結束バンドで電線をまとめる時の用途に合わせた選び方
※この記事は製品や技術にまつわるお役立ち情報=豆知識を意図しておりますことから、弊社製品以外の製品や市場一般に関する内容を含んでいることがあります
家の中での利用はもちろん、屋外での配線など、様々な場所で見かけることが多い結束バンド。
電線を束ねてまとめる時には欠かせない道具ですが、価格帯や素材によって製品ごとの特徴は様々です。
今回は、使用用途に応じた結束バンドの選び方について解説します。
目次
安すぎる結束バンドは不向き
放っておくと絡まってしまう電線を、すっきりまとめる時に役立つアイテムといえば結束バンドです。100円ショップでまとめ売りされているものを買って済ませる方も多いかもしれませんが、束ねる電線の重さによってはリーズナブルなバンドが適していない場合もあります。
パソコン周りの配線など、屋内の軽いケーブルをまとめる時には100円ショップの結束バンドを利用しても問題ありませんが、重量のある電線を束ねる時は安価なバンドでは耐えられない可能性もあり、持ち運びの際などに急に結束バンドが外れると、重い電線が落下することも考えられます。いざという時の危険を避けるため、使用用途に合わせた結束バンドの選び方を紹介します。
屋外で使用するなら耐候性のものを選びましょう
まとめたい電線が屋外にあり、日頃から雨風にさらされることが予想される場合は、耐候性結束バンドを選ぶことをおすすめします。
一般的な結束バンドを屋外で使用した場合、季節ごとの温度変化によって素材が変質しやすくなり、きちんと電線を束ねたバンドが緩んだり外れたりする可能性も考えられます。また、雨水や湿気の刺激で素材の劣化が進んだ結束バンド自体が破断することも。屋外で結束バンドを使う場合、刺激に強いものを選ぶのが一般的です。
「Pan-Ty™耐候性ナイロン12製結束バンド」など、耐候性に優れた結束バンドは気候の変化に強く、雨風に強いのはもちろん、夏の日差しや紫外線による変質が起こりにくいのが特徴です。
変形や変色といった劣化が比較的起こりにくいため長く使用できるほか、低温にも強いため冬などの寒い時期でも問題なく使えます。融雪剤や凍結防止剤への耐性も強い素材で作られているため、積雪の多い地域でも安心です。
横ずれを防ぎたいなら柔軟性のあるものを選びましょう
たくさんの電線をまとめてきっちりとバンドを固定したつもりでも、いつの間にかきつく束ねた輪がたるんでいた、ということもあるでしょう。結束バンドが緩むことを「横ずれ」と言いますが、この横ずれを防ぐためには、柔軟性のある素材でできた結束バンドを選んでください。
横ずれを防ごうとして必要以上にきつく締めつけた場合、固い素材のものだと強く引っ張られた結束バンド自体が切れてしまう可能性があります。そのため、ケーブルなどをしっかりと束ねたい場合には、柔軟性と弾力性を兼ね備えた素材のものが適しています。
「Dura-Ty™スーパーリールバンド」など、柔らかな特殊素材でできた結束バンドなら、締め付ける際の強度を高く維持したままで横ずれを防止することが可能です。弾力性のある素材のものを選べば、束ねられた電線を締め付けすぎることもありません。また、ケーブルラックと電線を固定する際にしっかり留められるのも、柔軟性のあるバンドの利点のひとつです。
がっちり締めたいならループ引張強度のあるものを選びましょう
実際にまとめようとしている電線がかなりの重量である場合や、一般的な結束バンドを使用しても締め付ける際の強度が足りていないと感じる時には、ループ引張強度に優れた結束バンドを選んでみましょう。ループ引張強度とは、丸い輪の形に結束されたバンドを、機械を使って引っ張り、どれだけの力がかかった時にバンドが切れるのかを調べたものです。この数字が大きければ大きいほど強い負荷に耐えられるということを表しているため、耐久性に優れた結束バンドを購入する際には「N(kgf)」という単位に注目して数値を見比べてみるのも効果的な方法と言えるでしょう。
ループ引張強度の強いバンドの中には「Hyper-V™ ハイパーV」など、ロック爪が2箇所ついているタイプの製品もあり、上下2つのロック爪でストラップを通常よりも強力に固定できるため、束ねたケーブル類を非常に強い力でがっちりと締めることが可能です。
使用用途にあった結束バンドを選びましょう
一口に結束バンドといっても、100円ショップで見かけるようなリーズナブルなものから特殊な素材を使用したもの、耐久性に優れたものまで種類はさまざまです。パソコンや電話のコードなど、家の中の身近な配線をまとめる際にも利用される結束バンドは、紐や輪ゴムを使って結ぶよりも、安全かつ簡単に電線をまとめられる便利なアイテムです。
今回ご紹介したもの以外にも、自動車や鉄道など乗り物での利用に適している耐振動性結に優れたものや、海浜地区でも安心して利用できる耐塩害性の製品など豊富なバリエーションが存在します。
日常生活に欠かせない電子機器のケーブルを束ねる時にはもちろん、屋外の建築現場などの配線をまとめる際にも役立つ結束バンドの使用用途は多岐にわたり、実際に使われる場所や条件は様々です。そのため、使用する状況に適した製品を選ぶことが重要になります。結束バンドの素材や機能面での特徴を知り、自分の目的にぴったり合った結束バンドを選ぶことを心がけましょう。