停止確認の不備や、再稼働前の安全確認ミスなどにあるといわれています。

ロックアウトを行うことでこうしたヒューマンエラーのリスクが低減すれば、作業員も安心して作業に専念することができます。

 

ロックアウトを補強するタグアウト

タグアウトとは、ロックアウトを行った箇所に警告タグを取り付けることです。

警告タグには再稼働禁止の警告が日本語や英語、あるいはイラストなどで記されており、ヒューマンエラーによるロック解除を未然に防ぐ効果が期待できます。

また、タグにはいつ、誰がロックアウトしたのか記載する欄も設けられており、何らかの理由で動力源を再稼働させたい場合、誰に連絡すればよいかわかる仕組みになっています。

タグアウトを併用することでロックアウトの安全性はさらに補強され、より安全な作業環境を整えることができます。

建設業や製造業など、ロックアウト・タグアウトが必要な場面

厚生労働省がまとめた業種別の労働災害発生状況によると、建設業、第三次産業、製造業の3つが大半を占めています。

建設業では感電リスクに加え、機械設備や高所での作業機械によるリスクにもさらされており、ロックアウト・タグアウトの徹底が推奨されています。

一方の第三次産業は多岐にわたりますが、たとえば電気やガス、熱供給、水道業などは機械・設備の取り扱いやメンテナンスが多い業種であり、ロックアウト・タグアウトの必要性がほかの分野に比べて高い傾向にあります。

最後の製造業は、工場内にて大規模な設備・機械を日常的に稼働させているため、ロックアウト・タグアウトを義務化している企業が大半を閉めています。

そのため、死亡災害の発生状況は建設業や第三次産業より少ないものの、平成30年度労働災害発生状況では前年同期比を14.4%上回っており、さらなる安全対策が求められています。(※注1)

これら3つの業種に限らず、労働災害につながる点検や修理、メンテナンスを行う場面では、作業員の安全確保が最優先事項であり、ロックアウト・タグアウトの徹底が必要不可欠です。

※注1:平成30年における労働災害発生状況について

ロックアウト・タグアウトに使われる器具

ロックアウトやタグアウトでは、用途に応じてさまざまな器具が用いられます。

ここではロックアウト・タグアウトに使う主な器具を紹介します。

 

ブレーカー用ロックアウト

点検やメンテナンス中に電力が再稼働しないよう、ブレーカーにロックを掛ける器具です。

シングル・二連・三連・サーキット用などブレーカースイッチの種類に合わせてさまざまな器具が展開されています。

 

スイッチ用ロックアウト

設備や機械のスイッチにロックを掛け、誤作動を防ぎます。

トグルスイッチ対応のものから、非常停止ボタンなどのプッシュボタン対応のものまで幅広いタイプの製品があります。

 

バルブロックアウト

バルブのハンドルを回せないようロックするための器具です。

バルブの形状や種類に応じてさまざまな形の製品が販売されています。

 

コンセント・プラグロックアウト

電力の再稼働を防ぐための器具です。

プラグそのものを包み込んでロックアウトするものから、プラグの穴に取り付けてコンセントに差し込めないようにするものなど種類は多岐にわたります。

 

ロックアウトタグ

ロックアウトしたことを周知させるための警告タグです。

日本語だけでなく英語表記のものも販売されており、外国人労働者にも正確に警告することができます。

ロックアウトした日付や人間、備考などを記載するスペースも設けられているものが一般的です。

ロックアウト・タグアウトは危機管理に必要な装置です

設備や機械を取り扱う現場では労働災害が発生しやすいため、危機管理を徹底する必要があります。

ロックアウトやタグアウトは作業員の安全を確保する有効な手段の1つであり、これらを徹底することで労働災害リスクを大幅に軽減することができます。

ロックアウト・タグアウト専用の器具も数多く販売されていますので、用途や場面に合わせて適切なツールを使用し、安全な作業環境を整えましょう。

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