Cat6A AXテープアライアンス
Panduit × 冨士電線 × 通信興業 × 岡野電線
約8年前にアライアンスを開始した、冨士電線株式会社(以下、冨士電線)・通信興業株式会社(以下、通信興業)とパンドウイットコーポレーション日本支社(以下、パンドウイット)。
さらに、2021年9月に岡野電線株式会社(以下、岡野電線)がアライアンスに参画したことをきっかけに今回、4社で対談を実施しました。今回は、各社の関係性やアライアンスでのシナジー、市場の変化や今後の展望などを伺いました。
GIGAスクール構想成功のカギは地道な啓蒙活動
諸星氏(冨士電線)
産業ネットワークや公共施設向けにCat6Aが出始めた頃、パンドウィットさんが独自開発したAXテープを採用しケーブル間の電気・電磁結合を飛躍的に抑えることを実現していました。そこで今後普及が見込まれるCat6Aケーブルの製造・販売分野での業務提携をしてみませんか?と話を持ちかけたのが最初だったと思います。
柴野氏(通信興業)
弊社も冨士電線さんもSTPシールドの扱いはありましたが、施工性に課題を感じておりました。そもそも、日本の施工業者は施工性の良いUTPの方を好む傾向がありましたので、シールド処理による、電磁波やノイズへの耐性を保ちつつUTPのような施工性も確保できないものか……と考えていたところでお声がけいただいたのが始まりでしたね。
左 通信興業株式会社 柴野 淳司 営業部長
右 冨士電線株式会社 諸星 宏昭 常務取締役 営業本部長
諸星氏
アライアンス結成当初はなかなかCat6Aのシェアを増やすことができませんでした。アメリカでは10年以上前からCat5eはほとんど使われていないのですが、日本ではまだまだCat5eが主流です。ケーブルの入れ替えをするタイミングが少ないことや、ケーブルの品質を向上させることへの理解度が低いことなどが起因し日本でのCat6Aシェアはまだ1割も無いのではないかと思います。
柏木氏(パンドウィット)
そうですね。今までは大体1割程度だと思います。
諸星氏
しかし、昨年GIGAスクール構想にCat6Aに関する指定が盛り込まれたことにより、一気に市場が盛り上がってきたと感じています。「10Gbps で接続可能な Cat6A 以上のLANケーブルの利用を指定する」とかなり明確にCat6Aへ移行するように指示が盛り込まれていたためCat6Aの認知や導入への動きが大きくなりました。このことからもこれからはCat6Aが主流になっていくのだろうと思います。
柴野氏
やっとCat6Aが周知されスタートできたと感じています。アライアンスがスタートした8年前はCat6Aの提案をしても、「予算的にまだCat6でいいです」と言っていたお客様も、GIGAスクール構想のおかげか「Cat6Aの必要性」や「利便性」が周知され導入に前向きになってきました。「Cat6Aの施工例も増えてきて工事もこうやって出来るんだ」ということが分かり、今年はCat6Aに関する注文や問い合わせがかなり増えてきています。
柏木氏
そうですね。GIGAスクール構想に関しても当初は5ヵ年計画だったにもかかわらずコロナウイルスの影響でオンライン授業の需要が高まり急遽前倒しになったと聞いているので、影響はあったと思います。
諸星氏
あとはコロナ禍で在宅ワークが増えたこともあり、そこの需要もまだまだ見込める気がしていますね。
柴野氏
それと、JIS規格(日本産業規格)において「オフィス:Cat6以上」「データセンタ:Cat6A以上」が最低クラスの規格という方針に切り替わり、実質的にCat6A以上が推奨されるかたちになりました。そういった仕様書や文言にも変化が現れているので、本当にこれからCat6Aが標準になる時代が来ると思います。
諸星氏
追いついたというよりか、やっと一歩前進できたという印象です。
柏木氏
米国ではかなり前からCat6Aが主流でしたので、弊社米国本社とのギャップに驚いておりました。
柴野氏
日本は、アメリカと比べて色々な物事が4〜5年遅れて伝わると言われていますが、Cat6Aに関しては4〜5年以上遅れてしまっていますよね。