結束バンドとは?用途別の種類やおすすめの素材も解説
※この記事は製品や技術にまつわるお役立ち情報=豆知識を意図しておりますことから、弊社製品以外の製品や市場一般に関する内容を含んでいることがあります
結束バンドは、さまざまな場面で使える便利な道具です。特に、ケーブルなどをまとめたい場合や、識別したい場合によく活用されています。結束バンドにはさまざまな種類、素材があり、用途や使う場所などによって使い分けることができるのです。
そこで今回は、結束バンドの概要や、種類や素材によって異なる特徴について解説します。最適なものを選んで、さまざまなシーンで活用してみましょう。
結束バンドとは?
結束バンドとは、主にたくさんあるケーブルをまとめるために使われる配線材料です。「ケーブルタイ」や「結束帯」、「配線バンド」などと呼ばれることもあります。さまざまな素材のものがありますが、一般的にはプラスチック製のものを指すことが多いです。
一般的な結束バンドは、バンドの片側にロックするための部品が付けられています。そして、反対側をその部品に通して留めるという使い方をします。
なお、基本的には一度結束すると取り外すことができません。ただし種類によっては、結束しても取り外して再利用できるタイプのものもあります。
結束バンドの種類
結束バンドにはさまざまな種類があります。
ねじ止め結束バンド
こちらは、ロックする部品の上にねじを通すための穴が付いているタイプです。ケーブルなどをまとめて、壁や天井、パネルなどに固定することが可能です。そのため、ケーブルを床に垂らしたくない場合などに活用できます。
たとえば、パソコンのケーブルをまとめてねじ止め結束バンドを棚などに固定すれば、デスク周りがすっきりと片付きます。
なお、バンドを壁などに固定した後でも結束できるものを選ぶと、便利に使えます。
マーカータイ
こちらは、ロックする部品の周りに書き込みスペースが付いているタイプです。そのため、ペンでケーブルの用途や名前などを書き込むことができます。また、ラベルを貼り付けて管理することも可能です。
結束しながら表示もできるため、たくさんの配線があってややこしい場合に最適だといえます。
たとえば会社の会議室が多数ある場合は、パソコンやプロジェクターなどのケーブルをまとめて名前を書いておくと、混ざることがなくて安心です。
テフゼル結束バンド
こちらは、名前の通り「テフゼル」という素材が使用されているタイプです。テフゼルは樹脂の一種でありとても強い素材で、耐高温・耐熱・耐放射線・耐紫外線などに優れています。
それゆえ、屋外や化学プラント、原子力発電所などでの使用に適しているといえます。
ステンレスバンド
ステンレス製であるため耐熱性に優れており、締め付ける力も非常に強いです。また、目通しをするだけでロックがかかって結束されるという特徴があります。
よって、屋外や地下に埋没される環境などでも安心して活用することができます。電線や電柱の結束に使用されることも多いです。
結束バンドの素材
結束バンドに使用されている素材も多岐にわたります。
ナイロン
最も一般的に使用されているナイロンは、丈夫かつ柔軟性にも優れているため、まとめたケーブルなどを傷つける心配がありません。また、比較的安価なため、手に取りやすいという特徴もあります。
ナイロンといっても1種類だけではなく、ナイロン66やナイロン46、ナイロン12といった種類があります。
ナイロン66は安価ですが、十分な強度や耐候性があるため、一般的にはこちらが使用されることが多いです。
そしてナイロン46は、さらに耐熱性や耐油性にも優れているという特徴があります。
過酷な環境下においてはナイロン12がおすすめです。寒暖の差や紫外線、塩害等で結束バンドが切れてしまうとお困りの方はぜひ利用してみてください。
ポリプロピレン・フッ素系樹脂
ポリプロピレンは、強度もありますが耐薬品性にも優れており、酸やアルカリなどの薬品に耐えることができます。それゆえ、医療器具などにも使われることがあります。
そしてフッ素系樹脂は、耐熱性や耐寒性、耐候性や耐放射線性が高い素材です。あらゆる場面で活躍する、高性能な結束バンドだといえます。
シリコン・エラストマー
これらは強いロック機能はありません。しかし比較的簡単に取り外せて、再利用できるという特徴があります。
また、ソフトに結束してくれるため一つにまとめるものを傷つける心配がなく、日常使いにぴったりです。絡まりやすいイヤフォンの結束や、DIYなどで使われることもあります。
ステンレス
金属で作られているため強度が高く、厳しい環境でも使うことができます。
屋外で配線を固定する場合や、工場などで機械を補修する場合などに適しています。
まとめ
結束バンドの種類や素材はさまざまなため、使用する環境や結束するものの温度などによって選ぶ必要があります。たとえば屋外で使用する場合や、熱くなるケーブルを結束する場合は、耐熱性に優れているものを選んでください。
また、結束するものの太さや量によって、最適なサイズを選ぶことも必要です。
結束バンドを適切に使って、混ざったり散らばったりしやすいケーブルをしっかりとまとめましょう。