手作業でもきれいにできる!配線ダクトの切り方や工具について
※この記事は製品や技術にまつわるお役立ち情報=豆知識を意図しておりますことから、弊社製品以外の製品や市場一般に関する内容を含んでいることがあります
配線ダクトとは、複数の電線を配管に収納して安全に電気を通す装置のことです。
主にスポットライトやペンダントライトを取り付ける際に使われ、ショップや美術館、一般家庭まで広く用いられています。近年ではDIYの流行に伴い自身で配線ダクトを取り付け、自宅をオシャレにリノベーションする人も増えています。
本記事では、配線ダクトの切り方や工具について解説いたします。
配線ダクトには2種類ある
配線ダクトには、主に鉄製タイプと樹脂タイプの2種類があります。鉄製タイプは強度に優れている一方、重量があり使い勝手はよくありません。樹脂タイプは強度こそ鉄製には劣るものの、軽量でカットしやすく、扱いやすいのが特徴です。
今回は、樹脂製ダクトを使ったカット方法をご紹介します。
配線ダクトをカットするときのポイント
配線ダクトをカットする際、押さえておきたいポイントが2つあります。
ポイント①見た目をきれいに
インテリアの一部ともいえる配線ダクト。見た目をきれいに切ることは仕上がりのクオリティに直結します。後述にてきれいに魅せるカットの仕方について説明します。
ポイント②バリ取りを欠かさずに
バリとはカットの際にダクトに付着した残留物のことです。これをきれいに処理することで、作業時に手を切ったりする危険性を防ぎます。また、電線を傷つけないためにも重要なポイントです。
必要な工具
樹脂製ダクトのカットは大型のカッターやノコギリでも可能ですが、きれいに仕上げるためには専門の工具をおすすめします。主に必要な工具は次の3点です。
・ダクトカッター…ダクトの長さや方向を適度な長さに整えます
・ダクトニッパー…通線孔をカットする際に使用します
・プラスチックニッパー…面取りやバリのカットに使用します
主な3つのカット方法と注意点
配線ダクトのカットは、大きく分けて本体、フタ、通線孔の3種類。それぞれの切り方と注意点について説明します。
①配線ダクト本体の全長をカットする方法
通常配線ダクトは必要な長さより長いものを購入し、カットして使います。短いものではきれいに仕上げることが難しいためです。ここで使用するのが樹脂材の切断に最適な「ダクトカッター」。ダクトをホールドして切断するため、バリができにくくすっきり仕上がります。
〈注意点〉
・通線孔の面に揃えてカットする
通線孔の面でカットすることで、引っかかってダクトが割れたり、手を切ったりする危険性を防ぐことができます。また、面が揃うことで見た目もきれいに仕上がります。
・カットした面を面取りカットする
カットした状態のダクトは角部が営利でひっかかりのもと。手のケガや電線の破損につながりかねない危険な状態です。「プラスチックニッパー」で角の尖った部分を斜めにカットし、角を削除します。非常に細かい作業ですが、安全性とクオリティを維持する為に重要なポイントです。
②配線ダクトのフタをカット
「ダクトカッター」で本体の長さに合わせてフタをカットします。
〈注意点〉
・本体よりもフタの全長を長くカットする
目安として、片側5mm程度長くカットします。これはフタが若干ずれても本体を隠すことができるためです。見た目のきれいさにつながります。
・カットした面を面取りカットする
フタも本体と同様に角を処理し、安全かつきれいな仕上がりを目指しましょう。
③通線孔のカット
通線孔とは電線を通す部分のこと。電線量が多い場合に「ダクトニッパー」でカットし、拡大できます。ダクトニッパーは切断面が滑らかになり、また奥深い箇所の切断にも向いているアイテムです。
〈注意点〉
開口部をきれいに調整する
カットした切り口の突起が気になったり、バリができる場合があります。その場合はダクトニッパーで再度カットし面を揃えてきれいに整えましょう。
ダクトカッターで仕上がりは変わる!選ぶポイント
カッター選びで大切なのは種類と機能を確認すること。今回はおすすめの種類と特に重要な機能についてご紹介します。
おすすめの種類
ダクトカッターには用途別に3つの種類があります。様々な用途に使えるノーマルなダクトカッター、モールの切断や細工に使うモールカッター、エアコンに特化したエアコン用ダクトカッターです。おすすめはノーマルタイプのダクトカッター。太めのダクトも簡単に切断でき、作業がスムーズに行えます。
備わっているだけで安心できる機能
・セーフティロック
選ぶ際の欠かせないポイントがセーフティロック。ダクトカッターの刃はとても営利で高い切断能力を持っています。使わないときは刃が開かないようにセーフティロックが搭載されているものを選びましょう。持ち運ぶ際にも安心です。
・替え刃の付け替え可能なラチェット機構
ダクトカッターにおけるラチェット機構とは、刃部にギアへ噛ませる歯がついており、段階的に少しずつカットしていく仕組みです。より軽い力で切断でき、作業の効率アップが期待できます。さらに、ゆっくり切断することはダクトの割れ防止にもつながるのです。
また、ラチェット機構付きのダクトカッターは刃の付け替えが可能。刃が劣化して切れにくくなったとき、替え刃と交換して長く使い続けられるのもメリットといえるでしょう。
まとめ
適切な工具の使用とカットの仕方をマスターすることで、自身で簡単に取り付け可能な配線ダクト。
近年では部屋の雰囲気に合わせて選べるカラーバリエーションも増え、より身近な存在となってきました。また専用スピーカーが開発されるなど、その用途は多岐にわたっています。
配線ダクトを使ったリノベーションにぜひチャレンジしてみてくださいね。