キャビネットラックを語ろう
Panduit × 日東工業
- 鈴木氏
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ユーザーへのアプローチやプロモーションをはじめとする両社のマーケティングへの取組みの違いから、我々日東工業としては視野が広がったと感じています。特に製品のリサーチにおいては、これまでは日東工業がアプローチしていた「設備担当者」の目線で考えることが多かったのですが、そこが変わりました。「エンドユーザー」の目線で考えるという機会をパンドウイットからもらえたのは大きな効果です。データセンターの全体最適を考えるには、「設備担当者」のデータセンター構築を重視した視点と、「エンドユーザー」の運用を重視した視点の双方で考えることが、今後さらに重要になるのは間違いありません。
- 釼持氏
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逆に我々パンドウイットにとって、設備担当へのアプローチを持っている日東工業とのアライアンスは、非常にありがたく感じています。データセンターの全体最適化を実現するためには実はラックだけでなく、ケーブルルートなどもトータルで考える必要があります。そのためには、我々が得意とするケーブリングなどを提案するタイミングよりも、もっと早い段階でお客様に深くアプローチできる可能性が増えることに大きな期待をしています。
「耐震性」と「配線作業性」の両立が開発のポイント
- 鈴木氏
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もともとパンドウイット製のラックは国内ではユニークな存在でしたが、基本的には『コアネットワークラック』もその製品仕様やコンセプトを受け継いでいます。「使いやすい」「運用しやすい」製品として、他社との差別化を図ることができるように設計の段階からこだわりました。一方で、地震大国である日本市場においては、耐震性能が強く求められるケースが非常に多くあります。これらは技術的に相反する部分になりますので、耐震試験やCAE解析を行いながら最適形状の検討を行いました。
- 高山氏
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製品開発の過程では、「耐震性能」と「配線作業性」の両立が最も苦労をかけたところだと思います。例えば耐震強度を高めるにはフレームが太くなりますが、我々としては強度とともにケーブリングのスペースも確保してほしかった。「フレームの強度を保ったままケーブリングのスペースを10%増やして欲しい」といったわがままなリクエストもしました。また、パンドウイットの製品にはラックの連結間にも大容量なケーブルを収容できるユニークな発想がありますが、それについても実現してもらいました。
- 釼持氏
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強度とスペースの両立を実現するためのアイデアとして、マウントアングルとよばれる部分を「フレームより前に出して欲しい」と言ったお願いをしました。ラックメーカーとしては考えたこともないようなお願いだったと思います。ある意味無謀なお願いでしたが試行錯誤を重ねて実現してくれました。日東工業のものづくりに対するレベルの高さに圧倒されたことを覚えています。