すぐに切れてしまう結束バンド、問題は外的要因と素材にあった!
※この記事は製品や技術にまつわるお役立ち情報=豆知識を意図しておりますことから、弊社製品以外の製品や市場一般に関する内容を含んでいることがあります
何かをまとめたり止めたりするときに便利な結束バンドですが、使い方によってはすぐに切れてしまうことが。
実はその原因は、さまざまな外的要因や結束バンドの素材の選び方にあるのです。
本記事では、結束バンドが切れてしまう要因や、用途別に結束バンドの素材の選び方について解説いたします。
上手く使いこなすためにも、結束バンドの特性を把握しておきましょう。
結束バンドの寿命は?
結束バンドの平均寿命は7~8年と言われていますが、素材によって20年使用できるものもあります。
しかしこの寿命を維持するには、用途や素材の持つ耐久性を知って使い分ける必要があります。本来の性能を高めるためには、以下のような外的要因に注意を払わなければいけません。
寿命を縮める主な外的要因
結束バンドの寿命を縮める主な要因には、荷重・振動・薬品・湿度・温度がかかわってきます。
・荷重
結束バンドに荷重が加わると、結束バンドそのもののストレスが大きくなり、結果結束バンドが切れてしまいます。重さがあるものを結束バンドでまとめて運ぶ場合には、1本の結束バンドだけではなく、複数本の結束バンドでまとめたほうがよいでしょう。
・振動
振動も結束バンドの天敵。表面にひびが入ることがあるため、大きな振動は避けなければいけません。定期的に割れていないか、確認したほうがいいでしょう。
・薬品
結束バンドと相性の悪い化学薬品があるところで使用すると、結束バンドが劣化してしまいます。
・湿度
結束バンドには色々な素材が使われていますが、ナイロン66の場合は乾燥すると弱くなる性質があります。つまり、湿度が低いと切れやすくなるということ。かといって、高湿度であってもナイロンは加水分解を始めるため、よりもろくなってしまう弱点があります。
・温度
一般的な結束バンドは、100度ほど温度が上がる場所で使用するとすぐに切れてしまいます。高温が伴う場所で使用する場合は、耐熱性に優れた結束バンドを使用するようにしましょう。
結束バンドの素材とおすすめの使用環境
・ナイロン
結束バンドに使用されている素材として最も多いナイロン。
比較的、柔軟性と耐久性が高いことが特徴です。多くの結束バンドはナイロン66という素材で作られていますが、実は耐熱性に優れているのはナイロン46という素材です。より強い素材を求めるのであれば、ナイロンの次に書かれている数字に着目してみてください。
・ポリプロピレン
ポリプロピレンは、ある程度の熱にも耐えられる特性を持っています。さらに、酸やアルカリといった化学薬品にも耐えられる素材です。
これらの薬品を使用したものに結束バンドを使いたい場合は、ポリプロピレン素材を選ぶようにしましょう。
・フッ素系樹脂
ポリプロピレンよりもさらに強固な素材がフッ素系樹脂です。170度前後まで使える耐熱性や、マイナス60度まで対応できる耐寒性があります。さらに対放射能性と耐薬品性を備えているため、高温になる場所から寒冷地で使う際に適しています。
・ステンレス
ステンレス製の結束バンドは家庭用ではあまり見かけませんが、配管の固定や高温になる機械の修理などに使われています。樹脂製のものもありますが、それよりも強く耐久性に優れています。
用途別で選ぶポイント
・DIYや屋内
DIYや屋内で使う場合に最適な結束バンドは、110度前後の熱に耐えられる耐熱性のナイロン66です。
安いので手に入れやすく、コスパもいいという点がメリットです。売っているお店も多いため、欲しいときに必要数なだけ購入できます。
また屋内では、ケーブルを束ねるときなどに結束バンドが使用されます。その場合は結束バンドが劣化する要因に晒されることがあまりないため、使用する結束バンドはナイロンのもので十分といえるでしょう。
・屋外での使用
屋外で結束バンドを使う場合、耐熱性や耐薬品性があるポリプロピレン・耐候性ナイロン66・ナイロン12などがおすすめです。屋外では雨風にさらされるところもあるため、これらの有能性を活用することがいいでしょう。
・車やバイク、配管まわり
車やバイク、または配管まわりに使う場合は、サビに強く、かつ耐熱性もあるステンレスがおすすめです。
これらの使用方法では安全性を考慮すべきであるため、強度についてかなり重視しなくてはいけません。またステンレス製の結束バンドはもともと配管まわりに使用されることがあるため、配管まわりの作業を行うのであれば、ステンレス製の結束バンドは正しい使用方法だといえます。
まとめ
結束バンドが切れてしまうのは、さまざまな外的要因に晒されていることと、適切な素材のものが使用されていないことにあります。結束バンドを使うシーンを想像して選ぶことで、長い間使用することができるでしょう。
素材とその特徴、使用用途、使用場所に応じて適切な結束バンドを選んでみてください。